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𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡
グリム童話に憧れた
可哀想な主人公
とある童話の世界にて
恋焦がれた赤い頭巾
偽善者ごっこと称しては
恋に石を詰めていた
生き詰まった狼を
愛しい目で見ながら
とある噂を耳に吸い
黒い妬みを渦巻いて
(誰も知らない) 誰も知らない
(誰も知らない) 誰も知らない
グリム童話に憧れて
遠く夢見た赤い頭巾
瞳の黒は何？
ねぇ私の可愛い赤ずきん
これを1つ聞かせてよ
どうして貴方は
度々 花畑へ向かう？
言えない言えるはずなど無い
私は無所有の
恋に溺れた赤い頭巾
とあるグリム童話の噂を
耳に入れた赤い頭巾
心の黒い感情に
治療法なんて 無い
｢あはは｣
(誰も知らない) 誰も知らない
(誰も知らない) 誰も知らない
花畑に足を入れ
そこに見える1つの影
｢貴方はだぁれ？｣
とある怪異の力にて
間違えて受け取った狼が
まるで獣人にでもなって
石詰め少女を探してる
(誰も知らない) 誰も知らない
(誰も知らない) 誰も知らない
はずの花畑に立ち寄って
とある声を聞き向く
｢貴方はだぁれ？｣
なぁ恋に溺れた赤い頭巾
お前に1つ聞かせてくれ
何しろお前は
恋に石を詰めたと言うのか
えぇそうだとも恋色の狼よ
貴方のためにここに来たのだ
だから1つばかり聞いてくれ
一緒に、朽ちてよ
とある花畑にて
口が汚れた狼が
紅く染まった頭巾を抱え
その姿を見て皆
こう言った、という
ば〜い
