テラーノベル
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高層ビルの屋上のフェンスをまたいで、人々の混み合う交差点を見る。
人々が窮屈ながらにもいそいそと歩いている姿を見るのが日課だった。
「おい」
不意に後ろから男性の声がするので振り返ってしまった。
「死にたいのか?」
首を横に振ると、なぜそこにいるのか、とその男は問いた。
「ただここから人を見るのが好きなだけ 」
そう言うと、男は自分の横に肩を並べてゆっくりと腰を下ろした。
「ここにはよく来るんか?」
「毎日」
「ここ危ねぇだろ。落ちたらって想像したことないんか」
「落ちはしないよ」
数秒の沈黙が流れる。沈黙の後、彼がふぅん、と言った瞬間。
俺は彼に背中を押され、宙を舞った。
「え?」
わけも分からず下へ落ちていく。
下にいた、先程まで俺が見ていた人々が俺の存在に気づき、悲鳴をあげる。
ふとあの男性のことを思い、上を見る。
……が、あの男性はもういなかった。
自身の死を確信し、目をつぶった直後。
ふわっとした感覚とともに、また上へ上へと持ち上げられる。
「な、危ないって言ったろ」
「…は?」
先程まで姿を消していた彼が目の前にいる。 そして、先程まで宙を浮いていた俺もいつもの屋上にいる。
「なんで…あんた」
「驚いた?俺人間じゃないんだよね」
そうヘラヘラと笑う彼の背中には、いつの日かに絵本で見た、綺麗な白色の羽が着いていた。
「どうりで…」
「お前は?こんな危ないとこにおるんならなんか持っとるんやろ」
「何にも持ってないよ。ただの孤児。
失うものがないだけ」
そう言うと、彼の顔が曇る。
それと同時に、ポツポツと雨の降る音が聞こえる。
「お前、今日はもう帰れ。今日は荒れるぞ」
帰る場所もないんだってば
そう思いながらも、口では分かったと適当に相槌を打ち、彼と別れる。
今日はどこへ行こうか。
適当に思いついたので短いですが連載はじめてみました♩
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兎ゞ亜 @はじめたばかり
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みどりいろと忘夢
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コメント
3件
新しいの…!? ありがとうございます!💕 kyoruですか…?めっちゃ好きです! やっぱりきょーさんは天使が一番映えますね…!
ああ、これ、すごく好きな空気感だ。最初の「落ちはしないよ」って言った直後に突き落とされる展開には、思わず声が出た。それでいて、ふわっと持ち上げられて、ヘラヘラ笑う天使の背中に白い羽がある――っていうビジュアルがもう、ものすごく鮮烈に浮かぶ。孤児で「失うものがないだけ」って台詞も、彼が顔を曇らせるのも、これからの伏線なんだろうな。続き、すごく気になります。