コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
・
「あーー腹へったーー」
『お腹すいたね』
「…………だいたいお前とエマが航海術持ってねェってのはおかしいんじゃねェか?」
小舟でこの大海原を突き進む三人。
「おかしくねェよ漂流してたんだもんおれらは!
お前こそ海をさすらう賞金かせぎじゃなかったのかよ」
「おれはそもそも賞金稼ぎだと名乗った覚えはねェ。ある男を探しにとりあえず海へ出たら自分の村へも帰れなくなっちまったんだ。
仕方ねェからその辺の海賊船を狙って、生活費を稼いでた…それだけだ」
「何だお前迷子か」
「その言い方はよせ!!」
ようやくツッコミ要員ができたこの船。ボケを拾うのも一苦労なゾロである。
まあこのゾロもたいていバカなのだが。
「まったく…!航海もできねェなんて海賊が聞いて呆れるぜ!」
『あ、そうだ。コンパス、海軍基地から持ってきた』
「……まさかあの時俺にサポート任せたのは…」
『うん?コンパス取るためだよ?』
「嘘だろ…エマはそこそこ常識あると思ってたが……」
すごいドヤ顔でゾロにコンパスを差し出すエマ。とても庇護欲を掻き立てられる。
あの時と言うのは、ルフィとゾロがモーガン大佐とヘルメッポをまとめて倒したときのこと。
ゾロにサポートを任せて戦場をぬけたエマは、海軍基地を走り回りコンパスを探していた。
いやどんだけ後悔してたんですか?と問いたくなるほどの行動っぷりだ。
他にもマリンフォードの地形地図など訳が分からないがとりあえず面白そうなのをショルダーバックに入れてきたのだが、とりあえず今は置いておこう。
「これじゃ"偉大なる航路"も目指し様がねェ。早ェとこ"航海士"を仲間に入れるべきだな」
「あと"コック"とさ、"音楽家"とさァ…」
『コック!音楽家!』
「んなモンあとでいいんだよ!!」
途端に三人は大の字に倒れ込むと、同じタイミングで同じ言葉を発した。
「「『腹へった』」」
少し見上げると鳥が飛んできた。
「お、鳥だ」
『わ、かわいい』
「でけェなわりと…」
バサッバサッと頭上を飛ぶ鳥。空腹末期のルフィにはそれがだんだん大きな照り焼きチキンに見えてきた。
思い立ったら行動が吉。ルフィはがばっと起き上がった。
「食おう!!あの鳥っ」
『ん』
「?どうやって…」
アンタさっき可愛いって言ってたじゃないか、とツッコミたいが恐らく背に空腹は変えられないのだろう。
・