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第26話 姉と弟
md side
ガイスト(md)
「レウ・フェルムートン…。もしかして…… 」
ラダオ・ヴェルディオン(rd)
「間違いないよ…2人の話にちらっと出てきた名前だよ…!」
アイリス・シリヌ・フェルムートン(ir)
「えっ…?2人とも、レウのこと知ってるの……?」
md
「うん…前に知り合った貴族に聞いたんだよ。名前は、キョウ・フローリーヒカイトとコンタミ・ソフィ・タンザナイト。」
rd
「ちなみにアイリスが教会付近で目撃したって情報もその2人から聞いたんだよ。」
ir
「そっか…。レウからたまに話に出てくる子だ…、覚えててくれてるんだ……。」
アイリスの表情が和らいだような気がする。少し落ち着きを取り戻しつつあるかもしれない。だけどアイリスの弟の…レウさんの病状が変わる訳じゃない。アイリスの話が本当ならこの生命の聖水を届けないといけない。
ナハト(nc)
「この生命の聖水…弟、届けるの?」
トロン・フォグナー(tr)
「そうですね、届けてあげて下さい。姉として、弟さんのことが心配なのでしょう?」
ir
「でも…」
rd
「今ここにいるのは俺らしかいない。俺らからは生命の聖水はなかったことにしとけばいいんだよ。情報を限定して、多分リリアには話さないといけないけど、黙秘くらいしてくれると思うしさ。」
ラダオの言う通りだ。生命の聖水が国の保護下にあると分かれば他の国が黙ってないかもしれない。それなら、消費してしまって今も変わらず希少なものとして扱われ続けた方がいいのかも。
ir
「っ…!ありがとう……!」
アイリスは嬉しそうに涙を流してた。本当に今までレウさんのことを一番に考えてたのかもしれない。血の繋がった家族として誰よりも不安を抱え続けてたんだろうと思うと、本当にアイリスは誰かを思い続けることのできる優しい人なのだと感じさせる。
僕らは遺跡を出て、後のことを騎士団や魔術師団達に任せて急ぎフェルムートン家に向かった。既に連絡してたのか、中でリリアが待っていた。
ir
「リリア!」
リリア・エーテルワイズ(li)
「うん、分かってるよ〜。ガイストや第三王子も来たんだね〜。」
md
「うん、当時の状況報告としてトロンとナハトは教会に留まってもらってるけどね。」
rd
「それで弟さんは…」
li
「こっちだよ〜。」
僕達はアイリスとリリアに着いていった。そしてフェルムートン家の家の隅に鎮座している部屋の前に着いた。おそらくここにいるのだろう。アイリスが部屋をノックする。
ir
「レウ、入っていい?」
中から返事は帰ってこなかった。アイリスは一呼吸おいて、入るよと言ってドアを開けた。
部屋の中は整ってた。ホコリ1つないような綺麗に整頓された部屋だった。そこにある大きなベット。その真ん中でただ一人、目を閉じて眠っていた。彼がアイリスの弟、レウ・フェルムートンだと直ぐに予想がつく。
僕達は彼の眠るベットにそっと近づいて顔色を伺っていた。顔色が白く、そして生気がそこまで感じられないほどに弱っていた。病の進行が遅かったのは、彼自身の持つ魔力がアイリスみたいに強かったからだと考えられる。
rd
「眠ってる…」
アイリスは眠っている弟の頭を撫でながら言葉を紡ぐ。
ir
「まだ完全に寝たきりにはなってないけど、日に日に起きてる時間が少ないの。会いに行っても寝てる時の方が多いの。」
その顔は本当に姉の顔だった。本気でアイリスは弟のことを大事に思い続けてたんだと思わざるをえない。
しばらく静かな時が続いた。するとベットが微かに動いた。アイリスは撫で続けていた手をそっと話すと少し驚いて、ベットの主を見る。
レウ・フェルムートン(ru)
「ん…姉、さん?」
ir
「レウ!大丈夫?具合悪くない?」
アイリスはレウさんの背中を支えながらゆっくりと体を起こすのを手伝う。
ru
「大丈夫…ゴホッ、ゴホッ…!」
ir
「レウ…!」
するとリリアがアイリスにコップを渡す。
li
「アイリス。これ…渡してあげて。」
ir
「ありがとう、リリア。」
アイリスは受け取ったコップをレウさんに渡す。その受け取ったコップの中身をゆっくりと飲んでいく様を見届けた。
ir
「どう…?大丈夫?」
ru
「うん、なんか体が軽くなった気がする。ありがとう、姉さん。」
ir
「レウ!」
アイリスは弟に抱きついた。その目には涙が滲んでいた。やっと弟の病が落ち着いたんだ。そりゃそうなるよね。
僕とラダオはリリアに催促されてそっと部屋から出た。今は2人だけの空間にさせておこうという、僕達なりの気遣いだった。
まだちゃんとした診察をしないとなんとも言えないが、少なくとも病は治ったと見ていいとリリアは言った。だけど、ずっと病に伏せていたからか、リハビリや経過観察は続くそうだ。その辺りはリリアに任せておけば大丈夫そうだ。
とりあえずこれで一件落着。僕はしばらく部屋でゆっくりしようかな。
To Be Continued………
コメント
3件
よかった…レウさん、目を覚ましたね。アイリスのほっとした表情が目に浮かぶようでした。ラダオの「なかったことにしとけばいい」って判断、本当に賢いし、仲間の信頼が感じられて好きです。長い間一人で抱え込んでたアイリスがやっと救われた気がして、読んでるこっちも温かい気持ちになりました。
#日常組
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