テラーノベル
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──────いえもん視点──────
鋭く、尖った声が俺たちを貫く。その声の持ち主たるその神は、俺たちを指さしながら、既に、戦闘態勢だった。
───その神はやはり、神である。その圧倒的オーラと、見ただけで『美しい』と感じさせられるその容姿は目を奪われる。───と、言う訳もなく、なぜだか憎悪が心から溢れ出てくる。
あぁ、そうか。俺は、呪ったんだ。俺を、運命から助けてくれなかった神々を。能天気そうな、その神が。生まれながら才能を持っているそいつらを、俺は嫌っているんだ。
「『時戻し』」
即座に、メテヲさんの詠唱が唱えられる。短く、しかし、その言葉の強さの底は見えない。その神は一瞬で土になり、サラサラと地に落ちるその姿は砂時計に見えた。
「お〜凄いですね。さすがは『時空の神』と言った所でしょうか。」
「まあまあ♪これくらいならおやす、いご、よォッ¿ガハッッ!?」
メテヲさんの姿をした───ぜんさんが、思いっきり血を吐く。先程までピンピンとしていたのに、突然血を吐くのは、はっきり言って異常だった。
「───なるほどねぇ。強い力には『代償』あるってわけですね〜。時戻しとか、この世界の時間に直接介入するのは時に、真実を変えることすらできますからね。」
八幡さんが納得したかのように解説をしだす。しかし、その間にも、メテヲさんから出る血は止まるどころか、増していて、手の隙間から血が滴り落ちていく。
「!?治せません!!」
みぞれさんのパニクったような、驚いたような声が響く。またしても、八幡さんがのらりくらりと解説をしだす。
「そりゃそうでしょ。メテヲさんの体の構造にほとんど属性がないんだから。だから、属性を活性化させたとしてもむーりー。以前使ってた光属性とか、闇属性が使えたのは後付みたいなもんだから関係ないしねー。」
「ちょ゛ぉ゛ッ、ハッ、、ヵワ、るわッ」
声が絶え絶えになっていたメテヲさんが瞬時に溶け始め、姿を変える。その姿は、ぜんさんではないのに、既視感───いや、見たことがある人物へと姿を変えた。ツートンカラーの瞳。ツインドリルの髪型。そして、ふわふわの猫耳。───菓子さんだ。それだけの要素で菓子さんだと断言できた。菓子さんは先程のメテヲさんの反応とは全く別かのように、倒れていた体を起こし、そして、いつも通りかのように話し出す。
「ふぅ…。久しぶりね。みんな。」
「か、菓子さ───」
その瞬間、俺達の間を縫うように雷がバチバチと爆ぜる。俺は、ローブを翻し、何とか免れるが、それでも、手の痺れが止まらなかった。しかし、その程度ですんだ、と言うべきだろう。雷に打たれたであろう地面は、クレーターかのように地面をえぐり取っていた。
「侵入者発見。地の神は既に排除されています。攻撃を続けます。」
「───この程度で、雷の名を語ると言うんですか?」
すっと、みぞれさんが1歩前に出る。その瞳は、いつの間にか金色に染まっており、髪色も、紫のインナーに、金髪へと染まっていく。白髪に似た銀髪であるみぞれさんは、何色にでも、どんな属性にでも染まれる。そんなことが暗示されているように感じた。
「本当の雷は───こうですよ。」
みぞれさんの人差し指の先端から、勢いよく、何かが発射される。───見えなかった。その、速さが。その威力は尋常ではなく、正確に、神の足を撃ち抜き、バランスを崩した神が、体制を建て直す前に、みぞれさんは、その神を、氷の檻に入れ、捕獲する。その数秒後に、雷音が轟いた。
「雷神様、確保させてもらいます。」
圧倒した相手に対しても、経緯を払うみぞれさんは相変わらずであった。その騒ぎを聞きつけた神々が俺たちの近くに集まってくる。休んでいる暇はない、と言わんばかりに神々はそれぞれの司るもので戦ってくる。さすがに実弾は効かなかったので、銃の弾を属性弾に切りかえ、連射する。動きを少しだけ止める程度の威力にはなった。
菓子さんは、俺達を守るように植物を辺りに咲かせ、自身は、正義を自称し、圧倒的物量で攻め込んでいる。
ルカさんは、神の攻撃をまるで食らっていないかのように、突進し、殴り込む。
めめさんは鎌を取りだし、神と2対1を繰り広げる。
八幡さんは遊ぶかのように、気まぐれに相手を取っかえ引っ変えしながら愉快そうに笑う。
みぞれさんは的確に相手を撃ち抜くが、先程までは不意打ちに近かったから簡単だったものの、次からは警戒され、当たりにくくなって言った。
ラテさんは炎を自身にまとい、散らし、灼熱の熱気を放っていた。
───コツン、カツン。
そんな、ヒールのような音が、その空間を支配する。カツ、コツ、カッカッ。テンポよくリズムを刻まれていく。まるで、ワルツでも踊るかのようなリズムで、楽しげな足音で、戦場に似つかわしくなかった。
「Hello〜 everyone♪」
そんな楽しげな言葉に似つかわしくなく、その神の顔は曇りきっており、笑うどころか無表情でこちらを睨みつける。水色のウェーブがかった髪型。ふわりと広がるスカートのようなドレス。頭の上にはティアラのようなものを着け、いかにも神々しさを醸し出していた。なぜだか、先程の神達よりも威厳があり、存在感があった。
「良い子達はもう寝る時間だよ。───永遠のね。」
ここで切ります!ギリ!間に合った!!セーフ!!正直無理だと思ってましたァ!!!よかったぁぁあああ!!!そろそろ完結しそうですよ!!皆さん!!やっとだあぁぁぁぁ!!番外編書くけどぉぉぉぉ!!!おつはる!
コメント
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敬意を表しなさいな