テラーノベル
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最近 投稿が遅くて申し訳ありません💦
受験が終わりましたので、これからは投稿頻度が安定すると思います
これからも何卒……😭
そのときだった。 空の向こうで「ミシッ」と大きな音がした。
上下の空の境界に、巨大な“裂け目”が入っていく。
「!? なに……!?」
リンが険しい顔になる。
「世界の歪みだ……!
甘さが偏りすぎて、“向こう側”がこっちに出てこようとしてる……!」
「向こう側……?」
ミルが静かに続ける。
「甘さと苦さの“外側”。
心が壊れかけたときに生まれる、“味のない世界”」
私はぞくっとした。
「味が……ない……?」
「うん。
喜びも、悲しみも、怒りも、安心も……
何も感じない、“無味(むみ)”の世界」
裂け目から、色のない風が流れてくる。
空の色が吸われるようにどんどん薄れていく。
リンが震える声で言った。
「のあ……
もし“無味”が広がったら……甘味の国は終わる。
ぼくの心も……きっと消える」
私は息を飲んだ。
(世界が、心が……消える?
そんなの……絶対嫌だ!!)
「リン! 私、何をすればいい!?」
リンは私の手をぎゅっと握った。
「のあ……
ぼくの“心の核(コア)”を探すんだ」
「心の……核?」
「この国のどこかにある。
ぼくが一番最初に甘さを知った場所……
一番最初に苦しさを覚えた場所……
すべての“始まり”になった場所」
ミルが続ける。
「リンの核を見つけて“味”を取り戻せば……
無味の世界は押し返せる」
リンは私の手を離さず見つめた。
「のあ。
きみと一緒じゃないと……ぼくはそこにたどり着けない。
きみの心だけが、道を作る」
胸が熱くなった。
怖い。でも——迷いはなかった。
「行こう! 何があっても一緒に行くよ!」
リンが微笑む。
ミルも透明な姿で、最後の力を振り絞って頷いた。
「のあちゃん。
私が完全に戻るまで、あと少しだけ……
二人を導くね」
ミルの背中に淡い光の翼が広がった。
最後の“甘さの光”。
裂け目はどんどん広がっていく。
色のない風が世界を侵食し、甘味の国から味を奪っていく。
「急がないと……!」
リンが私の手を強く握る。
「のあ、走ろう! この先に……きっと“入口”がある!」
「うん!!」
ミルが光の道を作り、私たちはその上を駆けだした。
ミルが消える前に、
無味に飲まれる前に、
リンの心のすべてを取り戻すために。
コメント
1件
今回も楽しいお話ありがとうございました!!そして、受験お疲れ様でした!!大変だったと思うのに投稿していただいてありがとうございます!無味かぁ…なんの感情もないってことですよね。それは嫌だなぁ…続き楽しみにしてます!