※注意※
この小説は、純度100%の私の妄想で出来たnmmnです。ご本人様には一切関係ありません。
ご本人様はもちろん、その周辺の方々やnmmnが苦手な方の、配慮をお願いします。
私の癖を詰め込んだので、誰かの地雷の上で踊り狂っているかもしれません。それぞれで自衛をするようにしてください。
読後の誹謗中傷等は受け付けておりません。チクチク言葉が届くと泣きます。
その他、BL要素(🌵×🟦🧣)、怪我、バース要素(ケーキバース)あります。
膨大な文量になりそうですので、バースの説明は省いています。申し訳ありません。お手数をおかけしますが、ケーキバースを知らない方は、ご自身で調べるようお願いいたします。
「……どした?」
寝起きでらっだぁに抱きつかれ、ぼんやりする頭で髪の毛を撫でた。相変わらずふわふわだな、とか思って、指にくるくる巻きつける。
今日は甘えたいのかな、と思ったが、妙に息が荒い。俺の首元に顔を埋めて、すぅーーっと匂いを嗅いでいる。
これは……もしかして、限界が来ちゃったか?
「らっだぁ、どうしたの」
「ふ、ぅッ………あま、におい、で……ごめん、がまん出来なかった………」
「あー……ちな、予定は明後日だけど?」
「も、むり……たべていい?」
「まだダメ。色々準備しないとだろ」
今にも飛びかかってきそうならっだぁを、一度ベッドに押さえつける。らっだぁの喉がきゅう、とか細く鳴り、俺を襲おうと躍起になっていた体から力が抜けた。
本来は、被食者であるケーキの俺より、捕食者であるフォークのらっだぁの方が強いはずだが……毎回毎回齧らせる度に正気を失うので、他のケーキを襲わないよう犬にするようなトレーニングを続けていたら、いつの間にかこのザマである。
まぁ、らっだぁのためにも、俺のためにも、俺が主導権を握るのはいいことだろう。
「らっだぁ、いい子に出来たら齧っていいからな。言う事聞けよ?」
「うぅ……分かってるよ」
すごすごと俺から離れて、らっだぁは部屋のソファーに力なく座った。いよいよ元気がない。こりゃあ、俺から甘味を取らないと治らないだろう。
「すぐ準備してくるから、待っててな」
俺は、らっだぁにそう声をかけて、洗面所に駆け足で向かった。
…
……
………
汚れてもいい服に着替えて、救急箱片手にらっだぁの隣に戻る。ソファーに血が飛ばないよう、すでにシミが出来ているタオルを背もたれにかけた。
「んじゃ、始めるか。元気ですかー? 」
「おなか減った……齧っていい?」
「はいはい、後でな」
そう言って頭を撫でると、らっだぁは自然と床に座って俺を見上げた。
居場所の高さは、上下関係を教える1番手っ取り早い方法だ。ペット相手に躾をしている気持ちになるが、今の正気を失いかけているらっだぁにはこれぐらいがちょうどいい。
首に手を掛けたり、鳩尾辺りを押し込んだりして、今は俺の方が上の立場であることを教え込ませる。毎回の訓練は、いつもここから始まるのだ。
「いい?俺の言う事は絶対ね。ちゃんと聞けたら、ご褒美あげるからな」
俺は、人差し指の先を噛みちぎって、やっとのことで滲ませた血をらっだぁの前に出す。途端、らっだぁの目の色が変わった。
「らっだぁ、待て」
「……ふ、…………ぅ」
「俺の目見て?ちゃんとこっち向きな」
らっだぁは、今すぐ飛びかかりたいと言いたげに拳を握りしめ、瞳孔の開いた瞳で俺を見据えた。
見るからに余裕がなさそうだが、それでもグッと堪えて、 飛びかからずに俺の指示を待っている。最初の方は待ても出来なかったのが、ここまで成長するとは……なんだか感慨深い。
「よし、待ては余裕か。ここ舐めていいよ」
俺は人差し指の血をらっだぁに差し出す。らっだぁはすぐに俺の手を取って、赤ちゃんみたいに舐め始めた。
世間ではこれのことを指チュパと呼ぶのだろうが、今のらっだぁはそんな可愛い言葉で済むような状態ではない。酷く飢えた人が数日ぶりの飯を貪るときのような、尋常じゃないなにかを感じた。
小さな傷だったこともありすぐに血が止まってしまったらしく、物足りないと言わんばかりに唇を舐める。そんならっだぁに、俺は次の指示を出した。
「じゃあらっだぁ、あっちの角行って」
らっだぁは、ソファーから離れて部屋の隅に立つ。俺は気合で手の甲を噛みながら、反対側に歩く。
「らっだぁ、つけ」
腰をポンポンと叩くと、らっだぁは俺の側に小走りで来て、そっと寄り添った。俺が歩くと、ぴったり付いて一緒に足を進める。
前回教えたばかりのことなのにちゃんと出来ることに驚いた。意外と興奮状態のときのことも覚えてるもんだな。俺は、齧ってないほうの手の甲を舐めてらっだぁに与えた。
次の指示を出したいのだが、そのご褒美にするはずだった血がまだ用意出来てない。俺はあまり血が好きではないし、痛いのは普通に怖い。こんな自傷紛いの行為、らっだぁと出会わなければすることはなかっただろう。
思い切って、めちゃくちゃに強く噛む。嫌な感覚と共に、口の中に鉄の味が広がった。
「いってー……結構出たな」
「ぐ、ぐちつぼ、それちょうだい、早く」
「ダメ。落ち着け」
「むり、も、がまんできない……」
苦しそうに、らっだぁは俺の手を無理矢理掴んだ。そこで、俺は声を上げる。
「ストップ。落ち着けって言ってんだろ」
いつもより声のトーンを下げた俺の声を聞いて、らっだぁの動きがピタリと止まった。ゆるゆると俺の手を離し、やってしまった、とばかりに口元を手で押さえ、泣きそうに歪んだ目で俺を見上げる。
やらかしたという意識はあるのか。なら上々、だんだん成長してきていることが分かって嬉しい。
「よく止められたな。これ舐めていいぞ」
「あ、りがと」
さっきよりも優しく、らっだぁは俺の手の甲の血を掬った。美味しそうに飲んでいるが、俺の顔色を伺うように、チラチラとこちらを見てくる。中々いたたまれない光景だ。
俺はらっだぁに再び付けの命令を出して、ソファーまで誘導する。俺が先に座り、らっだぁは足の間に膝立ちになる。
「……いーよ、おいで」
「ッ、は」
許可を出した瞬間、らっだぁに飛びかかられた。キツく抱きしめられ、首筋に歯が当たる。
「ん゙、ぐっ………、ちょ、がっつきすぎ……」
皮膚が破ける音がして、鋭い痛みが雷のようにビリリと走った。この痛みも何回目だろう、回数を重ねるごとに慣れてきている気がする。
「ぅ……は、ん…、んむ、……お、いし」
「よしよし、美味しいねぇ。あんまり汚したくないから、血は全部舐めてくれ」
「わぁ、てる……ぁま、もと、もっとッ」
合間に、はふはふ息を吸う声が聞こえる。最近齧らせてなかったから、久しぶりの味に夢中になっているのだろう。息をちゃんと吸う余裕もないらしい。
らっだぁは、傷口周りを甘咬みしながら血を飲む癖がある。チクチクするときもあるが、大抵は痛むギリギリを攻めてくるので、痛みは感じない。 ここまで正気が無くなっているクセに、イヤに器用なヤツだ。
「ん……ぐぃ、つぼ、キス………」
「はいはい、分かったよ」
紅潮した頬を両手で持ち、涎の垂れる唇に口付けた。舌を突っ込むと、らっだぁの口の中に残っていた血の味がじんわり広がる。らっだぁには、これが甘美な味に感じるのか、と考えると、少し不思議な気分である。
こくこく喉を鳴らして、俺から与えられる甘味を貪るらっだぁ。掬い損ねた唾液が口端から垂れるのも気にせず、目先の甘さを求めて食いついた。
「ん、らっだぁ。ストップ」
「へぁ、?なん、で」
「垂れてる、一旦拭こう。あんまり綺麗なもんじゃないだろ」
「……早くしてよ」
不服そうに顔を離したらっだぁの口元を、優しくティッシュで拭ってやる。まだストップが効くからよかった。少しずつ練習してきた甲斐があったな。
正気を取り戻しつつあるのか、見開かれていた瞳がパチパチと瞬きをした後に細められる。呂律も回ってきたし、ちゃんと満足出来ているらしい。
「よーし、綺麗になったな。どこ食べたい、もっかいキスするか?」
「あー……口はもういいや。ちょっとだけ血吸わせて」
「血が止まるまでならいくらでも吸ってくれ。新しい傷は作んなよ?」
「うん」
もう一度、らっだぁが首元に顔を寄せる。 すっかり従順なもんで、歯は少し当たる程度にしか触れない。 手当たり次第噛みまくっていた頃とは別人に見える。
ペロペロ舐められながら、俺は救急箱からガーゼや消毒液を取り出す。結構深くやられた気がするから、いつもより丁寧に手当てしないと。
「もう、お腹いっぱい。ありがとね」
「そりゃよかった。ちゃんと言うこと聞けて偉いな、らっだぁ」
「そう?」
「最初の方とか、俺が血ィ見せるだけでも我慢出来てなかっただろ?そう考えたら成長してるぞ」
「そっか……なら、よかった」
らっだぁの頭を撫でて、目いっぱい褒める。犬のトレーニングの仕方から学んだことだが、訓練した後はいっぱい褒めてあげるといいらしい。
人間であるらっだぁに影響があるのかは知らないが、嬉しそうだから一応効いてはいそう。少しずつ言うことも聞けるようになってきたので、外出も増やしてみてもいいかもしれない。
「あったかいね……生きてるって感じ」
「当たり前だろ?俺はいつでもらっだぁの隣にいるよ」
「わかんないじゃん、俺さ……もしかしたら、お前を………殺しちゃう、かもだし」
俺の手に擦り寄り、らっだぁはふっと笑みを浮かべる。安心したように見えて、その顔は酷く強張っている。
フォークになってすぐの頃に、自制が利かなくなったらっだぁは、俺に牙を立てた。我に返って何回も謝りながら泣きじゃくる姿は、今でも鮮明に覚えている。
らっだぁがこれ以上悲しむことがないようにと、訓練してみたわけだが……多分、こいつがちゃんとした思考回路を持っていなかったら、とっくの昔に俺は殺されていたと思う。
甘味に飢えて暴走するフォークも多いのに、本当によく耐えてくれた。ここまでちゃんもコントロール出来るようになったのも、全部らっだぁが頑張ってくれたからだ。
それでも、らっだぁは俺の腰に抱きついてグスグス鼻をすする。
「言う事聞けてる?大丈夫?怖いよ、俺は。ちゃんと聞けてなかったら、どうしようって、いっつもさ……」
「大丈夫。ちゃんと従ってくれてるだろ?ちょっとずつでいいんだよ」
「……ぅん」
震える手をそっと包みこむ。まだ手当てをしていない傷を見て、らっだぁはゴクリと喉を鳴らした。
らっだぁ自身、ケーキを目の前に止まらなくなった自分が怖かったのだろう。あれからずっと、何かに怯えて震えている。
なりたくてなったわけじゃないのに世間からは犯罪者予備軍と呼ばれ、今まで楽しめていた食事も苦痛になり、誰かを傷つける『もしも』に怯えて暮らす。本当に苦しそうで、見ているのも辛いぐらいで………。
でも、本当に可愛い。
「大丈夫、大丈夫。俺が付いてる限り、らっだぁに人を襲わせたりはしない」
「ほんと?」
「ほんとほんと。らっだぁの手綱は、ちゃあんと俺が握っとくからな」
「……ありがとう」
らっだぁは、ほっ、と息をついた。
可哀想なやつ。俺みたいな碌でもないやつに捕まっちゃって、ここまでコントロールされて。無意識の内に従ってるっぽいから、本格的に俺の腕の中からは逃げられなくなってきている。
俺は、らっだぁの額にそっとキスを落とす。らっだぁは、心底嬉しそうに甘えて喉を鳴らした。
「ご褒美くれるなら、俺なんでもするよ。お前のこと、信じてる」
ケーキ左の右フォークだったっていい!!
終わり方も話の感じも似通ってきてるから、そろそろパターンを増やしていきたいです。
私1人じゃ思いつくお話も限られてるので、私の書くこんな2人が見たい!ってものがあればいつでもリクエストしてくださいね。出来るだけ書かせていただきます。
コメント
4件
ケーキが右みたいなところあったけど、全然逆も好きになってしまいました… 他のバースも楽しみにしてます!