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「……俺、美咲さんとは付き合えません」
律の声は低く、しかし迷いはなかった。
美咲の目が一瞬揺れる。
「……そう、なのね」
「美咲さんは尊敬できる先輩で、いつも支えてもらってます。だからこそ……中途半端な気持ちで応えるのは失礼だと思いました」
言葉を絞り出す律の拳は固く握られていた。
美咲はそんな彼をじっと見つめていたが、やがて小さく息を吐き、微笑んだ。
「……律くんらしい答えね」
その笑顔の奥に、ほんの少しの切なさが滲んでいた。
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