まだ触れている薬指と小指が、先生の鼓動を感じてる
少し早く振れる鼓動が指から伝わる
「‥‥もう良いってなに?」
「ローレンの気持ちも分かってるし、これから俺の話を聞いてくれ。だから少し落ち着こう 」
「‥‥‥‥俺が諭されるターンって事?」
「だから落ち着けよ‥‥頼むから」
そう言われても理性が半分以上無くなった俺には目の前の先生が欲しくて堪らなかった
力の抜けた先生の手が優しく俺の手を撫でる
「‥‥‥‥先生が欲しい」
「このままお前が続けたら、俺はここにはいられなくなる」
「なんで?」
「俺が先生だからだ」
「‥‥先生と俺は恋しちゃダメなの?」
「ダメだ。正確には体の関係は持つ事は許されない」
「誰も見てない」
「俺とお前が見てる」
先生の言葉は全て正しい
正しすぎて嫌になる
しかも先生の腕が俺から離された
ただ俺の前に棒立ちで無抵抗になる
自分の話を聞いて俺がどうするか委ねられたんだ
「‥‥黙ってれば良いじゃん」
「俺は‥‥ローレンが好きだよ」
「え?」
急に欲しい言葉をもらい、頭が白くなる
ただただ先生を見つめた
「今はそれだけじゃダメか?」
「え‥‥‥‥俺‥‥」
「卒業までローレンが待てたら堂々と付き合おう。俺は待ってるよ」
「卒業‥‥‥‥」
嬉しさとお預けを食らってる事で、頭がパニックだ
「互いに卒業迎えて気持ちが一緒だったら付き合おう。その間にローレンの気持ちが変わっても俺は構わないよ」
「そんな事絶対ない!ないけど先生取られちゃわないか不安だよ俺‥‥」
不安気な俺に先生が頬のすぐそばまで手を伸ばす
だが、俺に触れる事なく手を引っ込める
「‥‥触れてくれないんだ」
「極力ね。その方が良いだろう」
「良くない‥‥全然良くない」
「じゃあ今から俺が触れて気合いを入れてやるよ」
先生の手が俺の背中目掛けて振り下ろされる
良い音が返って来た
「痛っ!!やだよ俺こんなスキンシップ」
「贅沢言ってないで勉強頑張れよ。今は大事な時期だろ」
「何となくで決めてるけど‥‥勉強するの好きじゃないんだもん俺」
「じゃあ俺達のゴールは大学合格にするか」
「え‥‥合格しなかったら?」
「その時に考えても良いんじゃない?」
「俺、勉強苦手って伝えたからね‥‥」
「でもローレンって点数が低い訳じゃないだろ?」
「まぁ‥‥いや、俺達の為にも頑張るわ。絶対受かってみせる!」
漠然と何となく行けと言われたから行こうと思った大学
でも今は違う
先生とのためだって事もあるけれど
明確に目標が定まった
先生と出会って俺は変わった
この人の側にいると強くなれる気がした
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コメント
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⸜(> <⑉))⸝キャッ♡ こや まじ沼 ロレ良かったね~ ちな 師匠の作品も沼!