『少女レイ』【桃青】
【桃side】
高校生活最後の年が来た
心地よい風が吹いて、桜の花びらが華やかに空へと舞う
学期終わり、クリーニングに出した制服がごわつく感覚さえも身を引き締める
学校に着くと、クラス発表の紙が張り出されていた
俺は、3ーB組か
紫『智弥くーん!』
桃『おぉ、なーくん』
橙『俺も居るで?』
桃『慈恵琉も居たんだ、おはよ』
橙『居たんだって言い方腹立つわぁw』
紫『まあまあwところで、智弥くん何組だった?』
桃『俺?俺は、B組だけど』
橙『うわー』
紫『離れちゃったね、』
桃『まじで!?3年間制覇できなかったな』
桃『え、2人とも同じクラス?』
紫・橙『うん』
桃『まじか、』
紫『とりあえずさ、まず各教室行こうよ』
橙『後5分やしな』
桃『おけ』
その後、雑談をしながら教室へと向かった
紫『じゃあ俺たちこっちだから』
橙『友達作りーや』
桃『うぃー』
彼らと別れて、自分の教室に入る
周りを見渡す限り、仲良いやつは誰も居なかった
桃『俺の席は…向こうか』
自分の席に着いたとき、隣のやつと目が合った
彼は、吸い込まれるようなコバルトブルーの瞳で俺を見つめてきた
さらさらな青い髪、透き通るような白い肌…すべてに男の俺でも、ドキッとしてしまった
青『って、いつまで見つめ合ってんのww』
桃『え、あっ、ごめんw』
青『いや、いいんだけどね?wてかさ、名前何?』
青『あっ、ちなみに僕は瑚崘って言うから!よろしくぅ』
桃『俺は、智弥。これから、よろしくな』
青『智弥くん…!よろしく!』
桃『瑚崘くん…?よろしく』
青『呼び捨てでいいよ!瑚崘って呼んで』
桃『こ、瑚崘…!』
青『そうそう、いいじゃん』
桃『おけ、瑚崘ね?』
青『うん!』
これが、俺と彼…そう瑚崘との出会いだ
窓の外は、綺麗な澄んだ青空が広がっていた
それから、俺達は仲が良くなり、休日でも遊ぶような関係になった
そんなある日…
青『放課後さ、ゲーセン行かない?』
桃『ゲーセン?いいじゃん』
青『駅前のいつものところね!』
桃『おけおけ』
────放課後
青『智弥くん…これまじ取れない』
桃『は?んなことあるかよ』
青『まじだって!さすがに智弥くんでも無理だy…』
桃『取れたけど?』
青『ええ!?やば!まじで?!』
瑚崘が取って欲しいと言ったのは、お揃いのキーホルダーセットだった
誰にあげるんだろ
ふと、そう考えて胸がチクッと痛む
青『智弥くん』
桃『ん?』
青『はい!これあげる』
桃『え、俺にくれるの?』
青『もちろん!そのために取ったから!』
青『って、僕は取ってないけどねw』
桃『ありがとw』
青『スクバに付けようよ、お揃いでさ!』
桃『うん』
お互いのスクバに付けられたお揃いのキーホルダー
桃『大切にするわ』
青『えへへwそんなに?』
店内の照明に照らされ、キラキラ輝いていた
コメント
1件
ん゛んんッ 切実に好きッッッッ なんか本物の小説みたい(?