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ライブでの衝撃的なデビューから数日。苺プロの事務所で、社長がリムルに新しい企画を叩きつけた。
「いいかリムル。お前のビジュアルは強すぎる。いきなりテレビに出すより、まずはネットの住民を味方につける。……VTuberだ!」
「ぶい、ちゅーばー……?」
「そうだ。姿は隠さず、あえて『実在する人間がアバターを動かしている風』に見せる。これなら、お前の浮世離れした動きも『最新のトラッキング技術』として納得される!」
リムルは溜息をついた。
(おいシエル、どう思う?)
『解。面白そうです。アバターの制作、配信環境の構築、およびネット工作は全て私が行います。マスターはただ、喋るだけで結構です』
「(やる気満々だな、お前……)」
YouTubeの待機所には、すでに数万人のリスナーが集まっていた。
「アイの隣にいたあの子か?」「CGじゃないの?」と騒がれる中、画面が切り替わる。
そこに映し出されたのは、本物のリムルをさらにブラッシュアップしたような、神秘的な美少年の3Dモデル。
「あー……。えっと、聞こえてるか? 苺プロ所属、リムルだ。よろしくな」
その瞬間、コメント欄が音速で流れ始めた。
《声良すぎだろ!?》
《モデルの動きがヌルヌルすぎる、どこの技術だこれ》
《てか、これ実物と同じじゃね?》
リムルはシエルさんの指示通り、ゲーム配信(超絶プレイ)や雑談をこなしていく。
『智慧之王(ラファエル)』による完璧なレスポンスと、時折見せる「魔王らしい」上から目線の発言が、逆に「キャラが立ってる」と大ウケ。
「あ、このボス? 弱すぎてあくびが出るな。一撃でいいか?」
ドォォォォン!!(ゲーム内の最強ボスが瞬殺される)
《草》《全一確定》《今の編集じゃなくてリアルタイムかよw》
配信を部屋の隅で見ていたアクアは、ノートPCを抱えて呆然としていた。
(……こいつ、ネットリテラシーまで完璧か。シエルとかいう『相棒』、AI(人工知能)の域を超えてるだろ……)
「ねえねえアクア、リムル様かっこいいね!」
横でペンライトを振るルビー。
初配信の同時視聴者数は、またたく間に50万人を突破。
「謎の美少年VTuber」として、リムルの名前は一晩で世界中に知れ渡ることになった。