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萩原なちち
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「……僕ね、だいきさんとの子供が欲しいんです。そうしたら、歳をとってもだいきさんと一緒にいられる『理由』ができるでしょ?」
胸の奥が、ぎゅっと締め付けられた。男同士の俺たちには、どんなに願っても叶えてあげられない未来。そのあまりにも切実で、純粋すぎるしゅうとの願いに、言葉を失う。
「……子供じゃなくてもいいじゃん。これから、ずっと二人で一緒にいられる理由を、探していこうよ」
「ふふっ……はい」
ニコニコ笑っているけど、しゅうとの心は不安でいっぱいなんだ。
俺のこれまでの生き方を知っているからこそ、信じきれない部分があるのかもしれない。
こんなに純粋で無垢な人を俺のものにしたんだ。これからは責任を持って、俺が一生かけて守っていく。
「俺、多分……初詣の時からしゅうとのことが好きだったんだと思う」
「……嬉しい。けど、それはそれで不安かも」
「いや、女の子もいけるとかそういう話じゃないよ? カレンちゃんがいけるってだけで……」
「……ライバルがまさか女装姿の自分やなんて、考えてもみませんでした」
「もう、ややこしいから全部『しゅうと』ってことでいいじゃん!」
「ほんまですね」と、しゅうとは優しく笑った。
この穏やかで、甘くて、少し騒がしい時間が、いつまでも続くように。
俺はもう一度、愛しい恋人を腕の中に引き寄せた。