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7月29日。
「あっいた!」
妃奈乃が指さした方向に私と妃奈乃は早足で向かった。
「ごめん、待った?」
「いや、さっき来たとこ」
「そっか。…あ、妹の妃奈乃」
私は妃奈乃の肩に手を置いた。
「紗月の兄です、よろしくね」
「よろしくお願いしますっ」
「こっちは紗月ね、言ったけど」
「紗月ちゃんよろしくね」
私がそう言うと紗月ちゃんは小さい声ではい、と言って頷いた。
ご飯系に冷たいもの系、遊び系、意外とたくさん屋台がある。
最初はからあげを買った。
「かわいいね、姉妹でワンピース」
「ほんと!お姉ちゃんすっごいかわいいでしょ!」
「うん、女優さんみたい。ね、お兄ちゃん」
「珍しいね、紳士じゃないの」
宇治が一瞬こっちを見て言った。
「お姉ちゃん紳士って呼ばれてるの?」
「いや、呼ばれてるっていうか」
「みんなが勝手に呼んでるんだよ」
「そうなんですか、、!かっこいいから?」
「そう、かっこいいから」
「、、変なこと教えなくていいから」
宇治は、ははっと軽く笑った。
「えーーもう破れたーー、9個だ、、」
「私も破れちゃった」
スーパーボールすくい。誰が一番多く取れるか競争。
「お姉ちゃん頑張って!」
「お姉さん頑張ってくださいっ」
「なんで俺の応援いないの、あ」
「お姉さんの勝ち?」
「お姉ちゃんまだいけそうじゃん! 」
結構ゆっくりすくってるけど、宇治より多そう。
「何個?幡中」
「……14、15、16個」
「うわー3個多い、幡中の勝ち」
ひとりひとつ、好きなおもちゃを選んだ。
「あ、一緒」
私が選んだきつねのお面を宇治も選んでいた。宇治のは青だ。
「あっお姉ちゃんたちおそろいじゃん、写真撮ってあげる!」
妃奈乃が少し離れてスマホを私と宇治に向けた。
「かわいい〜あとでお姉ちゃんに送っとくね」
「うん、ありがとう」
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