※オリジナル創作
※夢主の名前固定(詩 うた)
※タイトルやタイトルの意味などはTiktokにて夜明け恐怖症様の許可を得ています。無断使用はお辞めください。
※私の好みで作っているものなので無理と感じたらすぐに見ることを辞めることをお勧め
(マイナス小説多め)
※原作のキャラと口調などが違うところがある
以上が大丈夫でしたらどうぞ
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稲妻の夜空。
星々が輝き、満月が辺りを照らしている。
海のさざ波とともに、
赤を纏った少女が目に入った。
「こんなところにいたでござるか」
万葉が詩用に持ってきた上着を詩に掛ける。
「今宵は冷えるでござる。 拙者と共に 家へ
帰らぬか」
万葉が優しく声を掛けるが詩は何も答えようとしない。万葉は詩の横に腰かけ、小さな手を温めるようにして手を重ねた。
「…また、やっちゃった」
私はどうすればいいの。どうすれば
“人を殺せず生きていけるか”
小さな脳で試行錯誤しても分からない。
人を殺したことを謝ればいい?
“死んだ人は帰ってこない”
罪を償えばいい?
“人を殺したことには変わりない”
私も死んで償う?
“そんなのただ逃げてるだけじゃない”
何をしたって殺した奴らは帰ってこない。殺すつもりがなかったとしても人を殺した過去は変わらない。
でもそれでいい。
私には貴方がいて、貴方には私が居るから。
私が殺した人は何人だったかな
まず最初に両親を殺した。
私がお腹の中に居た時から私の事が嫌いだったんだと。いつも殴って、蹴って、怒鳴った。物心着いた時には、私の心に殺害という醜い感情が生まれてしまった。そして、両親を殺すチャンスを見つけ、大きく刃物を振りかざした。
2回目は村の人々だ。
私が両親を殺したことを知ると、今度は村の人々が私に罪を償わせようとやってきた。それも癪に障り、今まで両親に酷い扱いを受けてきた私は触られることも怖かった。
そうして私は大の大人に抵抗すべく、刃物を振り回していると、私の手には赤い神の目。私はその炎元素の神の目を使い、村ごと燃やし尽くした。炎の業の中、私は疲れ果て倒れてしまったが、そこで私を見つけてくれ、詩という素敵な名前をくれたのも万葉だった。
3回目は血の繋がりのない姉。
捨てられていたからと親が拾ってきた捨て子だ。私より年は上だったから姉になっただけ。姉も最初は私達との生活に怯えていたが、段々と馴染んでいった。両親も姉だけを見ていた。
本当の娘じゃないくせに。
本当の娘は私なのに。
両親を殺した、と同時に姉も一緒に殺した。姉は私が両親から虐待されているのを見た事がある。声をかけたって姉に見せていた表向きの両親の行動に姉は翻弄されていき、いつしか私は置いてけぼり。
私が人を殺した理由を聞いても、 万葉は私を責めることはなかった。
私の後ろにはいつも黒い呪い達がいる。それは私に纏わり付いて離しても離れない。きっと私が殺したことを怒っているんだ。私はすぐそれに呑み込まれてしまうから。万葉は私の傍に居て、優しい風で私から呪いを遠ざけ、安らぎを与えてくれるものだ。
「詩は偉いでござるなぁ、独りで苦しんだでござろう」
「拙者がずっと詩に纏わり付く呪いを追い払ってやろう」
「だから、今はゆっくり休むでござる。」
嗚呼、優しい声が聞こえる。
暖かいものに抱き締められている感覚がする。
士気色の頬は濡れていたのに、
安心する体温が、優しい風が吹き飛ばした。
耳に囁かれていた罵倒する声も、
人を殺せと叫ばれていた声も、
私を地獄へ引っ張る黒い呪いも。
すべて、優しく包む風が追い払ってくれた。
もう、苦しくない。
「もう、苦しくないでござるよ。」
END
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