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ぺちゃ_24
302
をるとは道草
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りの
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??視点
10分前。dzさんから電話があった。
dz「??、…qnが…大変なんだ、…。家に行って欲しいんだけど、…いい?」
珍しく声が震えており、泣いたあとみたいに鼻声だったdzさんに、少し怖くなり、返事をして荷物を持ち、すぐにqnの家へ向かった。
dz「…よかった、来てくれたんだ…。」
「…dzさん…。一体、何があってん…?」
dz「…僕の口からは言えない。でも、…orじゃないと、ダメだから、…。」
qnの家まであと100m程のところでdzさんとすれ違った。dzさんの目は赤く腫れており、本当に泣いていたみたいだ。
それから二言程言葉を交わし、qnの家までの道を急いだ。
「qn!qn?入るで、!」
インターホンを押しても反応がない。慌ててドアノブを回すと、鍵がかかっておらず、スルリと回ってしまう。
少し前の事件を思い出し、靴を脱ぎ捨ててqnの部屋へ向かう。
「qn…、?」
qnの部屋のドアを勢いよく開ける。そこには、地面に倒れたqnがいた。
「qn?!大丈夫か、、?!」
qn「…or、、…?」
「…qn、…なん、…これ…?」
ただただ心配で、その身体を抱き上げる。弱々しい視線で見つめるqnの身体は、同じ人間とは思えない程、硬かった。
「なぁ…qn…。どうしてこんな…硬いん…?」
qn「っ…。…なんでも、ない。…気の所為じゃない?」
一瞬息を詰まらせたqnが視線を逸らす。気の所為だ、と言うけれど、この硬さは異常だ。いつも『天然』と言われる僕でも、これが普通では無いことくらい分かる。
「…qn、…ちょっと失礼すんで、」
qn「へ、…あ、ちょ…っ、!!」
「…なぁ、qn。…なんや?これ。」
qnの静止も聞かずに、服を捲る。その瞬間、俺は目を見開くことになった。
qnの体が、青い何かで覆われていたからだ。
qn「な、なんでもない、…。離して、!」
「…なんでもない訳、ないやろ…。…ここに落ちてる宝石?もなんなん…?」
qn「……っ、」
qnが動揺したように目を泳がせ、息を詰まらせる。なにか、ある。そして、それを隠そうとしている。
無理矢理聞き出したくはないが、もしもこの間倒れた原因が“これ”にあるんだとしたら…と思うと、口を閉じることはできなかった。
「…qn、…俺ほんまに、心配なんよ…。教えてくれん、?」
qn「……。」
qnは眉を8の字にし、数分ほど迷う素振りを見せた。口を開いては閉じ、目線を合わせては逸らし、を繰り返した。そしてやっと、声を出してくれた。
qn「…俺、死ぬの。3日後に、」
「…は、、?」
あまりに予想していなかった言葉のせいで、情けない声が出る。死ぬ。3日後。qnが?どうして、こんなに健康そうなのに。
qn「…涙石病っていう、奇病にかかっちゃって、」
「…涙石病…。」
まだ衝撃で頭が良く回らない俺を置いて、qnは説明を始める。涙石病とは何か。どうしてこうなったのか。今の体の状態は何なのか。なぜ、死ぬのか。
qn「…わかった?」
「…わかった、けど…。…それ、は…」
qnの想い人。こんなになるまで、告白をしなかった、qnの好きな人のことが、どうしても気になってしまう。それに、その人が羨ましくなってしまう。俺と同じような綺麗な青色の瞳を持つ女性なんて、見たことがない。
これは、聞いていいことなのだろうか。
「…な、ぁ…qn。その人、って、?」
qn「…言わない。内緒だよ、」
そう言って、少し寂しそうに微笑むqn。その表情は、儚くて、脆くて、今にも消えそうで…。俺の奥底に芽生えている気持ちが、口をついてしまった。
「…僕じゃ、ダメなん…?」
qn「、え…?」
qnが驚いたように目を見開く。ずっと泳いでいた目線が交わる。…あぁ、綺麗な色だなぁ。
「僕じゃダメなん?その人の代わりになれん、…よな。でも、僕だって、目ェ青いし、」
その人よりも、qnが好きな自信があるし…。という言葉は飲み込んだ。俺からの好意はqnの邪魔になるかもしれないから。
qnは驚きで少し固まっていたが、小さく口を開いてくれた。そこから出たのは、弱々しい、震えた声だった。
qn「…いいよ、…。そん、な…嘘つかなくて、」
「ッ嘘じゃ、____」
qn「or、…。いいの、嘘…つかないで。」
「……っ、」
反論しようとした口に、人差し指を当てられ、静かにするしか無くなる。そんな、悲しそうな瞳で見つめられたら、従うしかなくなる。
qn「…ごめん、or。今日は帰って、」
「え、…。で、でも…qn、それ…」
qn「大丈夫。何ともないよ。…or、お願い、」
「……わ、か…った。」
qn「ありがとう、」
あんな申し訳なさそうに、悲しそうに言われたら、断れるはずもなくて。
寝そべっているqnを抱き抱えて、ベッドの上に下ろす。荷物を持って、qnの家を出た。
次の日 qn視点
昨日はびっくりした。orが突然訪ねてきて、俺を助けようとしてくれたんだから。断ってしまったけれど。
orは優しい。びっくりするほど、優しい。優しすぎる。どんな無茶を言っても笑って答えてくれる。変に弄っても、怒ったりしない。
どうして、orは、俺が辛くてどうしようもない時に来てくれるんだろう。どうして、わかるんだろう。ただの、自惚れだろうけど。
「…体…動かせないなぁ、…。」
朝起きたら、体がほぼ固まっていた。指先や口、首などは動かせるが、全く立てない。起き上がれない。ここから、動けない。
本当に、結晶化で死ぬんだ…と、ようやく死を実感する。
というか、仕事…どうしよう。机に向かわないと、仕事が出来ない。スマホは…まだギリギリ手の届く範囲にある。どうしよう。誰に、電話をかけようか。
「もしもし、」
bn「もしもし…、どしたの、qnチャン…。」
結局かけたのは、bnさん。きっとbnさんなら、深く聞かないだろうし、相談出来そうだから。
bnさんの声的に、今起きたらしい。寝起きの掠れた色っぽい声をしている。
「…その、…相談なんですが。」
bn「ん…、ちょっと待ってね。……、なぁに?」
「…俺、涙石病になっちゃって。…もう、体が動かなくて、」
どうやらベッドから出て、しっかり頭を切り替えたらしいbnさんに、ポツリと打ち明ける。不思議そうなbnさんに、涙石病の説明をする。それと一緒に、人体結晶化の説明も。
bn「で、2日後には死ぬ…と。…え?」
「…その、急でごめんなさい。今、相談できそうなのが、bnさんしか、いなくて…、」
bn「いや、まぁ…そこはいいんだけどね。…マジなの?」
優しく聞いてくるbnさんに、小さな声で「はい」と答える。電話の向こうから、bnさんが小さく息を呑む音が聞こえてきた。そりゃあそうか。死ぬ、と言われて驚かない人間なんていないだろうし。
bn「…で、相談は?」
「や、…その、結晶化の影響で、ベッドから出れなくて…。仕事どうしたらいいですかね、」
bn「休みなさいよ…。俺からdzさんに言っておくから。ね?」
「でも、…指先は動くし、声はしっかり出るんですよ、」
bn「でもじゃない。ダメ。…撮影終わったらまた、電話かけるから、じっとしてて?」
子供を諭すように優しく叱られる。あぁ、bnさんって暖かいな。優しく寄り添ってくれる。なんて最高の上司を持ったのだろう。
「わかりました、ありがとうございます。」
bn「ん、いい子。で、dzさんは知ってるの?てか、orには言ってないの?」
「dzさんには言いました。…orにも、昨日言ったんです、が…、」
bnさんに昨日の出来事を伝える。胸が苦しくなって、またひとつ宝石が落ちた気がした。ベッドの上にいるせいで、落ちた音もせず、痛くもないので、宝石が出たのかさえハッキリわからない。
bn「…そっか、…。…わかった、ありがとね。ちゃんと伝えておくから、休めよ。」
「はい、…。」
プツッと音がして、通話が終わる。何もすることがないこの時間が、俺の心を沈めていく。本当なら、俺が健康なら、今頃みんなでゲームをして…笑いあって…。
「…なんで、…俺なんだろ、…。」
小さな呟きと、自分に対しての嘲笑が盛れる。本当に何もすることがない。何かできること…。
俺はスマホを持ち、YouTubeを開く。海外の上手なRTA走者の動画を調べ、見始める。
直接ゲームが出来ないのだから、しょうがない。
プルルルップルルルッ
それから、どれくらい経ったのだろう。もう既に外は暗くなっている。急に誰かから、電話がかかってきた。動画を閉じて、通話に応じる。
「…もしもし?」
bn「もしもし。qnチャン?」
「どうしたんですか?」
相手はbnさんだった。あんな話をしてしまって、心配させたのだろうか。そういえば、今の時間を見るに、撮影が全部終わる頃…。撮影終わりに電話をかけてくれたらしい。
bn「ちょっと心配になってね。体はどう?」
「…まぁ、良くも悪くも変わらずです。なんとか買い溜めしてたおにぎりは食べれたんですけど、」
bn「…そか。もう喋るのも辛い感じ?」
「……はい、」
bnさんは周りの異常に気づくのが早い。誰かが疲れていたらすぐに声をかけてくれるし、今みたいに俺の辛さにも気づいてくれた。だからこそのbnだが。
「…その、撮影大丈夫でしたか?急に休んじゃって…、迷惑とか…。」
bn「ん?あー、大丈夫よ。どうやらdzさんが予備案立てててくれたみたい。」
「ふふ、さすが。」
bn「ほんとにね。頭上がらないよ、あの人には。」
どうやら、俺の昨日の様子を見て、撮影に来れない場合のプランも考えていたらしい。さすが、社長。さすが、dzさんだ。頼りになる。
「今日の企画、何だったんですか?」
bn「…んーとね、…。アスレ20個クリアするまで終われません。だね。」
「…アスレ…。」
bn「しかも、1人にノルマが課せられててさ、だいぶ俺にとっちゃあ鬼畜だったね。」
アスレチックなどの、PSが必要な企画が苦手なbnさん。なんとなく、申し訳ない気持ちになる。俺がこんな状態じゃなければ、もっと楽しく出来たかもしれないのに。
「…その、すみません。」
bn「謝んないで。そういうつもりで言ったんじゃないの。」
「…でも、」
bn「すんごい面白くてさ。あのmnが、『qnの代わりにめちゃ頑張る』って、2人分のノルマをクリアしてたの。後でお礼言いなね?」
「……はい、」
mnが、俺の代わりにやってくれた。心が少しポカポカした。なんて最高な相棒を持ったんだろう。少しだけ、泣きそうになった。ただ、瞳が濡れる感覚はない。
bn「…今日もお疲れ様、qnチャン。ゆっくり休んで。また、一緒にご飯行こうね。」
「その時は、bnさんが奢ってくれるんですよね?」
bn「え、ぁー…まぁ、…うん、はい。」
歯切れの悪いbnさんの返事に、思わず声を出して笑ってしまう。bnさんに怒られたけど。
その後も5分ほど雑談をし、通話を切った。
あと、2日。
今日寝れば、あと1日。
早いなぁ…と思いつつ、掛け布団をしっかり被って目を閉じた。
次の日 qn視点
「ッげほ、…ヒュッ…ゲホッゴホッ…、!」
次の日は、息苦しさで目が覚めた。いつもみたいに息ができない。体は相変わらず動かなくて、もう腕も動かせなくなってきてしまった。なんとか首を動かし、クローゼットに取り付けてある全身鏡を見ると、自分の体が青に覆われていた。
(…青い、…。これ、マズイか…?)
声も掠れた音しか出せなくて、どうやら結晶化は人体の中にも及ぶらしい、ということを知る。ぁー、、…苦しい、…
プルルルップルルルッ
誰かから、電話がかかってきた。スマホは顔のすぐ横にある。でも、腕が動かせなくなったせいで、スマホを取ることができない。助けに来てくれたりしないだろうか。ダメだろうな。みんな、忙しいから。
(…誰から、なんだろ…、。画面も見れないや。)
何回かかけ直してくれたみたいだが、10分ほど経つと、電話の音はピタリと止んだ。
本当に、体が動かない。呼吸さえ満足に出来ない。なんとなく、瞼も思い気がする。
もしかして、俺、今日死ぬのか?
そっか、
そっか、…
…こんなことになるなら、玉砕覚悟で告白してみてもよかったかもしれないなぁ。でも、やっぱり同情で付き合われるのは、orに申し訳ないけれど。
死にたくないなぁ…。
もっとみんなと、orと遊んでたい。
いっぱいお話したい。
もっと、色んな場所に遊びに行って、
美味しいものを食べて、
親孝行もして…
もう、叶わないのか。
あーぁ、なんで、俺…
涙石病になっちゃったんだろう、
or視点
撮影が終わり、猫ちゃんたちと戯れているところに、bnさんから電話がかかってきた。
「もしもし〜?どうしたんすか?」
bn「や、あのね〜。…もう知ってると思うけど、qnのことで電話したんだけど、」
「……!!」
qnのこと。一昨日、qnに会いに行ったっきり、声を聞けていない。「3日後に死ぬ」。そう言って微笑んでいた、「大丈夫」と言いながらも、悲しそうな顔をしていた大好きな人を思い浮かべる。
なんて俺は、無力なんだ。
「そ、の…何があったんですか…?」
bn「うん、…その、…ね。昨日、俺にqnチャンから電話がかかってきてさ、」
「電話、…。」
bn「……もう、動けないらしいんだよね。」
「……え?」
驚きで、小さな声しか出なかった。
動けない…?それって、だいぶ症状が進んでいるということなのだろうか。たしか、最後には体が宝石で覆われて、死ぬ…って、言ってたはず、…。
「それ、って…だいぶまずいんじゃ、?」
bn「…うん。……qnチャン、少し寂しそうだったんだよね。…だから、」
なんとなく、bnさんの次の言葉がわかった。1度は断られ、家を追い出されたけれど。でも、そんな理由で逃げられないほど、僕はqnを、好いている。
「…qnのとこ、行きます。」
bn「うん、お願い。…俺も、みんなに電話してから行くね。」
「わかりました。」
そう言って電話を切り、カバンに荷物を詰め込んだが、ふと思い立った。カバンの中からスマホを取り出し、qnに電話をかけてみる。
何度もかけてみるが、やはりと言うべきか、留守番電話に繋がってしまう。
もう、スマホも取れないほど、衰弱している?
いや、ただ寝ているだけか…、
後者であることを信じ、急いで家を出た。
or視点
「qn!!」
家に着いた俺は、やはり鍵のかかっていないドアを勢いよく開け、qnの寝室へ駆け込んだ。
「っ、qn…、?!」
そこには、人間の面影がないほどに結晶に包まれた、qnが横たわっていた。
体中から血がサァッと引いていくのがわかる。震える手でqnを抱きしめる。あんなにもちもちだったqnの肌は、ゴツゴツして痛い。
「、なぁ…qn…。目ぇ覚ましてや…。お願い、だから…っ、」
自分の目から涙が溢れ、硬い青に落ちた。
qnの体を揺すっても、優しく叩いても、なんの反応もなくて。もう、間に合わなかったのではないか…と考えたときには、もう、心の蓋なんてどこかに行ってしまった。
「…好き、やから…っ、…。qnのことが、ずっと…好き、なんや…、っ…」
ポロポロと止まらない涙を零し、硬いqnを抱きしめ、気持ちを伝える。
あぁ、こうなるんだったら、もっと前から伝えればよかった。そうしたら、もしかしたら、qnは助かったかもしれないのに。
「…ッqn…、ずっとな、qnのこと好きやってん、…。
でもな、フラれるのが、怖くて、なんも、…言えんくって、…。…こうなるんなら、もっと、もっと先に伝えればよかった、…!」
涙は枯れることを知らず、青に零れ続ける。結晶を伝い、シーツに落ち、シーツが濡れる。だが、そんなことに構う余裕もなく、ただただ泣いた。
その時だった。
qnの綺麗な結晶から、光が放たれた。少し眩しいその光が、qnの部屋を満たす。
「qn……っ、?」
光が強まると同時に、qnを覆っている結晶がどんどん溶けていく。次第に、qnの姿がハッキリ見えるようになり、ついには青が消えた。
「…っ、、qn…、!!!」
qn「……、?or、…?」
ゆっくりとqnが瞼を上げる。綺麗なエメラルドグリーンの瞳と目が合った。その瞬間、驚きで止まっていた涙がまた溢れ出す。
「qn、qn…っ、…よかった、ぁ…、!!」
qn「…or…、…ありがとう、」
qnもまた、目に涙を溜めて微笑む。そんなqnを優しく、強く抱き締めた。もう、いなくなって欲しくなくて、qnに「痛いよ」と言われるまで、ずっと、ずっと抱きしめ続けた。
「ほんとに、よかった、…っ、…」
qn「うん、…。……い゛ッ…!」
「っ大丈夫、?なに、が…、」
突然qnが顔を歪め、手で顔を覆う。心配になり、その手を開かせると、そこには綺麗なエメラルドグリーンの宝石があった。
qn「…俺の、色…、」
「え?」
qn「うぅん、…。…よかった、…なおった、…っ、」
ぽとり、とqnの瞳から綺麗な涙が流れる。qnはそれに驚いたように、手で涙を拭い、眺めていた。
僕はまたqnを抱きしめ、頭を撫でてやった。qnは僕の腕の中で、時々嗚咽を漏らしながら泣いた。
qn「or、…もう、大丈夫っ…。」
「ん、お疲れ様。」
約30分ほど、僕の腕の中で泣き続けたqnだったが、涙が止まったのか、恥ずかしそうに俯きながら、少し後ろに下がった。
そんな可愛いqnの姿に、少しの悪戯心が湧いた。
「そんでだけどさ、qn、僕の告白の返事は?」
qn「…っ、!…その、…えっと、…。」
驚いたように目を見張り、顔を赤くしてもじもじするqn。可愛いなぁ…と眺めていたが、すぐに返事をしないところを見て、何となく察した。
だから、本心を抑え込んで、微笑みをつくった。
「ええよ、無理に答えんで。…これからも、友達としてよろしくな。」
qn「…、?!ち、違う…っ!」
「……?」
珍しく声を荒らげ、少しこちらを睨むqn。どうしたのだろう、と思い、qnの次の言葉をジッと待った。
qn「…涙石病、の完治条件ってさ、…その、好きな人…と、両思いになること…で、
完治したら、自分の瞳の色の宝石が落ちる、って…書いてあって、…」
「…それって、…」
qn「っ俺も、orが好き、なの…、!」
「……、!!」
真っ赤な顔で、俺の瞳をまっすぐ射抜き、伝えてくれた「好き」の言葉。
その表情と言葉に我慢できず、言葉より先に、手が伸びていた。
すっかりすべすべもちもちになったqnの体をギュッと抱きしめる。
qn「こ、これじゃダメ、?」
「ううん、十分や、…。俺も大好きやで、qn。」
qn「ふふん、俺の方がorのこと好きだもん。」
何故か得意げに話すqn。そんな彼が本当に愛おしくて、手を離せなかった。
離れたのは、他のみんなが来た時だった。
mn「qn、!!」
bn「無事?!」
ドタドタと慌ただしい足音で、qnの寝室に駆け込んできたdzさんたち。そんなみんなを見渡してから、qnは微笑んだ。
その様子に安心したのか、mnは後ろを向いてしまった。時々肩が揺れているので、泣いているのだろう。
それから、qnを車に乗せ、病院に連れていき、検査をした。先生から「完治しました」という言葉を聞いた時、みんなが歓声を上げていた。もちろん俺もだが。
その日はdzさんの家で打ち上げをした。dzさんの奥さんがたくさんのqnの好物を作ってくれ、qnは終始楽しそうだった。
約4時間ほどみんなで騒ぎ倒し、帰ることになった。
qn「or、ちょっといい…?」
「うん、どしたん?」
みんなが帰る支度をしている時、qnに呼ばれ、dz家のベランダに出た。
頬を涼しい風が撫で、下を見ると、綺麗な夜景が広がっている。さすが、社長。いい所に住んでいる。
qn「…その、助けてくれてありがとう。」
「ええんよ、それぐらい。」
qn「…or、いつも、俺が辛い時に来てくれて、俺のそばに居てくれて…。ほんとに助かったの、」
ふふ、と可愛らしく笑うqn。そんなqnに、俺の心臓が撃ち抜かれる。
あぁ、よかったな。助かって。
よかった。あの時、諦めなくて。
「ならよかった。…qn、」
qn「んー?」
「大好きやで。…これから、何があっても、絶対助けるから。」
qn「んふふ、約束ね?」
qnと指切りをして、またハグをした。
その後、どちらともなく顔を近づけ、満天の星空の下でそっとキスをした。
Fin .
コメント
5件
うん、最高!!!!!!!!!!!!!!!!!!ありがとうございました!!
すごい素敵です✨️ 思わず胸がきゅっとなりました!
わあ…読み終えました。第12話、すごく良かったです…! 「涙石病」という奇病の設定が切なくて、でもorの想いが結晶を溶かすって展開がロマンチックすぎます。あの「好きやから」って泣きながら告白するシーン、胸がぎゅっとなりました。qnが自分を犠牲にして想いを隠そうとするのも、orの「僕じゃダメなん?」って問い掛けも、両方の気持ちが静かに響き合ってて…。 ちゃんと両思いになって、エメラルドグリーンの宝石が落ちるところで「あ、そういう治り方なんだ」って納得しました。最後の星空の下のキス、綺麗な締めくくりですね。素敵な物語をありがとうございます!