ノータイトル・ラブ

─双子の部屋─

「あ〜”、寝れへん」

「ツム怖いのん苦手なんにホラー映画無理して見るからや。ほんまアホやな。」

「やって見たかったんやもん。サム〜、今日一緒に寝てくれへん？」

「いやや。きゅうくつすぎて体休まらんわ。」

「え〜、ケチサム..」

「…じゃあ、気分転換にコンビニ行かん？お菓子いっぱい買おうや。プリンも奢ったるで？」

「のった」

「よっしゃ」

─────

「サム見て。星輝いとる」

「今日晴れとるもんな」

「この先も晴れて欲しいわ」

「せやな」

「あ、今流れ星見えた」

「流れ星？どこ？」

「もう消えたわ（笑」

「おっそいねん言うの」

「しゃーないやろ。ちなみに俺は願い事したで」

「なに？」

「言わへん」

「どうせ春高優勝とかやろ」

「ちゃう。言葉にはできへんけど」

「まあなんでもええわ」

「ほんま今日景色綺麗やな」

「ツムに夜空を鑑賞する趣味があったとはな」

「趣味やないわ」

「..今日はそういう気分ってだけやし」

「ほぉん。珍しいな 」

「やかましいわ！」

「うっさ」

「…月が綺麗ですね(ﾎﾞｿｯ)」

「告白か」

「え!?//聞こえてたん？」

「丸聞こえやわ」

「ていうか、告白でもなんでもあらへんし。本当に思っただけや」

「せやろな」

「..月は遠いよな。ちっちゃい頃はもっと近くだと思っとったのに」

「ツムアホやから『手伸ばしたら掴めるんるやで！』とか言っとったもんな」

「いつの話やねん。ガキん頃やろ」

「ほんまあん時は可愛かったわ」

「んな！今でも可愛ええやろ？」

「なにをぬかしとんねん。こんな大男が可愛いわけないあるかい」

「ジョーダンやん」

「お前のは冗談に聞こえへんねん」

「月もええけど、俺は太陽の方が好きや」

「ほぉん」

「サムは？」

「俺は月やな。まん丸なまんじゅうみたいで美味そうやん」

「ほんまサムは飯やな」

「やって好きなんやもん」

「そおか」

「..今日は暖かいなぁ。夜なんに日中と同じくらいや」

「そら夏やもん 」

「冬が恋しいわ」

「俺も冬がええな。冬は美味しい食いもんがいっぱいあるやん」

「結局飯かい」

「まぁせやな」

「そういえばな、今日学校の花が綺麗に咲いとったからちょっと眺めてたんや。そしたら教頭に花壇の整備の手伝いさせられたんやで？ほんま最悪だったわ 」

「それは災難やったなあ」

「せやろ？」

「やから部活ん時機嫌悪かったんか。俺まで北さんに怒られたし。ツム機嫌悪いとすーぐ俺に突っかかってくるもんな」

「やってめっちゃムカついとったんやもん」

「じゃあプリンの3個パックやないやつ3個でチャラにしたる」

「…しゃーないな。買ったるわ」

「よっしゃ」

「あ、ほら。もう着いたで」

「ツム、ゴチになるで」

「俺の小遣いが..（泣」

───────

─隠し言葉の意味説明─

・星が輝いていますね（星輝いとる）

⤿『一緒にいたいです』

・この先も晴れです（この先も晴れて欲しいわ）

⤿『私の思いは変わりません』

・流れ星が見えました（今流れ星見えた）

⤿『貴方と結ばれたい』

・言葉にできないですね（言葉にはできへんけど）

⤿『本当は好きと言いたいけど言えない』

・景色が綺麗ですね（ほんま今日景色綺麗やな）

⤿『貴方といる時間が特別です』

・月が綺麗ですね（月が綺麗ですね）

⤿『貴方を愛しています』

・月は遠いです（月は遠いよな）

⤿『貴方には手が届きません』

・私は太陽の方が好きです（…俺は太陽の方が好きや）

⤿『私には好きな人がいます』

・今日は暖かいですね（今日は暖かいなぁ）

⤿『貴方が居てくれて幸せ』

・冬が恋しいです（冬が恋しいわ）

⤿『貴方と手を繋ぎたいです』

・花が綺麗に咲いていました（..花が綺麗に咲いとったから..）

⤿『この恋は実りますか』

─あとがき─

小学生の頃とは違って、少しマイナスな隠し言葉も使ってみました。（月は遠いです、花が綺麗に咲いていました、など..）

侑はこの時、この恋に不安を抱えて、半分諦めかけている設定です。

─小話─

侑がホラー映画を見たのは、治と一緒に寝たかったからです🤭