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「髪切ったん?」「うん、長いとドライヤーとか大変だし」
ある日仕事で仁ちゃんに会うとその髪がかなり短くなっていた。前々から切りたいと言っていたが想像していたより思い切りがいい。
思わずその姿をまじまじと見てしまう。
「…んだよ、不満?」
イラついたような反応の中に心配が見えた。仁ちゃんは自分の好きなように振る舞うのに繊細で、人の目を気にしてしまう所がある。
恋人である俺には普段そういう部分を出さずにいるが見た目のことだと気になるらしい。
「そんな事あらへんよ、かわええから見とれちゃっただけ」
安心させるように抱きしめると小声で「それならいいけど…」と聞こえる。少し恥ずかしそうにする様子が可愛くて思わず悪戯心が顔を出してしまった。
「ぅあっ」
髪を切って顕になったうなじを優しく撫でる。不意打ちだったからかビックリして声を出す仁ちゃんにくすりと笑う。
「ええなぁ、うなじって色気あるから」
「それは女の話だろ…」
抱きしめたままその部分を見つめながら撫でると仁ちゃんの手が俺の服を握り少しの抗議を示す。
そんなんされたら、余計にイタズラしたくなってまうやん。
そんな言葉を天邪鬼な仁ちゃんには言わず、小さな反抗を無視してうなじに優しくキスをする。
「っ!お、ま…っ」
「やらしい所見せてる仁ちゃんが悪いんやで?」
そう言って首筋を撫でながらキスを続ける。
「はっ……あ……」
別に変な所を触っているわけではない。それなのにこの愛撫とキスだけで反応するようになった仁ちゃんに支配欲を掻き立てられる。
「仁ちゃんはほんとにえっちやなぁ…」
そう耳元で言うと俺の服を握っていた手がもっと強くなる。そんな事ない、と言いたいのだろうが小さく声が漏れるだけだった。
このまま抱いてしまいたい、と思っている所に小さく足音が聞こえてくる。
「続きは仕事の後でしよな?」
そう言いながらうなじをつうと撫で、仁ちゃんを抱きしめていた腕を離す。
「……お前の方が変態だろ…」
「ひど!俺そこまで言うてないやん!」
腹を立てながら俺を睨みつける仁ちゃんは扉が開く音がするとパッとロッカーの方向に向く。
「おはよう、…舜今日も早いね」
「…おう」
「柔おはよー!早く来ると仁ちゃんが褒めてくれるからな!」
「あーそういえばそんな事話してたね。その割に準備全然終わってなそうだけど」
仁ちゃんはその言葉を聞いて一瞬動きが止まる。
「話が盛り上がってもうてん。ほら、仁ちゃん髪切ったから」
「ホントだ、かなり短くしたね。スッキリしてていいじゃん」
「…そんなに、良くない」
不満そうに答える仁ちゃんに柔は少し笑い、そのまま俺に視線を送ってくる。しー!とジェスチャーをするとOKの手を作って答えた。
少し前に俺たちの関係を察していた柔に話をふられて、誤魔化す事も出来ずについ話してしまったのは仁ちゃんには内緒だ。
そんな事を知ったら絶対に仁ちゃんに怒られる。
「じゃ、俺も着替えないと。舜も早くしなね」
「うん」
そう言いながら背中を向けて着替える仁ちゃんのうなじを見つめて、今日の仕事の後がとても楽しみになった。
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髪切ったネタを今更書くという…。
肉体関係ありきの優位性を利用した会話が好きなんですよね、濡れ場よりそのやり取り書く方が楽しいまである。
次回もそんなんです。似たような話ばかりな上に短くてすみません🥹
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ちゃ
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