テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
翌朝。
阿部の体調はすっかり回復していた。
熱もなく、食欲もある。
「よかった」
朝食を食べる阿部を見ながら、目黒は安心した。
「今日はもう大丈夫そう」
「うん。昨日寝すぎたくらい」
「じゃあ」
目黒が阿部の隣へ座る。
「あべちゃん、今日も世界で一番かわいいね」
「……え?」
阿部の手が止まった。
「何、急に」
「思ったから」
「朝から?」
「ねえ、キスして」
「……。」
阿部の頬が赤くなる。
一日目。
お仕置き開始だった。
___________
それからというもの。
目黒は容赦がなかった。
仕事へ行く準備をしていれば。
「あべちゃん今日もかわいい。一緒に歩けるの幸せ」
「……普通に仕事行くだけだから」
車の中では。
「隣にあべちゃんいると安心する」
「離れたくない」
「めめ、今日どうしたの?」
帰宅すれば。
「おかえり。時間を止めたいくらい」
「独り占めしたい」
「……。」
寝る前には。
「一緒に寝られるの楽しみにしてたよ」
「キスして」
「もうやめて……。」
阿部は布団へ顔を埋めた。
「恥ずかしい」
「……愛してる」
「それ禁止!」
「無理」
目黒は非常に楽しそうだった。
___________
それが数日続いた。
さすがに阿部も不審に思い始める。
「……めめ」
「何?」
「本当に何か隠してない?」
「何も?」
「絶対おかしい」
「俺があべちゃん大好きなのは前からでしょ?」
「それは……そうだけど」
否定できない。
「でも量が多い!」
「いっぱい伝えたくなった」
「なんで急に?」
「秘密」
「ほら!」
やっぱり何かある。
___________
そんな中。
メンバー全員での仕事の日。
楽屋へ入ると。
佐久間、ラウール、宮舘、渡辺がいた。
「あべちゃんおはよー!」
「おはよう」
阿部が座ろうとすると。
隣にいた目黒が自然に言った。
「あべちゃん、今日の服すごく似合ってる」
「……ありがとう」
「本当にかわいい」
「もっとこっち来て、足りないよ」
「もういいって!」
阿部の顔が赤くなる。
すると。
「ぶはっ!」
佐久間が吹き出した。
ラウールも必死に笑いを堪えている。
宮舘は穏やかに笑い。
渡辺に至っては完全に呆れた顔だった。
「……何?」
阿部が四人を見る。
「なんで笑ってるの?」
「いや、だって……」
佐久間は目黒を見る。
「蓮、ちゃんとやってんだなと思って」
「……ちゃんと?」
阿部の眉が寄る。
「何を?」
「あべちゃん、まだ知らないの?」
「俺たちもあの異世界いたよ」
「……。」
阿部が固まった。
「……え?」
「ちょっと待って」
阿部は四人を順番に見る。
「佐久間も?」
「いた!」
「ラウール?」
「いたよ」
「舘さん?」
「いたね」
「翔太?」
「いた」
「……めめは?」
沈黙。
阿部がゆっくり目黒を見る。
目黒は笑っていた。
「……いたよ」
「ええ!?」
阿部が立ち上がった。
「めめ、最初から全部知ってたの!?」
「うん」
「俺が魔王だったことも!?」
「知ってる」
「俺が魔王城で泣いてたのも!?」
「迎えに行ったからね」
阿部の顔が一気に真っ赤になる。
「忘れて!」
「無理。かわいかった」
「最悪!」
佐久間が大笑いしている。
___________
ラウールが楽しそうに説明した。
「前の魔王がね、めめにお願いしたの」
「……お願い?」
「一週間、あべちゃんが恥ずかしくなるような甘い言葉をかけ続けてって」
阿部が目黒を見る。
「……だから?」
「うん」
「毎日あんなこと言ってたの?」
「そう」
「お仕置きだったの!?」
目黒は少し考える。
「でも全部本心だよ」
「そういうの今いらない!」
「本当にかわいいと思ってるし」
「やめて!」
さらに赤くなる阿部を見て。
渡辺が呆れる。
「まだお仕置き続けてんじゃん」
宮舘も笑った。
「むしろ楽しんでるよね」
「楽しいよ」
「即答すんな!」
阿部はとうとう両手で顔を隠した。
___________
「じゃあ……」
指の隙間から目黒を見る。
「もうネタバラシしたから、お仕置き終わり?」
「え?」
目黒が不思議そうな顔をした。
「まだ一週間経ってないよ」
「……。」
「約束だから」
「誰との!?」
「前の魔王」
「守らなくていいよ!」
佐久間が笑いながら肩を叩く。
「あべちゃん、諦めな」
「なんで!」
「蓮、めちゃくちゃ楽しそうだもん」
「めめ、本当に嬉しそうだよ」
ラウールまで笑う。
阿部は助けを求めるように宮舘と渡辺を見る。
「……二人は止めてくれないの?」
宮舘は穏やかに微笑んだ。
「楽しそうだからいいんじゃない?」
「舘さんまで……。」
渡辺も一言。
「あと数日耐えろ」
「翔太!」
___________
その日の帰り。
目黒は阿部の手を握った。
「あべちゃん」
「……何?」
「異世界でも現実でも、ちゃんと俺のところに帰ってきてくれてありがとう」
阿部の足が止まる。
「……それもお仕置き?」
「どっちだと思う?」
「……。」
阿部は赤くなったまま目黒の手を握り返した。
「ずるい」
「何が?」
「お仕置きなのか本心なのか分かんない」
目黒は笑った。
「全部本心だよ」
「……もう」
結局。
阿部は最後まで恥ずかしそうだった。
けれど、繋いだ手を離すことはなかった。
そして目黒は約束通り。
残りの日数も一切手加減せず、阿部が顔を真っ赤にするほどの『お仕置き』を続けた。
みら

6,700
コメント
8件

みらさんいつも更新ありがとうございます。 RPGシリーズの👀側のお話楽しかったです😊 インフルエンザ流行っているようですね、お身体お大事にしてください😢
大丈夫ですか? インフルエンザ辛いですよね😢 猫きゅうも2月にかかり40度の熱が3日続きボロボロだった🥲 今はゆっくり休んで1日も早く完治する事を祈ってます。 連載再開を何時までも待ってます🙇

今晩は⭐️ 一気に読みました。 アラ〜 お大事にして下さい🙇 💚1人の夢世界ではなかったのですね。 照れる💚可愛い😍 幾らでも出てくるのだろうな🖤の愛は❤️ 無理をしないでゆっくりお休み下さい。 又お待ちしております♪ 🖤💚1番☝️