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4 - 揺れる気持ち、隠せない想い

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2025年08月17日

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第4章:揺れる気持ち、隠せない想い


昼休み。

購買でパンを買って戻ってきたら、友達の由香と美咲に囲まれた。


「ねぇねぇ〇〇〜、最近さ、亮くんと仲良くない?」

「そうそう!また手紙もらったんでしょ?」


からかうような笑顔に、顔が熱くなる。

慌てて首を横に振った。


「ち、違うってば!ただの、交換日記みたいなもので…」

「ふーん?でもさ、亮くんって基本クールで誰ともそんなことしないじゃん?なのに〇〇とだけ〜?」

「絶対、特別だよねぇ?」

「ちょ、ほんとにやめてってばっ!」


声が大きくなった瞬間。

すぐ横の席の亮くんが、静かにこちらを見ていた。


「……特別、かもな。」

低い声で、さらりと。


周りの時間が止まったみたいに感じた。

由香と美咲は「きゃーーっ!」って声をあげて飛び跳ねて、余計に顔が真っ赤になる。


「な、なに言ってんの亮くん!?💦」


亮は視線を逸らし、少し肩をすくめただけ。

でも耳の先が赤いの、見逃さなかった。



その日の放課後。

帰り支度をしていたら、カバンの中にまた一枚、折りたたまれた紙が忍ばせてあった。


――また、からかわれたな。

でも俺は別に嫌じゃない。

むしろ、ああいう時、否定される方が傷つく。

だから、つい口が滑った。

〇〇はどう思った?


震える指でその文字をなぞる。

顔が熱くて仕方ないのに、胸の奥がくすぐったくて、幸せで。



夜、部屋でペンを走らせた。


――否定なんてするわけないよ。

特別って言ってくれて、嬉しかった。

でもみんなの前であんなこと言うなんて、反則だよ。

顔真っ赤で、まともに亮くんの顔見られなかった。


封筒を閉じるとき、気づけば自然と笑っていた。



翌朝。

机に座ると、亮くんが隣に腰掛ける気配。


小声でぽつり。

「……今日、放課後。少し時間あるか?」


心臓が一気に跳ね上がる。


「え?……うん。」


亮くんはそれ以上言わず、前を向いてしまったけど。

視界の端で、彼の指先がかすかに机をとんとんと叩いていた。


――まるで緊張をごまかすみたいに。

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