━━━━━━━{霊術- 拾}━━━━━━━━
━━━━━━━━{式神}━━━━━━━━
─めちゃくちゃ喜んでた。
その後、流れるように天水先生は、「今すぐ案内しろ!」と他の教室に聞こえるような大声で叫んだ。休み時間だったため、何だ何だと、他の生徒がぞろぞろとやってきた。恥ずかしかったため、さっさと転移で移動した。天水先生は止まることなく、続けて、「で、どこに居たんだ!」と叫んだ。「はいはい、今案内しますから。」地図を使い、見つけた場所を指差す。「分かった、そこだな?、」「は、はい。そうですけど…」私がそういった途端、天水先生が空中に水の塊をつくり、その上に乗った。「ほら、早くお前も乗れ。」言われた通り乗ると、水の塊が水流に変化した。私は何度か見たことがある。 天水先生が水流に乗って、有り得ない速度で移動していたところを。そして、水流が動き出した瞬間、私は一瞬、死を覚悟した。その速度は恐ろしい程速く、二十秒後ぐらいにはもう着いていた。
「天水先生…、どうやったらこんな出鱈目みたいな速さ出せるんですか…、 」「あ?、そんなん頑張ればいけるだろ。」「いけないから言ってるんですよ…、」呆れながらも、私は案内を続けた。そして猫又を見つけた場所に着いた時。
「めちゃくちゃ猫又がいるじゃねーか、やるな、お前!」私は正直驚いた。私が来た時には全然居なかったからだ。「ん、おい、なんだその顔。もしかして気付いてなかったのか?、」私が小さく頷くと、「そうか、お前まだ視る力を手に入れてないからか。だったら、帰ったら私が教えてやんよ。」と言ってきた。噂によると、天水先生の授業は、最早授業ではなく修行らしい。なので、私は少し怖かった。「にしてもこんな猫又が集まってるとこ見たことがないな。 」「天水先生も見たことないんですか?」「嗚呼、そうだな。まあいいだろ!」「そうですか…、」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「あー、可愛い!」「可愛いですねー。」天水先生は、いつも妖怪の前だと性格が変わるのはなぜだろう。「もう式神にしよう!うん、そうしよう!」「え、妖って式神にできるんですか?」「なんだ、知らなかったのか。」天水先生の話によると、手に霊力を込めて、妖に対して印を結ぶ、そしてそれを妖が了承すれば簡易的な式神ができるらしい。あくまで”簡易的な”であり、簡単な命令のみこなし、それ以外は自由らしい。私は早速やってみることにした。どうやら相性のよい妖を探した方が成功率は高いらしい。その目安として、近づいても嫌がらないのがいいらしい。そして暫く探していると、1匹の猫又がこっちにやってきた。攻撃しに来たかと思ったが、猫又は脚に体を擦り寄せてきた。私はこれだ!と思い、簡易的な手順を踏んでみた。そうすると、猫又から声が聞こえてきた。─
コメント
5件
だんだんと雪が造ってるものが分かってきた気がする