『あ、そうだ!じゃあ、その噂を事実にしてあげようか?』
「は?」
『だめ?いい案を出したと思ったけど?』
「いや、それ告白になってんの分かってる?」
『うん。』
「うんじゃねえよ。私にそんなこと言っていいのかよ。取り巻き達が悲しむぞ。」
『いやあの子達はただのストーカーだよ。』
「うわ、あいつらが聞いたら倒れそう。」
『で、どうなの?良いの?悪いの?』
「告白の返事で悪いって何?…でも、どっちかっていうと悪いかな。」
『そっか。やっぱりそう言うと思ってた。』
「じゃあ聞かなくてよかったじゃん。別に私のこと好きでもないんでしょ。」
『たしかに好きじゃないけど聞いてみようと思って、それに、やっぱりそんなに悩んでないじゃん。』
「いやそもそもさっき嫌いって言ったよね。悩んでないのはそうだけど…。」
『やっぱり!当たると嬉しいものだね。』
「はぁー、もう帰ろ。そろそろ帰らないと暗くなる前に帰れない。」
そう言って歩き出した。
『りょーかい。』
今度は彼と手を繋いで、
『手繋いだりするから勘違いされるんじゃない?』
「お前歩き方危なっかしいんだよ。」
『あはは。でも告白断られちゃったから、明日からもただの友達だね。』
「いや違うよ。明日からもただの顔見知りだよ。」
『毎日競争しながら登校して話して一緒にご飯食べて手繋いで帰る顔見知りって……?』
「友達の枠に入れるのは嫌なくらい目に余るからね。」
『あはは。じゃあ明日からもただの顔見知りとしてよろしく。』
「うん。よろしくね。」
えんどいち、明日もただの顔見知りとしてよろしく
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明日も変わらない男女の話