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翡翠
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のりもちさん
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ゆき
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*ご本人様には一切関係ありません
柔太郎視点
昨日、舜太すごく怒ってたな……
__会いたくないな…
楽屋のドアノブに手をかけながら小さくため息をつく。意を決して、グッと扉を押す。
部屋に入ると、泣きそうになっている仁ちゃん、それを心配そうに見ている勇ちゃん。
__あっこれはやばい。
俺はすぐさま状況を察した。
柔「あっ、よっしー。スタッフさんが呼んでたよ。探してたから行って来な」
今にも泣きそうな仁ちゃんを1人にさせるために、俺は咄嗟に嘘をついた。
仁「あっ……あぁ、ありがとう。すぐ行く」
ぎこちなく足を動かした仁ちゃんが、俺の横を通り過ぎようとした瞬間。俺は勇ちゃんに聞こえないように、
柔(トイレ行って来な)と声をかけた。
誰もいない場所で、頭を冷やせという意味だった。
俺の言葉の意味を理解したのだろう、仁ちゃんは逃げる様に楽屋から飛び出していった 。
バタンとドアが閉まる音が、静まり返った楽屋にやけに響いた。
勇ちゃんは、仁ちゃんが出て行った扉を複雑そうな目でじっと見つめている。
勇「…なぁ柔太郎」
勇ちゃんが、静寂を破るように、いつもより少し低い声で話しかけてきた。
柔「……どうしたの?」
俺は努めていつものトーンで返す。
すると、勇ちゃんは少し俯きながら、ポツポツと語り出した。
勇「俺、仁人がずっと不安そうだったから……少しでも気持ちが楽になるように声かけたんだけど。間違ってたのかな……」
柔「仁ちゃんになんて言ったの?」
勇「…あの記事が本当だったとしても、俺はどっちでもいいよって」
__あぁ、そういうことか。
その言葉を聞いた瞬間、すべてが繋がった様な気がした。
きっと、勇ちゃんは仁ちゃんを信じてるからこその言葉なのだろう。だか、それは仁ちゃんにとっては…
勇「なぁ、俺どうし…」
そう勇ちゃんが聞こうとした、その時。
ガチャリと楽屋が開いた。
太智「おはよー、ってなんやこの空気。」ひょっこりと太ちゃんが入って来た。
入って来てすぐ、部屋の異常な空気を察して、俺と勇ちゃんをチラッと見る。
太ちゃんは、小さくため息をつくと。
太智「なんや、またなんかあったん?」
そう聞いてくる。
勇「…なんでもないよ」
勇ちゃんは小さく呟くと、視線を床に落とした。
太智「…ほーん」と少し呆れた様に言うと。
デスクに置かれた見慣れた鞄に視線を移した。
太智「てか、吉田さんは?」
その言葉に、俺は少しひやっとする。
柔「スタッフさんに呼ばれたから、今ちょっと出てるよ」
太智「…ふーん、そーなんや」と一言返すと、すぐさまソファにどかっと座りスマホをいじり出した。
画面を叩く指の動きは、ただ動画を見ているのとは明らかにちがう。
何かを、必死にを打っているようだった。
__仁ちゃん大丈夫かな。
きっと今頃泣いているのだろう。
俺には、仁ちゃんの気持ちが痛い程によくわかる。
俺がもし、舜太にあんなこと言われたら、きっと立ち直れないだろう。
今の時刻は、8時50分そろそろ、舜太が来るか、仁ちゃんが帰ってくる。
そんなことを考えていたら、ドアが静かに開いた。
入ってきたのは舜太だった。
舜「みんなおはよう、ん?勇ちゃんどうしたん?」
舜太が入って来てすぐに、抜け殻のようになっている勇ちゃんに話しかける。
勇「…なんでもない」
舜「…そっか、てか、そこに鞄あるけど仁ちゃんは?」
そう舜太が問いかけた、まさにその瞬間だった。
ドアが開いて仁ちゃんが入ってきた。
仁「……ただいま」
ずっと泣いていたのか、目元が微かに腫れている。
勇「あっ、じん、と……」
勇ちゃんも、仁ちゃんの腫れてる目元に気がついたのだろう。
動揺のあまり勇ちゃんの声が少し震えていた。
仁「ん?どうした?」
仁ちゃんはいつもと同じ、優しい声で返す。
勇「っいや、な、なんでもない」
仁「そっか」
そう返すと、スタスタと太ちゃんのいるところへと向かっていく。
仁「太智ー、今日飯行こうよ。」
普段2人きりで遊んだりしない、ましてや自分から進んで誰かを誘うなんて滅多にしない仁ちゃん。
その唐突な誘いに一瞬、太ちゃんは少し戸惑った顔をしたが、何かを察したのか見ていたスマホを置いて。
太智「……ええよ」と一言返す。
舜「……」
その2人を見ていた舜太が、あえて場を和ませるために、いつもの明るい声をあげた。
舜「えー、ええな!俺も仁ちゃんとご飯食べたいー。もちろん仁ちゃんの奢りで!」
仁ちゃんがフッと笑い、突っ込んだ。
仁「何言ってんだよ笑、今日お前撮影終わってから別の仕事あんだろ笑」
そういいながら、仁ちゃんが舜太の頭をポンっと軽く叩く。
舜「あちゃー、バレた?笑」
舜太のおちゃらけた発言のお陰で、仁ちゃんは気持ちが軽くなったのか、すこし、へにょっとした笑顔を見せた。
__あぁ、俺は舜太のこういうところが、どうしようもなく好きなんだ。
ぼーっと舜太の方を見ていたら、視線を感じたのか、舜太はクルッとこっちに振り向いてきた。
舜「…っ」
一瞬、何か言いたげな顔をしたが、すぐさま顔を逸らしてしまった。
__俺には笑いかけてくれないんだ。
そんな自分の醜い嫉妬に気がついた瞬間、猛烈な自己嫌悪に襲われる。
仁ちゃんが笑えて嬉しいはずなのに、これでいいはずなのに。
__俺、今どんな顔してる?
__ねぇ、舜太。
コンコンッ。
扉を叩く音に俺は、ハッと我に帰った。
スタッフ「ミルクの皆さんそろそろお願いします」
そんなスタッフさんの声が聞こえると、さっきまで抜け殻のようだった勇ちゃんが立ち上がり。
勇「すぐ行きます!」
一言返し、扉へ歩いて行った。
コメント
3件
それぞれの想いがすれ違っていて切ない🥲更新ありがとうございました。毎回楽しみにしております🙏
うわっ…第4話もしんどかった…でもすごく良かった。 仁ちゃんが勇ちゃんの「どっちでもいいよ」に傷ついたの、分かりすぎて胸が痛かった。あれは信頼から出た言葉なのに、本人には否定されたように響くんだよね…。 でも柔太郎が咄嗟に嘘ついて仁ちゃんを外に出したの、彼の人柄感じたわ。優しいなあ。 舜太が場を和ませるためにわざと明るく振る舞うシーン、めちゃくちゃ好き。ああいう空気読んで動けるの、本当にすごいと思う。ただ柔太郎が「俺には笑いかけてくれないんだ」って気づいちゃうところ…これまた切ないな。複雑な関係性が滲んでて、もう続きが気になって仕方ない! 4話でもうこの解像度、🍎さんのキャラ描写の上手さに毎回やられてるわ🔥