この作品はいかがでしたか?
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俺の名前は尚武。5月生まれだから。
俺、実は親にも内緒でやってることがあるんだよね。それはね、マッチングアプリ使ってキモいクソジジイたちを釣ってるんだ。これが結構楽しいんだよ。女のフリして出会い探して、ウキウキで会いにくるんさ。男だって知ったらがっかりして帰ってく。
今日も夜の歌舞伎町で女装して待ち合わせ。今日はどんなのがくるんだろうと待っていると早速来た。いかにもネカフェに居座ってそうなツラ。
俺、男です。
いつものセリフを言った。
“ああ、知ってるよ。”
思いがけないセリフが返ってきた。俺は全身の毛が逆立つような感覚に襲われた。
駄目だ。この人は。
逃げろ
逃げろ
逃げろ!
体中で言っているみたいだった。
見た目から自分は恐怖を感じ取ったのか?
違う。
この人は俺が男と知って、ウキウキで来たんだ。
理解した。俺は感無量のまんま、手を引かれるがままにやたらとライトアップされているホテルへ連れて行かれた。
やめてください
そう言い放った。
「うるさいなぁ。自分が悪いんじゃん。」
俺はベッドに押し倒された。恐怖で俺は泣き出してしまった。
「………そうだよね。」
そう言っていた。やっと理解した………?
「せっかく女装してるし、少しは慣らさないと入んないよね。」
理解する気はさらさらないらしい。
「ここで、目の前でオ○○ーしてよ。」
俺はスカートを脱ごうとした。脱がせてなんかくれなかった。このシチュエーションが好きなんだってさ。
っっ!
イッた……人前で…………
キモおじは興奮したのか顔は我慢できないと言わんばかりの表情。鼻息まで荒い。
あぁ、これがヤられる前ってやつか………
キモおじはズボンを下ろした。
中だしされた。
「抱いてしまったなぁ……男の子を。」
“しまった”?抱いたんだろうが。反吐が出る。
「初体験だった?」
さっきから聞いてくる。うるさい。黙れ。
「きっと初だよね。だって、すっごく顔赤かったもんね!」
関係なくね?黙れよ。
「………黙れ。」
言ってしまったのだ。
「聞き捨てならない言葉だなぁ?」
まずい。
これ、2回目な感じだ。
「君、結構ヤバい”女”なんだね。」
その”女”という単語は俺のことをあざ笑うようだった。
「ちゅーが、ちゅき?」
なんでも初をこいつに取られるのはムカつく。赤ちゃん言葉なのも尚むかつく。
だめ、だよ。
声を振り絞った。
「じゃあ………」
「ぎゅっー!ってこのまま!」
気持ち悪い。出す声も残っていなかった。
俺はやっと帰してもらった。既に朝だった。
ケツは痛いし、腰も痛いし。いいことなんてないな。
………だけど、気持ちよかった………?
もっかい会えるかな。
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