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紫蘭
2,423
設定¦吸血鬼パロ
💛🖤···▸吸血鬼 ❤️···▸人間
※
・ご本人様には一切関係ございません。
・少し複雑な内容?
・長めです🙇♂️(時間がある時にお願いします)
苦手な方はスクロール❌
お好きな方は是非ご覧下さい。
↓↓↓
[8話]
✧———✧ ——— ✧ ———✧———✧ ——— ✧
✕side
パンッ、と乾いた音が響く。
目の前の棚に並んだ景品が、ほんの少しだけ弾を掠めて動いた。
宮舘は「あっ、」と小さく声を上げる。
🖤 「惜しかったね」
ーー現在、射的中。
❤️ 「今度こそ……」
少し悔しそうに眉を下げながら、宮舘はもう一度銃を構え直した。
でも、狙いを定めようとすると銃口が小さく震えて思い通りにならない。
💛 「ちょっと力が入りすぎじゃない?」
❤️ 「え…そうですか?」
💛 「うん。ほら、」
岩本は後ろから宮舘の身体を抱きしめるような形で手を重ねた。
宮舘の背中に、岩本の微かな体温が籠る。
❤️ 「……っ!」
突然のことで、思わず固まる。
💛 「もうちょっと力抜いて?」
❤️ 「はい……」
💛 「腕もっと上げて」
岩本の声が至近距離で聞こえる。
宮舘は変に緊張してしまって、さっきより力が入ってしまう。
すると、耳元で「ふっ」と笑い声がした。
💛 「また力入ってるよ?」
❤️ 「っ、すみません」
軽く指摘される。
その時。
宮舘の首が赤くなるのが分かった。
岩本はそんな宮舘を見て、愛しさが込み上げる。
💛 (……可愛い)
小さく口元が緩む。
でも、宮舘はすぐに真剣な表情に戻る。
岩本も切り替えて、狙う景品を見る。
❤️ 「このへんですか?」
💛 「うん。」
少し右、いやもう少し左。と微調整をする。
何度も位置を確認して。
外さないように慎重に狙いを定める。
そして───
パンッ。
❤️ 「あ……!」
景品には見事に当たったが、狙ってた物は外してしまった。
それで、代わりに取れたのは───
❤️ 「これ、なんかの薬ですか?」
宮舘は受け取った景品、小さな小瓶を見る。
中には液体が入っていて水面が静かに揺れる。
すると。
岩本がサッとその小瓶を奪い取った。
💛 「これは変な薬だから、駄目。」
❤️ 「え?」
きょとんとした顔で岩本を見上げる。
💛 「……まぁでも、」
岩本は小瓶を手の中で転がす。
小瓶と宮舘を交互に見た。
そして少し複雑そうな表情で───
ポン、と宮舘の頭に手を置いた。
💛 「良かったじゃん。景品取れて」
❤️ 「……っ」
なにか言おうとして、口を開く。
でも、何故か言葉が出ない。
代わりに、頬がじわじわ赤くなっていく。
すると───
🖤 「はいはい。いいから離れて今すぐ」
珍しく口出しせず後ろから二人を憎らしそうに見ていた目黒が、ようやく痺れを切らして割り込んで来た。
ぐいっと岩本の腕を引き離すと。
順番、と言わんばかりの顔で宮舘の頭を撫で始めた。
❤️ 「……なんで二人とも…?」
💛 「本当に、目黒は触んな」
🖤 「無理。岩本くんこそ触らないで」
💛 「やだ」
🖤 「俺もやだ」
❤️ (またやってる……笑)
もう見慣れてしまった光景。
宮舘はくすっと口角を上げた。
気づけば、もう二人が怖くなくなっていた。
❤️ (そんな悪い人じゃないし…)
そう思うと、自然と胸が軽くなる。
❤️ 「次はどこ行きます?」
💛 「……」
🖤 「……」
小競り合いしてた二人は、
謎にご機嫌な宮舘を見て固まった。
そして───
💛 「どこでもいいよ。」
💛 「行きたいとこ、連れてってあげるから」
❤️ 「え、いいんですか…?」
🖤 「もちろん。ほら、」
差し伸べられた手。
宮舘は戸惑いながら視線をその手に落とした。
───握っていいのだろうか。
前なら絶対に触れなかった。
そう思いながらも、宮舘の指先は冷たい目黒の手へと近づいていく。
ぎゅ、とその手を握る。
❤️ (……っ)
🖤 「手、繋いでくれるんだ。嬉しいな」
❤️ 「……自分でも不思議です」
💛 「ふーん…」
💛 「じゃあ、行こうか」
岩本は意味深に目を細めた。
そして、掌にあった小瓶を隠すように、
自身のポケットへと忍び込ませた───。
◇◆◇◆◇
その後。
三人は目に入る屋台を次々に巡って行った。
輪投げ、ヨーヨー釣り、型抜き───。
一緒に試してみたり、たまには競ってみたり、些細なことで二人が喧嘩して。
気づけば、その時間が終わってしまうのを惜しいと思ってしまっていた。
❤️ 「……なんか、」
❤️ 「今日は帰りたくないですね…」
ぽつり、と思った事が口を滑る。
その瞬間。
隣を歩いていた二人が足を止まる。
💛 「帰りたくないの?」
❤️ 「っ……」
🖤 「そっか。それは嬉しいな」
二人は穏やかに微笑んだ。
その表情には、先程までとは少し違う喜びが滲んでいた。
💛 「じゃあ、まだ帰らないでいよっか」
❤️ 「……!」
🖤 「うん。そうしよう」
そう言って、三人はまた歩き始める。
その時。
さっきまで緩やかだった人混みが、
いきなり荒らさを増す。
全員、同じ方向へと素早く移動していく。
❤️ 「へ……なにっ?」
💛 「もうちょっとで花火が始まるんだ」
🖤 「俺達は遠くから見ようか」
どうやら全員が、花火を見る為に一箇所に固まろうとしているらしい。
さっきまで大量にいた化け物たちがいなくなり、すっきり静かになった。
❤️ 「……ん?」
その時。
一つの屋台が宮舘の目に止まった。
屋台?っていうかテントみたいだ。
入口の看板に『願いが叶う屋台』とだけ書いてあった。
❤️ 「……願いが叶う…?」
小さい声でその文字を読み上げる。
そして、気づけば吸い寄せられるような足取りでテントに近づく。
そして───。
❤️ 「…」
宮舘は何も言わずに、テントの中へ。
🖤 「え、ちょっと待って!」
💛 「は…?いつの間に…!?」
それに気づいた二人は慌ててテントに入ろうとした。
でも、その瞬間。
「願いが叶う屋台」と書いてあった看板の文字が変わる。
『1名様のみ』と文字が変更された。
二人は中に入れない。
🖤「嘘だろ……」
💛「てか、まだあったのかよこの屋台…」
🖤「ねぇ、かなりヤバくない??」
💛「確かに……でも待つしか……」
珍しく焦る二人。
岩本はテントを睨みつける。
嫌な予感がした。
けれど、どうすることも出来ない。
今は大人しく待つことしか───。
◇◆◇◆◇
テントの中に入った宮舘は、静かに辺りを見渡していた。
❤️ (……なんだここ…)
かなり狭い空間。
そこには、一人の店主が座っていた。
でも、真っ白のお面を付けていて表情は全く見えない。
そんな店主の前には木製のテーブル。
❤️ 「あの……」
喋りかけたその時。
テーブルの上に置いてある1枚の白紙に、
言葉が浮かび上がってきた。
───願い事は何?
❤️ 「……え?」
宮舘は思わず目を見開く。
願い事。
その文字を見て、宮舘はハッとする。
ずっと忘れていた目的を思い出す。
……人間界に戻りたいこと。
宮舘は小さく息を吸った。
そして、意を決して口を開いた。
❤️ 「俺は……」
❤️ 「人間の世界に、帰りたい」
その瞬間。
一文字、また一文字と。
紙に新しい文字が追加される。
宮舘はその様子を凝視する。
───それは無理だよ。
❤️ 「えっ、、」
宮舘の表情が固まる。
❤️ 「……なんで?」
震える声で尋ねる。
再び新しい言葉が追加されていく。
最後まで書き終えたその文字を見て、
宮舘は大きく目を見開いた。
───君もうここで”契約”を結んでるから。
❤️ 「え……けいやく…?」
”契約”。
その言葉だけをゆっくり繰り返す。
来たこともないこの屋台で、
自分がどんな契約をしたのか。
一体誰と契約をしたのか。
全く理解できないでいる。
❤️ 「誰と……?」
恐る恐る、控えめな声で尋ねる。
声にした瞬間。
自分の喉がひどく乾いてることに気づく。
……怖い。
次に返される返事に怯えているんだ。
そんな事を考えている間に、
いつの間にか文字は完成していた。
逸らしていた視線を紙に落とす。
────”二人の吸血鬼”と。
書かれていた言葉を見て、
宮舘は言葉を失った。
二人の吸血鬼。
一番最初に頭に浮かんだのは───
紛れもなく、目黒と岩本だった。
❤️ 「うそ……そんなの知らない…」
宮舘は信じ難い事実に絶句した。
───知らなくて当たり前だよ。
❤️ 「どういう意味…、?」
頭が追いつかない宮舘とは違って、
文字たちは淡々と刻まれていく。
───君がこの世界に迷い込むより前に
───二人はここで願い事をしたから。
❤️ 「願い事……」
宮舘の指先に力が入る。
心臓が嫌なくらい音を立てて、
気づけば───
❤️ 「二人は……なんて願ったの?」
そう尋ねていた。
紙にまた文字が浮かび上がってくる。
───『永遠に人間の血を得て生きたい』。
その瞬間。
宮舘の中で何かが崩れた気がする。
バクバクと破裂しそうな心臓が、
余計に宮舘の焦りを煽る。
❤️ 「…その願いを叶える為に、」
❤️ 「俺が選ばれたってこと……?」
───そうだよ。
頭が真っ白になる。
❤️ 「じゃあ…俺はもう……」
❤️ 「帰れないってこと…?」
震える声がテントに響いた。
その先を知るのが怖い。
そう思いながらも、
宮舘の疑問は止まらなかった。
───そんなことないよ。
❤️ 「え…?」
───契約はまだ完璧に完成してないから。
❤️ 「完成、…?」
───完成する前なら、まだ帰れる。
❤️ 「……!!」
その言葉で、宮舘は少し救われる。
思わず紙に顔を近づけ、声が大きくなる。
❤️ 「どうすれば完成しないの……!?」
自分でも驚く程に、必死な声だった。
「帰れる」その一言だけが、
宮舘の唯一の味方のように思えた。
このチャンスを逃す訳にはいかない。
───あの二人を受け入れないこと。
───そして求めないこと。
❤️ 「…受け入れない……求めない…」
宮舘はその言葉をなぞるように、繰り返し口に出した。
その瞬間。
宮舘は今までの自分を思い返す。
二人に血を吸わせたり。
二人の小競り合いに微笑んだり。
目黒に差し出された手を握ったり。
「帰りたくない」と言ってしまったり。
全部あの二人を信頼してたから。
でもそれは二人にとっては、
”契約”を完成させる為に───
意図して作られた偽善と愛情。
急に胸の奥が冷たくなる。
❤️ 「…俺、騙されて……」
そう気づいた瞬間。
店主が持ってた砂時計を机に置いた。
残りの一粒が、下に落ちて砂山の一部になった。
すると───
『さよなら』
❤️ 「え…っ?」
紙に残された最後の言葉。
宮舘はまだ聞きたいことがいっぱいあったのにも関わらず、
───気づけば強制的にテントの外にいた。
宮舘は呆然とその場に立ち尽くす。
すると。
宮舘の背中に二つの影が落ちる。
気配に気づいて振り向く。
そこには───
💛 「……見つけた」
🖤 「勝手にどっか行かないで」
岩本と目黒が立っていた。
でも、どこか雰囲気が近寄り難い。
怒ってるような、呆れてるような───
💛 「中でなにを聞かれたの?」
❤️ 「…え?」
🖤 「願い事、叶ったの?」
❤️ 「……っ」
宮舘は咄嗟に一歩後ずさる。
その瞬間。
二人は追い詰めるように距離を詰める。
🖤 「早く答えて」
❤️ 「あ…、えっと……っ」
話してしまっていいのだろうか。
迷ってる間にも、二人の圧は増していく。
宮舘の中の選択肢が無くなっていく。
そして、宮舘は咄嗟に口を開いた。
❤️ 「……契約のこと…」
そう口にした瞬間。
空気が変わった。
二人の表情が一気に暗くなる。
絶対に知られたくなかった秘密が、
宮舘に知られてしまった。
💛 「はぁ…だから来たくなかったんだよ」
🖤 「君のせいで、全部が台無し。」
💛 「……もう帰ろ」
岩本がポツリと言葉を零す。
すると。
目の前が突然真っ暗になって、
いつの間にか───
宮舘は意識を失っていた。
◇◆◇◆◇
❤️ 「ん……っ?」
目を覚ます。
見慣れた天井。
背中には柔らかいベッド。
───目の前には二人が。
💛 「あ、起きた?」
❤️ 「……ここは、」
🖤 「いつもの屋敷だよ。」
本当に帰ってきたんだ。
でもいつの間に……。
そう考えながら、身体を起こそうとした。
❤️ 「……っあれ、?」
その時、ふと違和感を覚える。
身体が──妙に熱い。
何故か息も上がる。
頭がくらくらして、視点がボヤける。
💛 「どうしたの?」
❤️ 「……っなんか、あつい…」
🖤 「そっか。可哀想」
❤️ 「な、っなんで……」
必死に深呼吸をするが、中々呼吸が整わない。
それどころか───
熱は段々と身体全体を巡っていく。
💛 「何も知らなかったら良かったのにね」
🖤 「自業自得だよ」
二人の声を合図に、
宮舘の身体は再びベッドに沈められた───。
つづく。
✧———✧ ——— ✧ ———✧———✧ ——— ✧
⚠︎︎9話、🔞シーンあり⚠︎︎
遅くなってしまい申し訳ございません💦
大体はかなり前の方に完成してたんですけど、細かいとこ弄ってたらすごい時間かかってしまいました🙏💦
コメント
5件
いい雰囲気になってきただけにその関係が壊れてしまうのかと思うと切ないです(´;ω;`) hotaru様の作品、目が離せません! 次回とうとう🔞!? ドキドキしながら待ってますね💕!!
もぉ〜大好きです!次❤️はどうなるのか気になります💕
うわぁ…第8話、めっちゃ心臓にきたよ🥀 最初は射的とか屋台巡りでほのぼのしてて、宮舘くんが二人のことを怖くなくなったの、すごくいいなって思ってたのに…「願いが叶う屋台」であの真実、衝撃すぎた。二人の優しさが"契約"のためだったって知った時の宮舘くんのショック、こっちにも伝わってきた。最後の「自業自得だよ」、その言葉が冷たくて怖かった…。 9話、どうなっちゃうんだろう。続きすごく気になる😭