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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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町を襲った百鬼兵との死闘から数日後——。

三兄妹と神威蓮司は、復興する町を見守りつつ、

次なる行動を模索していた。


蓮司が妖怪と共に戦ったことで、

町の住人たちは驚きつつも、

彼の強さを認めはじめていた。

しかし、その安堵も束の間、

密教「護法蓮華(ごほうれんげ)」 からの使者が訪れる。

使者の表情は険しく、修道や3兄妹へ厳粛な口調で

告げる。


使者

「皆様、江戸幕府より、護法蓮華に助力を求める急報が

届きました。突然ですが、幕府はポルトガル商人を

完全に排除する決定を下しました」


千姫が目を細める。


千姫

「ポルトガル商人の排除?またどうしてそんなことを?」


使者は深く息をつき、重々しく続けた。


使者

「彼らは表向きは貿易を行っているが、

裏では妖怪と結託し、不穏な動きを見せています。

実は異界の者の力を利用し、

日本を支配しようとしているのです」


晃平の顔が険しくなる。


晃平

「妖怪と取引……?」


蓮司の目が鋭く光る。


蓮司

「……つまり、異界の者が再び人間社会に

干渉しようとしているということか」


使者は深く頷き、さらに続ける。


使者

「そこで、幕府はオランダ商人のみを

長崎で許可する方針を決定ました。

しかし、ポルトガル商人は簡単には引き下がらない。

彼らは “妖怪の力” を借りて、

日本での立場を守ろうとしているのです」


竜之介が剣の柄を握りしめる。


竜之介

「つまり、俺たちがその妖怪を

どうにかしないといけないってことだな」


使者は静かに頷く。


使者

「そう。あなたたちの力が必要です」


沈黙が落ちる。


蓮司はしばらく考えた後、低く呟いた。


蓮司

「……異界滅殺、か」


その言葉に、月夜がじっと彼を見つめる。


月夜

「あなたの信念が揺らいでるの、気づいてる?」


蓮司は目を閉じ、僅かに息を吐く。


蓮司

「……今は考えている暇はない。

敵が動く前に、手を打つ」


こうして、一行は長崎へと向かうことになった——。


長崎の港に着くと、

巨大なポルトガル船が静かに波間に揺れていた。

しかし、異様な気配が漂っている。


千姫が眉をひそめる。


千姫

「この場所……ただならぬ妖気を感じるわ」


晃平が険しい表情を浮かべる。


晃平

「間違いない。妖怪が何か企んでるな」


すると、町人たちが怯えた様子で囁く。


町人A

「ポルトガルの商人たち……

奴らは悪魔を連れてきた……」


町人B

「見たか?

夜な夜な、あの船から異形の影が現れるのを……!」


竜之介が刀を抜きかける。


竜之介

「悪魔、ねぇ……妖怪のことか?」


蓮司が低く呟く。


蓮司

「……確かめるしかない」



夜、3兄妹と蓮司は港へと忍び込んだ。

そこでは、ポルトガル商人たちが異様な儀式を

行っていた。


ポルトガル商人の頭領・ダ・シルヴァ が、

奇妙な紋章を描きながら呪文を唱えている。


ダ・シルヴァ

「O espírito das trevas, conceda-nos o poder eterno…!(闇の精霊よ、我らに永遠の力を与えたまえ!)」


ズズズ……地面が揺れ、不気味な霧が立ち込める。


その中から現れたのは、 妖怪四天王の1番配下——

黒翼鬼(こくよくき) だった。


黒翼鬼

「人間どもよ……貴様らの世界は、

我らのものとなるのだ」


蓮司が剣を抜き、飛び出す。


蓮司

「異界滅殺……!」


竜之介が慌てて叫ぶ。


竜之介

「ま、待て!蓮司!!」


しかし、すでに遅い。


黒翼鬼は嘲笑を浮かべる。


黒翼鬼

「なんだ、貴様は?

ククク……ほう!

貴様、人間如きが我に争うか…人間如きの剣で

我を斬れると思っているのか?」


彼が腕を振るうと、黒い霧が広がり、

周囲の商人たちが 妖怪の眷属 へと変貌していく。


千姫

「しまった!奴らが妖怪に……!」


ダ・シルヴァが勝ち誇った笑みを浮かべる。


ダ・シルヴァ

「フハハハ!日本の地は、

妖怪と共に我らポルトガル人のものとなる!」


蓮司は静かに剣を握り直す。


蓮司

「……その野望、斬り捨てる」


黒翼鬼が闇の力を解放し、戦いが始まる。


竜之介

「させるかよ!千姫、晃平!一気に決めるぞ!」


千姫・晃平

「わかった!!!」


3兄妹が武将霊の力を憑依させし、攻撃を仕掛ける!


竜之介 の「天地斬破」——空間を裂く剣閃が妖怪の眷属たちを吹き飛ばす!


千姫 の「雷迅轟弾」——雷の弾丸が黒翼鬼に撃ち込まれる!


晃平 の「槍神貫破」——渦巻く風の槍が妖怪たちを貫く!


しかし——


黒翼鬼

「フハハ!ぬるいわ!人間如きの力では、

我を倒せぬ……!」


蓮司が月夜を振り返る。


蓮司

「……月夜」


月夜

「へっ!わかってる!」


月夜が蓮司の剣に魔力を込め、 浄化の剣 を生み出す!


蓮司

「雷刃閃・月影滅尽!!!」


青白い閃光が黒翼鬼の闇を引き裂く——!!!


が再び不気味な霧が立ち込め、長崎の港は闇に包まれる。


黒翼鬼(こくよくき) が空を舞い、

漆黒の翼を広げると、圧倒的な妖気が周囲を支配した。


黒翼鬼

「はははっ!!言ったろう!効かぬ!

貴様らの力では、

この黒翼を砕くことは叶わぬ……!」


その声とともに、黒い雷が港を走り、地面が割れる。

船のマストが崩れ、海面が波立つ中、

3兄妹と蓮司は更に態勢を整える。


竜之介が前に出て、剣を構えた。


竜之介

「クソッ……こいつ、今までの妖怪とは格が違うぞ!」


千姫

「……でも、やるしかないわ」


晃平

「俺たちがやらなきゃ、日本中が地獄になる……!」


蓮司は剣を握り直し、鋭い眼差しを黒翼鬼に向ける。


蓮司

「異界滅殺……! ここで決着をつける!」


  1. 激戦開始!個々の必殺技


黒翼鬼が上空から急降下し、

黒い衝撃波を地面へ叩きつけた。


ズドォォォンッ!!


爆発するような衝撃に、3兄妹は弾き飛ばされる。


竜之介

「ぐっ……クソ、あの翼が厄介すぎる!」


蓮司が剣を振るい、黒い雷を打ち払うが、

黒翼鬼のスピードは異常だった。


黒翼鬼は空中で跳ねるように動き、

次の瞬間には蓮司の背後に回り込む。


黒翼鬼

「遅い!」


黒い爪が蓮司の背中を裂こうとした、その瞬間——


千姫

「任せて!雷迅轟弾ッ!!」


千姫の雷の弾丸が黒翼鬼を撃ち抜いた!


黒翼鬼は空中でバランスを崩すが、

すぐに体勢を立て直す。


黒翼鬼

「フン……小癪な」


すると今度は晃平が風の槍を生成し、

黒翼鬼の懐へ突き刺す。


晃平

「これでどうだ!!槍神貫破!!!」


しかし——


ガギィィィンッ!!


黒翼鬼の黒い翼が盾のように広がり、

槍の貫通を防いだ。


晃平

「なにっ!? 貫けないだと!?」


その瞬間、黒翼鬼が反撃に転じる。


黒い翼が鋭利な刃となり、晃平を吹き飛ばした。


晃平

「ぐはっ!!」


地面に叩きつけられ、血を吐く晃平。


千姫

「晃平っ!!」


しかし、黒翼鬼は容赦しない。

さらに黒い雷を纏い、

千姫と竜之介にも襲いかかる。


竜之介

「……チッ、避けきれねぇ!!」


その時——


蓮司

「クッ……まだだ!!」


蓮司が瞬時に3兄妹の前に立ち、

剣を振り上げる。


蓮司

「雷刃閃・月影防壁!!!」


剣から放たれた青白い光が、

3兄妹を包み込む防御障壁を形成する。


黒翼鬼の攻撃が防がれ、僅かに隙が生じた。


その隙を見逃さず——


竜之介

「今だ!いっけぇぇぇぇ!!!」


竜之介の剣が発光し、空間を裂くような一撃が放たれる。


「おおおおおお!!天地斬破!!!」


黒翼鬼の翼の一部が削がれ、漆黒の羽が宙に舞う。


黒翼鬼

「なんだと?グオォッ……!」


千姫がすかさず両手を掲げ、雷を集中させる。


千姫

「いっけええ!!!雷迅轟弾・連撃!!!」


無数の雷弾が降り注ぎ、黒翼鬼の動きを封じる。


晃平も全力で槍を構える。


晃平

「ググッ……次は貫くっ!!」


風の力を最大限に高め、一撃に全てを込める。


「終わりだ!!!槍神貫破・嵐陣!!!」


渦巻く風が竜巻となり、

黒翼鬼を吹き飛ばすほどの勢いで襲いかかる。


しかし——


黒翼鬼

「グググ…まだだ……まだ終わらぬ!!」


ボロボロになりながらも、黒翼鬼はなおも立ち上がる。


蓮司は剣を握り直し、月夜を見つめる。


蓮司

「月夜、また力を貸せ」


月夜が頷き、魔力を蓮司の剣へと注ぎ込む。


月夜

「やっちゃいな!!!」


蓮司の剣が蒼白く輝き、周囲の空気が張り詰める。


蓮司の剣が蒼い雷を纏う。


蓮司

「ふう……行くぞ!雷刃閃・月影滅尽!!!」


竜之介、千姫、晃平も力を合わせ、

それぞれの必殺技を放つ。


竜之介

「天地斬破・剛!!!」


千姫

「雷迅轟弾・極!!!」


晃平

「槍神貫破・風牙烈旋!!!」


雷と風と剣の一撃が融合し、

巨大な光の刃となって黒翼鬼を貫く。


黒翼鬼

「グアアアアアアアア!!!!」

黒翼鬼の身体が裂る。


3兄妹と蓮司、月夜の 合わせ技 によって、

黒翼鬼はついに討ち取られた。


光の刃が黒翼鬼の身体を貫き、

闇のオーラが霧散する。


黒翼鬼

「グ……アアアア……ッ!!」


黒翼鬼の翼がボロボロに崩れ落ち、

体は闇へと還っていく。しかし、その瞬間——


黒翼鬼の唇が、不気味に歪んだ。


それは 怯えや悔しさではなく、

明らかな“愉悦” の笑みだった。


黒翼鬼

「ククク……ハハハ……」


蓮司が剣を納める直前、

その奇妙な反応に目を細める。


蓮司

「……何がおかしい?」


黒翼鬼の瞳がわずかに輝き、最後の言葉を呟く。


黒翼鬼

「貴様らは……何も……わかっていない……」


3兄妹が警戒する中、黒翼鬼は 嗤うように 続けた。


黒翼鬼

「私が……四天王の1番配下だと……知っているか?」


その言葉に、竜之介の表情が険しくなる。


竜之介

「……何だと?」


黒翼鬼

「フフ……貴様らに……

“本物の絶望”を見せてやろう……」


千姫の眉がぴくりと動く。


千姫

「どういうこと……?」


黒翼鬼

「私が倒れようとも……次は……“奴”が動く……」


消えゆく体から、黒い霧が立ち上る。その中で、

わずかに聞こえた。


黒翼鬼

「フフ……せいぜい……今のうち、

楽しむがいい……

人間どもよ……」


そして—— 黒翼鬼は完全に消滅した。


戦いの終わりを迎え、

3兄妹と蓮司は肩で息をしながら、

崩れ落ちた長崎の港を見つめる。


ダ・シルヴァは戦意を喪失し、地に伏していた。


ダ・シルヴァ

「バ、バカな……妖怪の力が……!」


蓮司は静かに彼を見下ろし、冷たく告げる。


蓮司

「妖怪などと共闘するとは愚か…

貴様らの野望は、ここで終わる」


幕府の使者たちが到着し、

ダ・シルヴァたちは捕縛された。

これで ポルトガル商人の陰謀は潰えた——かに思われた。


しかし、戦いの余韻が残る港に、

異様な空気が流れ始める。


千姫がふと、全身に走る悪寒 に気づく。


千姫

「……!? この感じ……」


晃平も槍を握り直し、周囲を見渡す。


晃平

「……誰か、いる……?」


蓮司もすぐに気づいた。

黒翼鬼が消えたはずの空間に、異質な何かが残っている。


蓮司

「いや……違う……」


月夜が、怯えた表情を見せる。


月夜

「やばい……これ、なんか……尋常じゃないぞ……」


空が 不気味に揺れた。


その瞬間、 冷たい風が吹き荒れる。


ザザザ……


港の奥の影から、 赤い瞳 がゆらりと浮かび上がった。


  1. 四天王の影


どこからともなく、 乾いた笑い声が響く。


「フフ……面白い……面白いな」


全員が身構える。


竜之介

「誰だ!?」


影がゆっくりと形を成していく。


漆黒の衣をまとい、長い髪を風になびかせる 男。


その口元は、黒翼鬼と同じように、不適な笑みを浮かべている。


しかし——


“圧倒的な妖気” が違った。


さっきまでの黒翼鬼とは

比べ物にならないプレッシャー が場を支配する。


月夜が息を呑む。


月夜

「こいつ……ヤバい……!」


男はゆっくりと三兄妹を見渡し、

まるで 品定めするかのように微笑んだ。


???

「フム……あの雑魚(黒翼鬼)を倒したのは、

お前たちか」


竜之介が剣を構える。


竜之介

「名を名乗れ!」


男は薄ら笑いを浮かべ、ゆっくりと口を開いた。


「私は、妖怪四天王の一人——

“大嶽丸(おおたけまる)”」


風が強く吹きつける。


3兄妹と蓮司は、その名に本能的な危機感を覚えた。


千姫が息を呑む。


千姫

「妖怪四天王……!」


大嶽丸

「今はまだ、貴様らと戦うつもりはない。

だが……すぐに会うことになるだろうよ。」


その言葉とともに、大嶽丸の 姿が黒い霧となって消えた。


完全に大嶽丸の気配が消えたあとも、

3兄妹と蓮司は動けずにいた。


蓮司が握りしめた剣の柄を、強く締める。


蓮司

「……まだ終わりじゃない、か」


竜之介が歯を食いしばりながら、静かに言う。


竜之介

「ああ……今までの奴らとは、次元が違う」


晃平が額の汗を拭いながら、低く呟いた。


晃平

「あれが四天王……両親の仇…

とんでもない相手になりそうだな」


千姫は拳を握りしめ、決意を込めて言った。


千姫

「でも、ここまで来たんだもの。

もう……引くつもりはないわ」


蓮司は静かに頷いた。


こうして、さらなる強敵「大嶽丸」の登場 によって、

彼らの戦いは新たな局面へと突入していく——。

蓮司は剣を納め、月夜を見つめる。


蓮司

「異界滅殺……しかし、

俺の信念は揺らいでいる。

異界の者の中にも、共に戦う者がいると知ったからな」


竜之介が拳を差し出す。


竜之介

「俺たちと一緒に、来てくれるか?」


蓮司は静かに頷き、拳を重ねる。


——こうして、三兄妹と神威蓮司は新たな戦いへと踏み出した。


だが、四天王の脅威はまだ始まったばかり。


次なる試練が、彼らを待ち受けている——!

次に待ち受けるはいよいよ妖怪四天王、

3兄妹は壮絶な戦いが待ち受けている事はまだ知らない。

覚醒霊武戦記(かくせいれいぶせんき)~人間界を護る者たちの運命~

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