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影の愛

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影の愛

7 - 第5話 Bad End 気づかない 1

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2025年01月08日

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Bad Eud









【すち視点】


「…そういや、さっきの人は?」


「あぁ、もういなくなりましたよ。」


「…そっか」


少しずつ、足音が消えていった。みこちゃんが離れちゃったんだ。


「…危ないわね、なんで音を出そうとしたのよ!」


みほさんは何度も何度も私の頬を平手打ちしたり、体を傷つけるようにカッターで切り刻んできた。身体中痛くて、声すらもう出なくなった。


「…こいつを適当に捨てなさい。」


そう周りの秘書の方に言った。秘書の中は私を心配している人も数人いたが、みほさんが怖いのか、黙ってみることしかできていなかった。


何人かで抱えられ、冷たい地面に投げつけられた。体が動かなく、ただひたすらに、静かに涙を流すことができなかった。
































【みこと視点】


今日はなんだか嫌な予感がしたから、普段よりも早く帰るように、すちに連絡をした。


『すち、今日普段より早く帰るね。』


そうスマホで伝えて、そっと閉じた。


しばらくして仕事が終わったため、家に帰ってもすちがいなかった。スマホを確認しても既読にならず、なにかあったのかと不安になり、すちと共通で使っているGPSを確認すると、会社のオフィスあたりで途絶えていた。


用事なしですちが会社に来ることはないから、なにかあったのかと思って、急いで会社に向かった。














「ッ、はぁ、はぁッ、 」

会社についても、すちはいなかった。誰か知っているだろうと思い、近くにいた秘書数人に話しても、声を揃えて「知らないです。」としか言わなかった。


そうだ、今日きた女の人って、すち?すちだったら辻褄が合う。ならみほが知っとるはず。急いでみほに連絡を取った。


『みほ、オフィスに来てほしい。』


『了解です。』


数分後、みほが駆けつけてくれた。


「みこと社長、ご用は、?」


「…緑髪の、赤い瞳の女性来なかった?」


みほは思い当たるような顔で考えていた。きっと来ていたのだろう、と思った。


「…あぁ、来ましたよ」


やはり来ていたようで、今どこにいるのか聞こうとした途端、


「あの女、みこと社長にお弁当作ってたり、スマホケースが一緒だったり、ちゃん付けしていたり、とても迷惑でしたよ?wしかも妊娠してたなんてw。体自体とてもよかったですけど、妊娠した体でみこと社長を誘惑しようとしていたんですよ。」


…妊娠、?すち、妊娠したん…?なら尚更、家におらんといけんのに…ッ、?ほんまにどこにおるんや、?


「ッみほ、どこにおるの?」


「え?」


「すち、ッ、どこにおるの、?!」


みほは戸惑った顔で俺を見てきた。なにを言っているのかまるで理解できなかったかのように。


「…適当に周りの秘書に捨てさせました。」


「…は、ッ、?」


捨てた?妊娠しとる人を捨てたなんて…。


「…なにしたん、その人に」


みほは思い出そうと頭を抱えていた。その後すぐに思い浮かんだのか、誇らしげに語り始めた。


「叩いたりカッターで切り刻んだり、服を裸させたり、蹴ったり、踏んだりしましたよ。」


「ッ妊婦の方になんてことしとるんよ!?」


みほは俺の怒鳴り声にびっくりして、肩をすくめた。まるでみほは、俺がなにに怒っているかすらもわからなかった。


すちを傷つけたのも許せんよ。けど、人にするようなことじゃない。


「…捨てたって場所どこ?」


「多分、ぁっち、です…」


プルルルルルルルルッ、


電話、、?こんな時間に一体誰が…。


…〇〇から、?なんで急に…。そんな考えが頭によぎり、電話に出た。


「〇〇なに、?今急いどるんよ、!」


「…すちのこと?」


なぜ”らんらん”がすちのことを知っとるのか、分からんかった。けど、すちのことが今ならなにか分かるかもしれん。


「すち、?今そこにおるん!?」


「いるよ、今から位置送るね。みこと、すぐきてね。」


と言われ、電話を切った。そしてみほに、


「あとで話すことがある、。」


と冷たい目で伝え、らんらんが送ってくれた場所に向かった。


























ガラガラッ



「すち、ッ!!」


病室のドアを開けると、身体中傷だらけで、点滴をつけられているすちを、見守るらんらんがおった。


「みこと、ッ、」


らんらんは悲しい顔で、俺を見てきた。らんらんも悲しいんだ…。


「…道を、散歩してたらすちが倒れてたんだ…。それで、ッ、それでぇッ(グスッ、」


「…大丈夫よ、ありがとね、 」


…すち、ごめんな。俺が悪かったんよな。誰にもすちのこと話とらんかったから、。


「…私、ちょっと外の空気吸ってくるね、」


らんらんはきっと、俺とすちの時間を作るろうとして、部屋を出て行ったんかな、って、思ってまう。


俺はすちの手を握り、目を覚ますことを願うことしかできんかった。

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