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どうも、nanaha.です。
第一話、早速どうぞ。
駅のホームで風を浴びる。
「うわ、寒…。」
せめて少しでも暖を取ろうと、上着の前を合わせ、両手を擦る。
『3番線に列車が参ります。黄色い点字ブロックまでお下がりください。』
俺の通っている「霹靂大学附属中学校」は、偏差値日本一ということで有名だ。
父さんも母さんも、学歴・職業ともに一流で、俺にも同じ人生を歩ませたがる。
…というと、教育虐待って思われるかもしれない。
でも、俺にとってはこれが良いんだ。
何故なら俺は、将来を考えられないくらい、空っぽな人間だから。
ただ学校っていう社会だと、こういう人間が評価されるんだよな。
「ふえぇぇぇぇん!!!!」
降りた駅のホームのどこかから、赤ちゃんが号泣してる声が聞こえる。
視線を向けると、お母さんと見られる人が周りにペコペコ謝っていた。
その光景を見たくなくて、改札へと背を向ける。
「すみません…!すぐ泣き止ませます…。」
それを見ている人たちの纏う、灰色の空気が苦しい。
『ピピッ』
うわ、最悪。ICカード残金切れじゃん。
後ろのサラリーマンの舌打ちが聞こえる。
「あ、すみません。」
慌てて列を退く。
今日、ついてないなぁ…。
「兄ちゃん、ちょっと時間ある?テレビの取材やねんけど。」
中学へ歩いていると、声をかけられた。
スタッフと思われる数人と、関西弁の二人(芸人?)に声をかけられた。
「僕ですか?」
「そうそう!中学生?頭良さそうやな!」
「顔も二枚目やな!ほんま羨ましいわ〜」
面倒だけど、どうせ5分程度だろう。受けることにした。
「え、中学どこなん?」
「霹大附中です。」
「霹大附中って、あの偏差値75の?!」
「75ってやばいやん!兄ちゃんほんま?!」
みんなと同じような反応。慣れてるけど、なんとなく居心地が悪い。
「俺ら大阪出身やねんけど、東京って怖ない?」
「怖い、ですかね…」
「怖いっていうか、みんな同じ色してんねん!分かる?」
「せやねん!灰色やねん!みんな辛気臭い顔して歩いとるし。」
…。
「すみません。僕時間無いんでここらで。」
「あ、遅刻寸前やったんか!呼び止めてすまんな〜!」
「学校頑張ってきや〜」
灰色。俺がさっき感じた色。
多分、俺も灰色の雰囲気で、辛気臭い顔してるんだろうな。
意味もなく空を見上げる。
淀んだ灰色…ではなく、澄んだ水色だったのは、最高の皮肉だ。
お読みくださりありがとうございました。
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また次のお話でお会いしましょう。