第五章〜
『ASHES』の世界的成功の後、タプはソロ活動を本格的に再開した。
が、関係者たちは気づいていた。
――明らかに痩せている。
――笑わなくなった。
――楽屋にいるとき、ずっと誰かを探している目をしてる。
スタッフは口をつぐんだ。
でもファンは鋭かった。
「たっぴょん、痩せすぎじゃない?」
「ツアー映像でずっと手首に跡が……」
「衣装の背中、何か隠してるように見える」
「…ねえ、誰か止めて」
そんな声があふれる中でも、
ステージに立つタプは、まるで美しい亡霊のようだった。
「今夜も、灰になって――君を想う」
その一言を呟いて、
マイクを置いた姿は、まるで愛の終わりの儀式のようだった。
「ねえ、ヒョン」
ジヨンは、タプの首にリボンを巻きながら言った。
「なんで、逃げないの?」
タプは答えない。
代わりに、リボンの端を指に絡ませる。
「逃げたら……お前は、来てくれないだろ」
「うん。来ない」
そう答えたジヨンは、
そのままリボンを強く引いて、タプの喉にきつく食い込ませた。
「でも、来てくれるから、いいよね?」
――それが、ふたりだけの甘いルールだった。
🔥🔥🔥🔥🔥
ある日、あるファンが気づいてしまった。
「MVの最後のフレーム……鏡に映ってるの、ジヨンじゃない?」
「いやいや、衣装のピアス、完全に一致してる」
「この動き、タプが昔ジヨンの真似してたやつ……」
「もしかして、“本当に付き合ってる”……?」
疑惑は広がり、瞬く間にSNSを席巻した。
YouTubeには検証動画が溢れ、
インスタには「#JTOP #灰の愛」タグが立ち上がった。
ファンアート、考察スレ、TikTokのMVパロ……
どこもかしこも、**“ジヨンとたっぴょんは共依存している”**という妄想が現実味を帯び始めていた。
そして、誰かが言った。
「これはただの恋愛じゃない。芸術として狂ってる」
数ヶ月後、タプは新曲『DEVOTION(献身)』をリリース。
今度は完全なピアノバラード。
MVは一切登場人物が映らず、灰の舞う真っ白な部屋の中でピアノを弾く手元だけが映る。
歌詞は、こうだ:
「君のためにすべて捧げよう
俺の呼吸も、鼓動も、名前すらも」
「終わらせて、君の手で
この苦しみさえ美しくなるなら」
最後のフレーズは、静かに消え入るように――
「誰にも奪えない。俺の地獄は、君がくれたものだから」
SNSでは爆発的にトレンド入り。
「いや無理、泣いた」
「もう戻れないじゃんこれ」
「ジヨン、返事してあげて…でも、しないでほしい」
「狂い咲きの純愛ってやつかよ」
タプはグループとしての活動も、辞めなかった。
むしろ、より精力的に参加するようになった。
なぜなら――
「BIGBANGという名前の下で、彼がいてくれるから」
ジヨンが、たっぴょんのマイクをそっと手に持ち、
それを差し出す仕草。
その一瞬一瞬が、ファンの心を刺した。
「これが、“灰から蘇る愛”なのかもしれない」
あ〜終わり方むずっw
第六章〜
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