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翌日
案の定降ってきた雨 。
定時頃にも止みそうにない 。
連絡してみようかな 。
あお)『 なるせさん 』
…… 絶対寝てるよ 、こいつ 。
期待を裏切られて少しショックを受け 、仕事に戻る 。
そのまま仕事を進めれば 、定時になっていて退勤する 。
折りたたみ傘を手に外に出ようとした時 、 彼が居た 。
nq)… ぁお?
あお)ぁ 、来てくれたの ?
nq) 傘 、持って …
あお)これ ? これは来てくれなかった時の為の保険で …
nq)… もういいよ 、じゃあね 。
あお)ぇ 、ちょっと … !!
そのまま彼はふらっと何処かへ行ってしまった 。
込み上げてきた感情は 、謝罪よりも怒り 。
連絡寄越さなかったから来ないと思ったのに 。
だから持ってきてた傘で帰ろうと思っただけじゃん 。
連絡くれなきゃ来るかどうかわかんないし 。
そんな事を考えながら家に帰る 。
家に帰ったあと 、怒りの片隅に 、謝らなきゃ なんて気持ちが芽生え始める 。
私たちは長い付き合いだ 。
今年で6年の付き合いになるのに 、向こうからすればその信頼を裏切られたような気持ちになって当然だろう 。
彼は私の為に外出して 、家まで送ってきてくれると言うのに 。
その信頼を 、裏切ってしまった 。
謝らなきゃ 。
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なるせを探して 、彼の家まで行く 。
チャイムを鳴らすが 、出る気配は無い 。
静かだし居ないのかな 、
なんて思っていたらドアが開いた 。
nq)…… なに 。
そう言って出てきた彼は 、少し怖くて 。
あお)ぇ 、… と
nq)… 用ないなら帰って 。
あお)ぁ 、待って っ 、!!
nq)何 。
あお)… 話 、したい …
nq)… 勝手にすれば 。
彼は玄関の鍵をかけずに 、そのまま部屋の中へと向かっていった 。
心の中で お邪魔します と言い 、家に上がる 。
あお)… ぁの 、
nq)……
あお)服 、濡れてるよ … ?
nq)… だから何 ?
あお)ぇ 、
nq)どうせ俺の事心配してんだろうけど 、あおには関係ないでしょ 。心配される筋合いとかないんだけど 。
“ あおには関係ないでしょ “
この一言が 、ずっと頭に響いて 。
きっと私は酷い顔をしてる 。
だから 、俯いて隠すの 。
あお)… そっか 、そうだよね 、ごめん 。 もう帰るね 、邪魔してごめんね 。
nq)…… 、
全部 、私が悪い 。
怒って当然 、なるせは悪くない 。
分かってるのに 。
どうしても 、なるせが怖くて 。
この関係が崩れることが怖くて 。
また話せなくなるのが嫌で 。
涙が出そうになるのを堪えて 、彼の家を後にする 。
” あの傘 “ は 、彼の家に置いてきた 。
今日が雨で良かった 。
この涙も 、雨で隠せるから 。
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