花火。_
其れは夏の夜空にまるで真っ黒のパレットに筆先で線を描く様にして高く舞い上がり、其れは誰もが見ても美しく花を咲かせ、ちりじりに先程の美しい花が無かったかの様に跡形もなく消える。
皆はこの花火が美しくて好きだ。とよく述べよう。
私も咲いた直後は美しいと思う。でも、そんな花火も跡形もなく消えてしまう。花火を眺める観客達は先程まで1秒程咲いた花を見ては歓声をあげるが、散る前に別の花火へと目が写り、消えてしまった花火は忘れられる。人々は美しいところしか見ていないのだろう、、、
私は其んな花火が何だか羨ましくて、、、はたまた心の奥底まで黒く染まった自分を嘲笑っているかのようで、私は花火が
嫌いだった_
夏の暑さが執務室の窓から迄も伝わる日の事、
私の部屋 (執務室) にこの暑さからからか少しイラついている様子で扉をノックもせず、押し入って来たのは私の相棒、、そして狗の中也だった、
中也は明るいし、私に対しては反抗的な態度しか取らないけど。でも、誰もが見ても根は白の人間だった。
_おい、クソ太宰。次の作戦についての事だが、、
又作戦の話…と少し呆れながらも彼の話を聞いてあげることにした。
_ハイハイそれね…それは君の部下を最初に送り込む手筈で、_
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
_という訳だけど?、解った?
_へーへー、幹部サマ。
と生意気な態度を取ってくる中也に少し苛立ちを覚え私はくるりと背を向けそっぽを向く。
_、、
ん?…え?…どうして何も言わないの?…この狗は…それに先程からピクリとも動いた音もしないし。どういう風の吹き回しで…
_おい、太宰。
_ぇあ、なに?…
つい同様してあからさまに変な頼りない声を出してしまったでは無いか、、
_今度…、、、花火見に行かねぇか?、
_へ?…
本当に何なのこの狗…私が?…中也に?…誘われ…?…
_行くか行かねぇか聞いてんだよ…!!…
中也が声を張り上げ、私の方が少しばかり跳ね上がる、
_っ、い、く、…
花火?冗談じゃない。と言うつもりだったのに何をしているの私。
この日。私は中也と約束を交わしてしまった。 今思うとあの約束。そういう事だったのだね。
ねぇ、
中也。
第1話暗きもの。
𝐹𝑖𝑛.
(あとがき)
ある推しライター様から…私の作品のお褒めがあり…気分が高揚してしまい…w勢いで書き上げちゃったので出します…!!!これからも霧を宜しく御願いします!花火大会行きたいー!!(())
コメント
15件
え…打ち上げ花火の散り際に目を向けるのは天才ですね…線香花火とかはむしろ散り際を楽しむ感じですけど打ち上げ花火は綺麗な瞬間を楽しむ為に見てしまいがちですもんね…え、天才ですか?驚いてる太宰さん可愛かったです!
夜空を真っ黒のパレットって表したり花火の花表現とかもう兎に角表現好きすぎて好きなのでこれから霧様って呼ばせて頂きますね!!!!!!!花火見に行きたいですね…
咲いた後に消えてしまう花火には誰も目をくれないけれど、それに目をつけた主様詩人家みたいですね! あと花火大会僕も行きたぁ〜い!って言っても人混み苦手なんで買うもんかって端っこの静かなところで黙々と食ってるだけなんですよね...