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今更ですが一気見させてもらいました!! 最後の呪鬼3の言葉が出てきた瞬間一気に鳥肌がぶわぁ!!って来ました! 希が鬼な話探してたのでめちゃくちゃ有難いです!!
世界線のお話、きっと小木曽さん(天落記)ですよね!?そうやってあなたは私達を喜ばせる…🤦♀️🫶🏻 めちゃくちゃ好みでした!
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気がついたら兄が心配していて、なにが起きたのかさっぱりだった。兄から事情を聞けば俺たちは誘拐犯に監禁されていたらしい。その時の記憶が全然ないと言えば、誘拐犯が使った薬に記憶を混濁させる効果があったらしい。すっぽりと抜けていた記憶が鮮明に蘇る。
「に、兄さん!あいつらは!!!?」
急いで聞けば、全員無事との事で安心したが、兄はいまだに暗い顔をしている。
「希くんだけ、誘拐犯によって殺されたんだ。ナイフを持っていた誘拐犯に気づいた希くんがみんなを庇って刺されたそうだ…」
それを聞いても何故か理解できなかった。
ゾムが庇った?
俺らを殺そうと何度も刀を振るったのに?
……殺そうとした?
なぜ、自分がそう思ったのか理解出来なかった。なぜ、ゾムが俺たちを殺そうとする考えになっている?あいつはそんなやつじゃないのに?
そう考えていくと、いろいろな疑問が浮かび上がる。
「今は疲れてると思うし、一旦家で休んでおいで」
そう促され、おぼつかない足取りで家まで帰った。
急いで他の奴らに連絡しようとする。
「あれ?なんでこんなに焦ってるんや?」
別に焦らなくたって無事だと言っていたではないか。
何かがおかしいのに
なにも『思い出せない』
思い出す事なんて何もないのに
なぜ?
しばらく時間が経つと、考えている事さえ忘れてしまい、寝る事にした。
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(ゾムさんをこの偶像に封印して、楽にしてあげてください、!)
〈鬱は封印するんだな。じゃあ代償にみんなの記憶をもらってくよ……今日のことはさっぱり忘れて、新しい生活を始めるんだ〉
ここは…どこ?
なんで大先生が?
するとあたりが暗くなり、目の前に青年と少年の間くらいの男の子が現れた。黄緑色の目をしており、何故だか分からないがすごく既視感があった。
俺はこの人を知っている。そう思ったのにまるでもやがかかったようになっていて思い出せない。
〈●●●先生?何してんの?〉
〈●●…いや、俺も1回鬼になったから普通に生活する事は許されないらしくてさー?封印されるべき存在らしいからここに来ただけ〉
〈実は私も、鬼になってしまった身として現世にいるのはあまりよろしくないようでして…お2人がここにいるようなので来てみました〉
〈●●さんも?なら3人でゆっくりしよーや!〉
男の子は無邪気に笑いながら、2人の手を引く。俺はその光景を後ろからただ眺めることしか出来なかった。心のどこかでよかった、と思っている自分がいたが、なぜそう思ったのか分からなかった。
そこで目が覚め、夢だった事を理解する。一体誰だったのか、考えても考えても答えが浮かばないので諦めて、他の奴らに会いに行く事にした。
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〈らだ男先生!戌亥さん!〉
魂だけの存在となった俺たちに肉体というものは存在しないが、魂の器となる体はある。封印されたゾムに続いて俺と戌亥さんまで封印されたのは今までの行いのせいなのかもしれない。
今は何もなかった空間に安息の地となる家を建てそこで自由に過ごしている。封印されたのにこんな事していいのか、なんて思ってしまったがそこは神様の優しさとして受け取っておく事にした。その代わり、ゾムは悪夢を見るようになり俺や戌亥さんは家から出れなくなってしまった。唯一家から出れるゾムは自作のロボットを使ってタイムパトロールをしているらしい。なんだそれって思ったしいつのまに作ったんだろうかとも思ったが、本人は楽しそうなので何も口出ししないでおいた。
〈どしたー?ゾム〉
〈どうしました?よければ座ってお茶でも飲みながら教えてください〉
〈おん、ありがとぉ!さっきな、別の世界線に行って来たんやけどさ!らだ男先生と戌亥さんみたいな人が警備員やっとってな!ロボロ達が指名手配犯でな?デパートに来たロボロ達を追いかけ回しとったんや!〉
〈それはまた面白い世界線ですね〉
〈本当にな、にしても警備員かぁ…教師の俺の方がまだよくね?〉
〈先生あの世界線で借金しとったで〉
〈え!やばぁ!!何してんの俺!〉
たまにこうやっていろんな世界線の話をしてくれている。その時は決まってお茶とお菓子を出して食べながら話している。
封印された後、みんながどうなったのか知らないけどなんの偶然かロボロが干渉してきた時は驚いた。
おそらく、強く思い出そうとした影響で少しだけ過去の出来事を見ることが出来たのだろう。
なにはともあれ、これで全てが収まったのならそれでいい。
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その後、順調に成長し社会人となった天野達。日々仕事に追われながらも順当な毎日を過ごしている。あの事件にあって以来、何故か神社に近づく事に対して抵抗感があったが、普通に生活出来ている。
毎回、夏になるとみんなで集まって小学校に行くようにしているらしいがどっちかと言えば自然と足が向かってしまうらしい。
閉ざされた幼い頃の記憶はここで終わりを告げた。
END
パタリ、と本を閉じた音だけが静かな部屋に響き渡る。
色素の薄い髪色をした男が緩めていたネクタイを締め、きっちりとした姿になる。ゆっくりと立ち上がり、紅茶を淹れるためにポットの湯を沸かす。小洒落たカップを二つ用意し、淹れたばかりの紅茶を注ぐ。その数分後、何もない空間から1人の男が姿を現す。
〈エミさん、紅茶淹れてくれたん?嬉しいわ丁度飲みたかったんよ、ありがとうな〉
「いえいえ、そろそろ来る頃だと思っていたので大丈夫です。それに、1人で飲む紅茶も美味しいですが、2人で飲む紅茶の方が私は好きなので。そうは思いませんか?ゾムさん」
〈おん…せやな!俺も人数多い方が好きやわ〉
机の上にはゾムさんと呼ばれた男が置いたであろうクッキーとエミさんと呼ばれた男が淹れた紅茶が置いてあった。
〈それ、また読んでたん?好きやなぁ〉
「ええ、これは本当に面白いんですよ!作者が書いてないので誰の作品かは分かりませんがとにかく名作なんですよ!でも、このお話エピローグが無いんですよね。不思議だと思いませんか?プロローグはあるのにエピローグはないんですよ?…まあそこがまた面白い所なんですけどね!」
聞かれた男は興奮気味に話す。聞いた方は聞かなければよかったと心の中で後悔しつつ、しっかり話を聞いていた。
本の表紙には掠れた文字でタイトルと思われるものが書いてあった。
『呪鬼3』
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次回 エピローグ
デュ○ルスタンバイ!!!!
データが途中でお亡くなりになり、まじで諦めて明日に回そうとしてました。最近では呪鬼終わったら次何のシリーズ始めようかなぁとか考えてます。
みんなも花粉には気をつけていこう!!!
(うには花粉症によってしんだ)