テラーノベル
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俺のクラスには、1人だけ、転校生がいる。
窓際の一番後ろの席でいつも無表情で頬杖つきながら窓の外を見ていた。
俺の席からは結構離れてて、話すことはなかった。
まぁでもなんというか、話しかけづらい雰囲気はある。
だって、いっつも感情のない顔で、いつもなにか疲れた顔をしている。
頬にガーゼを貼っていて、怪我もしているようだったし。
授業中に先生に呼ばれることも多くて、なにかトラブルがあったのかって話もあるけど、
一番聞くのは、彼に対する悪口だった。
俺の周りのいつメンは、女子も男子も明るい奴らばっかり。
俺も結構話しかけられる、そのグループのムードメーカー的な感じだった。
屋上でみんなで集まってご飯食べる、とかも結構よくあって、その時よく聞くんだ。
「 窓際の席のアイツ、まじ厨二病っぽいよね 」
確かに、そう言われて考えてみれば、そう見える視点もある。
毎日貼り替えてあるガーゼに、冷たい表情。
孤高っていう雰囲気も若干あったりする。
でも、もしかしたらそのガーゼの下は怪我なんてしてなくて、
感情も、自分が特別な存在だってことを見せつけるためかもしれない。
もしかしたら、持病を持ってて、先生に呼ばれてる可能性だってあるわけだ。
まぁもしそうだとしたら何も言えないけど。
だけど
人間ってこんなに難しい物だったっけ。
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7月13日 日直:伊波・緋八
「 緋八さん、おはよう! 」
「 …おはようございます 」
相変わらずの声の暗さだった。
声はいつも通りで安心したけど、
その後黒板消しをクリーナーで綺麗にした後、教室に戻ってきた後
やっと気づいた。
彼は大怪我を負っていた。
頭に巻かれた包帯、腕に巻かれたギプス。
最初教室に入った時、それに気づくことができなかった。
ずっと、彼ではなく窓を見てしまっていた。
「 ごめん、怪我…大丈夫? 」
「 痛ないし、かまへんで 」
彼の言った痛くない、は
少し嘘をついているように聞こえた。
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7月13日 日直: 緋八・伊波
今日の日誌は俺1人で書いた。
何故かって、一人しかいないから。
授業の途中で倒れた緋八は、そのまま保健室で休んでいる。
結局俺は保健室で日誌を書く羽目になった。
隣を見れば、苦しそうな表情をした緋八さんがいた。
俺はこの空間が苦しくてならない。
だって、ずっと苦しそうな顔をするんだもの。
眉間には痛みで皺が寄っていて、口は鼻だけで呼吸するのが苦しくなったのか
ずっと空いているし。
見ているだけで心が苦しかった。
隣から物音がした。
「 あ、起きた? 」
「 ……、すんません、すぐ出て行きますわ 」
「 …ちょっと待てよ、話したいことあるからさ 」
俺は心に決めた。
緋八をベッドに押し倒し、カーテンを閉めた。
「 ……、ぇ、ちょ何をッ、 …!? 」
「 あんたさぁ、ちゃんと話してくれないとわからないって事わかんないの? 」
「 え、 」
「 理由は言わなくていいけど、痛いかどうかだけでも教えてくれないとさぁ、こっちが困るんだよ! 」
「 ちゃんと言ってくれないと困る事、たくさんあんの! 」
「 言わなかったらただ自分が可哀想ですってことアピールしてるだけじゃねぇかよ!! 」
視界が滲んでやっと、自分が涙を流していることがわかった。
なんで緋八に対してこんなに心配してたんだろう。
こんな感情なかったはずなのに、どうしても心が痛い。
心臓がばくばくする、顔が熱い。
滲んだ視界を直した後、緋八の顔を見ると、
彼は泣いていた。
「 ッ、なくなよぉ、…っ! 」
「 あんたやって、泣いとるやん、…っ 」
「 ごめん、俺、…っ、緋八の事好きだ、… 」
「 へ、…? 」
「 隣の席の女子からの話聞いてから、ずっと、…っ、緋八のことばっか見てた 」
「 それからずっと、緋八を見るたび心臓がばくばくして、痛くて 」
「 そんな、騙されへんよ …っ、俺は 」
「 じゃあそんな顔するなよぉ、…っ ! 」
彼の左頬は赤く染まっていた。
それでもガーゼが剥がれてしまっていた右頬の痣は
治らなかった。
コメント
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えすきだわ🫶🫶 才能わけてくれめんす😘😘(
/ / ぇ , な に か み な の ? ? ゎ た し の し ょ ぅ せ つ ぜ ん ぶ け し て ゃ ろ ぅ か こ れ は