※注意※
この小説は、純度100%の私の妄想で出来たnmmnです。ご本人様には一切関係ありません。
ご本人様はもちろん、その周辺の方々やnmmnが苦手な方の目にも入らないよう、配慮をお願いします
私の癖を詰め込んだので、誰かの地雷の上で踊り狂っているかもしれません。それぞれで自衛をするようにしてください。
読後の誹謗中傷等は受け付けておりません。チクチク言葉が届くと泣きます。
その他、BL要素(🍥×🟦🧣)、怪我、バース要素(ケーキバース)あります。
膨大な文量になりそうですので、バースの説明は省いています。申し訳ありません。お手数をおかけしますが、ケーキバースを知らない方は、ご自身で調べるようお願いいたします。
『ね、なるせ。今度一緒に遊ばん?』
ヘッドホンの向こうで、らっだぁは楽しそうに声を揺らした。
配信終わり、グダグダと雑談していたときのことだった。まだゲームの余韻が抜けないらしく、声は明るい。
「いいけど……なにすんの?」
『え、そりゃあご飯食べたり……は、無理か』
「まぁな。お前も一緒に粘土食おーぜ、気持ち分かんじゃない?」
『いんや、遠慮しとく』
高校生の頃、突然奪われた味覚に思いを馳せた。俺もフォーク歴10年は超えているから、味のない生活には慣れたものだ。それでも、昔食べた飯の味は、未だ舌の根に残っているような感覚がする。
街中でケーキの匂いがしたら傷つけないようそそくさと逃げる生活にうんざりきて、かなり前から出来るだけ外出は控えるようにしている。
の、だが。
『ねー、あそぼーよ。俺、多分ケーキじゃないからさぁ』
「多分ってなんだよ、分かんねぇの?」
『分からん。まぁ、もし俺がケーキだったら、ガチ奇跡みたいなもんだから。その時は諦めて食べてくれ』
「いや、死ぬて」
間髪入れずにツッコむと、らっだぁがガハガハ笑う。あっちからしたら笑い話かもしれんが、俺からしたら全く笑えない。
もしそれで俺がお前を殺しちゃったら、どうするつもりなのか。実際、俺はケーキを目の前にして理性を保ってられる自信がない。
だが、らっだぁはそんな俺の気持ちも知らずにしつこく懇願する。
『お願い!外でケーキに会うのが怖いんなら、俺の家でもいいよ』
「いや、それはちょっと……もー、分かった。遊ぼうな、おっけおっけ」
『やったー!!』
ついつい、ぶっきらぼうにOKを出してしまった。これで本当に自分がケーキだったらどうするつもりなのか……まぁ、その時はその時だろう。
そう呑気に考えて、俺はマイクに向かって話しかけた。
…
……
………
あれから数日。まんまと乗せられた俺は、集合場所に立っていた。
約束の時間から15分近く遅れているが、らっだぁの姿は見えない。先ほど遅刻するとの連絡はあったが、あとどのぐらい待てばいいのだろうか。
俺は、メガネのすぐ下までマスクを引き上げる。ケーキの匂いがしても、通り過ぎるまでの一瞬ならこれで耐えられるはずだ。
今ところ、甘い匂いは嗅いでいない。フォークもケーキも、ごくごく一部の人間だけに現れるものだから、街中ではすれ違わないことのほうが多いのだ。
このまま、1日中ケーキに鉢合わずに過ごせたらいいのだが………1番の懸念であるらっだぁは、まだ現れる気配がない。
「……は、っ、あま」
そんなとき、甘い匂いが鼻腔を掠めた。
最悪だ、近くにケーキがいるらしい。俺は、マスクの上から口元を思い切り押さえた。
どんどん強くなる匂いに耐えかねて飛びかかりそうになる自分を、唇を噛んで押さえつける。早く、早くすれ違ってくれ、あんまり長くは持たない。
思わず、匂いの漂ってくる方向に目を向けた。あっちもここで待ち合わせをしているようなら、らっだぁに言って待ち合わせ場所を変えてもらおう。
匂いを辿ると、その先には太陽の光を浴びて輝く青い髪の男がいた。綺麗な髪だな、と思って見ていると、深い青色の双眼とばっちり目が合う。
気まずくなって逸らそうとすると、男はずんずんこちらに向かってきた。同時に、甘ったるい匂いも近づいてくる。
「あの、もしかして……なるせ?」
男は、マスクをチラリと下げる。その口からは、聞き馴染みのある間延びした声が転がり出た。
「らっだ…、てかお前、ケーキ?」
「え、まんまやねお前、髪色とか……てか、俺ケーキなの!?」
「全然ケーキ。ヤバいお前、匂い垂れ流しながら来んじゃねぇよ食うぞ」
「え、まって一旦離れよう」
言わんこっちゃない、お前ケーキじゃねえか!!ちゃんとフラグ回収してくるなこいつは………!
後ずさって1メートルほど距離を置いても、全くマシにもならない匂いに思わず舌打ちをする。口内は唾液で溢れ、残り少ない理性も限界を迎えそうだ。
「マジでゴメン、一発齧らせてくんね?」
「えぇ……いーけど、頼むから外は辞めて」
「すまんが無理だ。こっちこい」
「終わったー、終わったマジで!絶対一発じゃ済まんだろ!!」
らっだぁを裏路地に連れ込んで、上着を脱がせる。その間も甘い匂いが頭を揺らして、グラグラ目眩がした。
真っ白な首筋を、ペロッと舐める。仄かに甘い味がして、食べたいという欲が頭を支配し、正気を失いかけた。
「いい?」
「……いーよ。いっそ、美味しく食べてくれ」
「っ、ありがと」
我も忘れて、首筋に噛み付く。ブチッと嫌な音がした後に、強烈な甘味が口の中に溢れ出した。
「ぐゥ…、ッ……!!イ゙、あ」
「ふ……、あま……」
「ぃ、だァっ、…な、る」
「ちょ、ごめんもうちょっと………」
夢中になって、傷口から湧き出る血を啜る。一滴も零さないように、垂れたそばから全部飲み干した。
傷口にもう一度歯を立てると、小さな悲鳴と共に俺の服がグシャリと握りしめられた。 痛いのだろう、苦しいのだろう。そんな事ぐらい、今の俺にも想像出来たが、もう脳のストッパーが外れて止まらない。
「い゙、ぁい、やぇで……、ふっ、ゔぅ」
耐えかねて、ポロポロ泣き出したらっだぁ。頬に伝う涙からも、シロップのような甘い香りがした。
試しに舐めてみると、血よりも軽いコロコロ転がる甘さが広がる。こっちの方が好きだな、と、俺は大粒の涙を全て舐め取った。
不思議なことに、らっだぁ1人にも色んな味があるらしい。もっと試してみたくて、荒い呼吸を繰り返すらっだぁに口付ける。
「ヒュ、んむ、……へ、ぁ、なん……」
「ん、らっだ、口」
唇を食むと、らっだぁの口が控えめに開く。そこに舌をねじ込んで、口の中をぐちゃぐちゃ掻き回した。
「ん゙、ッ…、む、ふぁ………、あ、ん」
「っ……おいし」
らっだぁの口内は、どろどろどっしり重い味だった。涙を濃く濃く煮詰めたみたいな味。とにかく甘くて、蜂蜜のどろっとした感じに似ている。
抵抗しようとするらっだぁの腕を押さえつけて、無理矢理キスし続ける。小さく聞こえる喘ぎ声もなんだか可愛くて、もっともっととがっついた。
「ふ、ん………ぁ」
次第に、抵抗する力が弱まってきた。死にかけかな、と顔を見ると、痛みに歪んでいた顔が、気持ちよさそうにとろけているではないか。
だんだん気持ちよくなってきちゃったのだろう。逃げ惑っていた舌も、俺を追って可愛く媚びてくれている。
あっちも限界が近くなってきた頃を見計らって、口内をぐるりと一周舐め取ってから口を離す。
「ん、ありがとう。満足したわ」
「……そうかい」
らっだぁは赤い顔のまま、不貞腐れて俺から目を背ける。壁に寄りかかり、ずるずるとしゃがみ込んだ。
「はぁあ〜〜〜ぁ……なんなん、マジで」
「痛かったよな、すまん」
「いや、別にイヤだったわけじゃ、ないんだけど……」
「イヤじゃなかったマ!?どう考えてもバカ痛いだろ、頭おかしくなっちゃった?」
耳元で響き続けていた悲鳴を思い出す。その痛みを想像するだけでも、こっちが悲鳴を上げてしまいたくなった。
そんな痛みを味わせていた俺が言うことではないが、本当に頭がイカれたんじゃないか?無理矢理押さえつけて、血啜って、顔舐め回して、キスまで行ったんだぞ??
なんか、こっちがイヤになってきた。改めて自分のしたことを思い返すと、完全にヤバイ奴すぎて無理。
「ほんっとごめん。ストップ効かなくて……真面目に申し訳ない」
「いいって、謝らないで」
「なんでお前は、初対面の人間に首齧られてイヤじゃないんだよ。痛かっただろ?」
「んー、そうだけど……」
らっだぁは少し考え込んで、恥ずかしそうに口を開いた。
「俺、なるせにだったら全部食べられてもいい、かな。血、だけじゃなくてさ。痛いのだってイヤじゃないよ」
ね?とこちらを見上げるらっだぁ。潤んだ瞳からは、甘い甘い甘美な匂いがした。
さっきまでの涎が垂れそうな甘さじゃなくて、俺の頭を少しずつ侵食していくような、どろどろしたなにかだ。
思わず、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
「っ……そっか」
「鈍いねぇ、なるせは……それとも、分かってない振りしてんの?」
「いや、分かってるか分かってないかだったら……分かってないかも、ちゃんと言ってくれん?」
「はぁ……嘘つけやい」
立ち上がったらっだぁは、ぎゅっと俺にハグをした。血の匂いが鼻腔をくすぐり、また口の中に涎が溜まる。
「なるせのためになるんなら俺、内側から外側まで全部食べ尽くされてもいいよ」
「ヒエェエ……あ、ありがと?」
「なに、こっちが恥ずかしくなるでしょ?ちゃんとしてよ……ここまでやった責任、取ってくれるよね」
「うぅ……分かりました」
俺は、らっだぁの手を取る。期待したように潤んだ蒼眼が、俺を真っ直ぐに射抜いた。
よく見たら、割と可愛いかも。自分で言ったクセに、みるみる顔が赤くなっちゃうところとか。本当に俺のことが好きなのかは分からないけど、想ってはくれてるみたいだし。
赤くなった耳に、優しく触れる。俺より少し高い位置にある頭を軽く引き寄せて、触れるだけのキスをした。
「俺と、付き合ってくれませんか」
「堅苦し、真面目だね……んふ、いいよ。これからもよろしくね」
「……ヤバいめっっっちゃ恥ずかしい」
「オォイ照れんなって!!なるせがそんなんだと、俺まで恥ずかしくなってくるじゃんか」
らっだぁはけらけら笑い、俺から離れる。まだ赤みが抜けない顔で、その蒼眼が嬉しそうに弧を描いた。
「俺以外のケーキに目移りしないでよ?その代わり、いくらでも俺のことは食べていいからさ」
「分かってるって……お前、意外と独占欲強いタイプ?」
「あー……まぁ、そうかも」
目を伏せて、恥ずかしそうにそう言うらっだぁ。面倒くさいのに捕まっちゃったな、と思う反面、それだけ俺を大事に思ってくれているのかと考えると、嬉しすぎて小躍りしてしまいそうだ。
俺は、らっだぁの手の甲にキスを落とす。どさくさに紛れて一舐めすると、飴みたいな甘い味がした。
「らっだぁが1番美味しいから、他のケーキじゃ満足出来ねぇかも」
「フン、ならいいよ」
らっだぁは、どこか誇らしげに鼻を鳴らす。もしかしたら、目の前のやつに殺されるかもしれないのに、呑気なやつである。
甘酸っぱいやりとりをしたからか、よりらっだぁの甘味が際立つ。これなら、この先も飽きることなくずーっと食べていられそうだ。
「どんな味だった?」
「血はココアみたいな感じで、涙と口ん中はシロップっぽかった。バカうまいね、もう1回食わせて」
「いいよ、いくらでもどーぞ」
ケーキバースは、いいぞ。
リクエストありがとうございました! 終わらせ方雑くてすみません。
コメント
6件