テラーノベル
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「や」のつく自由業の🩷 × 夜の街のお掃除屋さんの💛の裏社会パロディです。
⚠️ご本人様とは一切関係ございません
鼻を突き刺すような血の匂い。
どろどろと足元を掬うようにまとわりつく汗の匂い。
そのすべてが不愉快だと言うように、男を見下ろす瞳は冷え切っていた。
「……お願いだ。 このことからは今後一切手を引くから…、だから……どうか……命だけは……!!」
「それが人に物を頼む態度か?」
蹲る男に投げられるその冷ややかな視線は、より冷たさを増して、ナイフのようにブスブスと男の身を刺していく。
男の息を飲む音が、人の気配さえ感じないほど静まり返った辺り一帯に響いた。
「お願い、です。 妻と子もいるんです。 ここで死ぬわけには行かない。 足も洗う。 だから、命だけは」
「……黙れ」
ほんの一瞬、苦痛に耐えるように銃を握る男の顔が歪む。
ほんの一瞬。その合間は、ダン、という鋭い銃声が掻き消した。
ザシュッ。
銃弾とは思えないほどに生々しい音が男を貫く。その音を追うように、これまで雲に見切れていた月が顔を出し、青白い光が路地裏の紅く濡れた影を映し出した。
「……妻と子、か。 最期くらいは真実を吐けよ」
軽く一瞥。闇を象ったような彼の黒髪が、夜風に靡いて鮮血に汚れる。
そう影の前にしゃがみ込むその姿は、何よりも紅く、黒く、そして月明かりに淡く照らされ黄色く染まっていた。
「……ただいま」
「おかえり……ってなんやその格好!! 血まみれやんか!!」
都内のどこにでもあるような変哲のないバー──『Salty Lemonade』。
そこにはあまりにも不相応な、底知れないオーラを放つ男二人がいた。
一人は先ほど男を撃った冷酷な彼。
もう一人は幼さを残した笑みを浮かべる青年。
「悪かったな変哲のないバーで」
「まあまあ。 そう言ってられんのも今のうちやで」
軽く頭を小突かれる。軽く?そう言う割には鈍器で殴ったような鈍い音がしたような気がするが。
はよ着替えてきい、と急かす声に押され、彼は部屋を出る。
扉が閉まると同時に、ぴくり、と二人の人差し指が僅かに痙攣した。
二人の顔が玄関に向く。
「「……曽野・曽野さんか」」
「あはは、またバレちゃったか〜」
今回はいけたと思ったんやけどなぁ、と残念そうに呟きながら、曽野と呼ばれた男が店内にズカズカと押し入っていく。
曽野の胸に控えめに刺された勲章が己の存在を主張するように光った。
「で、何の用なん。 警察様がこんなとこまで来て」
「そのことなんやけど」
人好みの良い笑顔を浮かべながら、我が物顔でカウンターに腰掛ける。
そして待ってました、とでも言うように曽野は嬉々として手元の薄っぺらい鞄を開き、そこから何枚か書類を取り出した。
「ちょっと依頼があんねん」
見るからに胡散臭い綺麗な笑みを、店の奥に向けた。
その先には、先程から一言も発していない彼がいる。
「殺し屋、仁さんに、な」
「はぁ……」
「……反応うっす!! 折角美味しい案件持ってきてやったんやで!?」
「と言ってもそっちの利益しか考えてないだろ? 相変わらず邪知な男だな」
「えへへ、どうもどうもー」
「褒めてねぇよ」
一向に話が進まない。
とうとう二人のやり取りを眺めていた青年がしびれを切らした。
「……で? 何の案件なん?」
「おぉついに、だいちゃんが我慢できんようなったな」
「その呼び方やめてくれへん?」
「ええー、いいやん。 どうせ裏では『純潔のだいちゃん』って呼ばれてんだから」
「だっさ……」
「ちなみに仁さんは『黄金色の氷帝』やで」
「ぷぷっ、もっとダサいやん。……で? その『氷帝様』に何の用なん?」
にやり、と笑った曽野の口角が不自然なほど吊り上がる。
「決まっとるやろ?」
手にした書類を、ひらりと掲げる。
「新しいお掃除の依頼や、仁さん」
他のシリーズ執筆中にも関わらず新たなシリーズ始めてしまいました。
すみません🙇欲望には抗えず……。
どちらも進めてまいりますので、お待ちください!
早く🩷さんを登場させたい限りです。
コメント
1件
うわ、重くてかっこいい……! 一発目の銃声からもう引き込まれたよ。仁さんの「黙れ」の一言に全部詰まってる感じがした。でもバーでのだいちゃんとのやり取りで空気が一気に変わって、そのギャップがたまらなかった。曽野さんの登場でまた物語が動き出しそうな予感がして、続きがすごく気になる🖤 新シリーズ始めてくれてありがとう、無理せず楽しみながら書いてね🌙
お城 @リクエスト募集中!!!
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りちこ
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