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放課後。
校門の外。
「……また来とるやん」
緋八マナが少し呆れた声で言う。
その先には——
「うん、来た」
当たり前みたいに立ってる
伊波ライ。
⸻
「……今日はなんの理由や」
「理由?」
少し考えてから、笑う。
「会いたかったから」
⸻
「……っ」
それはずるい。
「そういうの、毎回言うなや」
「本当のことだし」
⸻
結局。
「……帰るか」
「うん」
並んで歩く。
それだけで、少し安心する。
⸻
■“理由”が変わる
最初は。
「ノート貸して」
「課題教えて」
そんな理由やった。
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でも今は。
「今日空いてる?」
「放課後来れる?」
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理由が、どんどん雑になる。
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「……なあ」
「うん?」
「最近さ」
少し横を見る。
「会いすぎちゃう?」
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「嫌?」
「……嫌ちゃうけど」
むしろ。
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「……なんか、当たり前みたいになってきたなって」
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ライは少しだけ笑って。
「それ、いいことじゃない?」
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「……せやな」
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■初めての“自然”
ある日。
人通りの少ない道。
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「マナ」
「ん?」
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そっと。
手を取られる。
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「……っ」
一瞬、止まる。
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「……ええんか?」
「ダメ?」
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「……ダメちゃう」
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そのまま。
ゆっくり繋ぐ。
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最初はぎこちなくて。
でも。
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「……あったかいな」
「でしょ」
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少しだけ笑う。
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それだけで。
距離が、一気に近くなる。