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【 1話 】


※烏潔。4ネタですー!!!!ヤッタネ!!!!

※歌パロ~!醜い形恐怖症の人の「夏の悪夢」のパロディです!!最高ですよねあの人!!昨日知ったけど!!!今回はかなーり短いです!!!

※烏くん視点。かなりシリアス気味。潔くん…潔…ってなっるやつ









あの日、あの時。

お前は、お前は俺をかばって死んだんだよな。

せや、丁度、あの暑い暑い____日本の夏で。

俺が、どんだけ悔やんだかわかるか?

____まだ、お前の悪夢が、夢に出てくるんや。









その日は、久々のオフシーズンやった。

いつも青い監獄内で閉じ込められている俺らの、唯一外に出られる手段やった。

遊べる奴らは揃いも揃って集まって、遊んどった。…まぁ、そん時俺も暇やったから行ったんや。

内心ツッコミで忙しかったけれど、まぁまぁ…楽しかった。


凡……否、潔世一が居たからかもしれないが。


潔は、絵心にも気に入られとる抜粋のエゴイストやった。フィールド上とフィールド外のギャップにやられた野郎共は沢山居った。勿論、俺も惹かれてしまったんや。今でも、それを認めたくないという気持ちが俺の中にはある。



「…?烏?もう皆行っちまったぞ?」



アホ毛を揺らしながら、蒼い瞳で俺を見つめる凡。その瞳に、自分が虜になっているだなんて…と考えたら、なんだか肝が冷えてきた。これもこれも全部、この凡のせいや。


今さっきまで、カラオケに居た所だ。音痴な奴らの歌は、耳が悲鳴をあげる程やった位酷かった。

次は飯でも食いに行こうと、野郎共は先に行っていた。近くの焼き肉屋に、ゾロゾロと入っていくのが見える。



「…わ、わかっとるわ。さっさと行くで」



ボーッ…としていたところを凡に見られていたと思うと、ちょっとなんだか恥ずかしくて。

俺は凡の隣に早く行こうと思い、自慢じゃないが、少し速い自分の脚を地面へと蹴った。



______その時だった。



車がこっちへと突っ込んでくるのが見える。

でも俺の脳は、走るのをやめてはくれなかった。

段々と車が近くなってくる。



(もう、だめや)



そう本気で考えた。なんなら、走馬灯も見え隠れしていた。

思わず目を瞑る。…だが、何秒も待っても、痛みは走ってこなかった。


パチ。


恐る恐る、目を開けた。

そこには、血の海が広がっていた。自分の足にまで、その血がこびりついていた。


理解不能やった。よくわからんかった。どうして自分が跳ねられとらんのか。

数秒後、やっと周囲の人達が集まってきて状況がわかった。



(凡が、俺の代わりに…?)



庇う必要性も無かったはずやった。凡、なんて俺は潔のことを酷い言葉で罵倒しているのに。




「な、んで」



そんな、己の哀れな声が聞こえる。ガタッ、と座り込んでしまった。血が頭や腹やらから流れ出ている潔の姿。目を瞑りたくなった。





「_____か、ら……す」


「潔ッッ…な、んで…なんで俺を庇ったんや…喋らんでええッ!!救急車が来るからッ…お前なんかにッ、お前なんかに借りなんか作りたくないんやッ!!」


「う……るせぇ…なぁ。も、うじき…俺は死ぬんだ…最期の言葉…くらい…言わせろや…」


「だめや!!!だめや!!!お前はまだ死なせんッ!!」


「さ、くらん…してんなぁ……。な、あ。烏。

…おれは、エゴイストに……なれたかな?」




ポロポロと次第に俺の眼から、涙が出てくる。

横たわっている潔にもその雫が溢れ、つめてっ…と声が聞こえた。もう、黙って寝てほしかった。最期なんて、言ってほしくなかった。涙を拭い、なれたんちゃうか。と素っ気なく返してしまった。

そんな通常通りの俺に安心したように笑うと、なあ。ともう一度俺に話しかけた。





「_____好きだ、烏。俺が…し、んでも、俺がお前を喰、ってやる。だから……おれを、忘れる…な」


「じゃあ…な、烏」





呆気にとられている間に、潔は眼を静かに閉じた。眼には、もう生は宿っていなかった。


涙と共に、自分の汗も額に伝う。



…これだから、夏は嫌いだ。











今日は、潔の死んだ日。

墓参りってやつを、俺は今しとる。


あのあと、潔は死んだ。蜂楽や乙夜は”お前のせいじゃない”と言ってくれたが、俺を恨んだ発言をした奴もおった。

当たり前やな。と、俺は思った。俺のせいで、俺のせいでこのエゴイストは死んでしまったのだから。

実際だったら、墓参りなんて物、潔の両親がさせてくれへんやろう。やけど、潔の両親がそれを許してくれた。というか、フォローしてくれた。



“あの子は優しい子だから、きっと貴方も許してくれる。墓参り、行っておいで?きっとよっちゃんも、喜んでくれる筈よ”



その言葉を聞いたとき、思わず涙が出たのを、今でも鮮明に覚えとる。泣きながら関西に戻ったんやっけ。

ふわ~…と、力強い風が吹く。綺麗に”潔世一”と石に彫られた文字を見つめて、俺はしゃがんだ。お供え物を優しく置いた。お供え物はサッカーボール。俺のをやる訳には行かへんやったから、青い監獄のボールやけど。

俺は目を少し閉じた後、数秒立つと目を開け、口を開いた。




「なあ、凡。死んでも、俺がお前を喰ってやるって言っとったよな?ちゃーんと喰われとったな、俺。やって…お前が死んでからは……」

「お前の死んだ時の悪夢が、ずっと夢に出てくるんやからな」


「嫌でも、忘れられへんわ…ッ」





視界が歪んだ。涙で、きっと俺の顔はぐちゃぐちゃやろう。


もう一生、こいつに喰われなあかんねん。でも、それでええ。

お前のこと、ずっと覚えてられるから。



そう独り言のように呟くと、

ナイフを握って、自ら刺した。


















「あ、烏!」


「……ぼ、ん?」


「そうそう、俺俺。俺、ずっと待ってたんだぜ?でもまぁ、来るの早くてちょっと嬉しいわ」


「嬉がんなや凡。…でもまぁ、もう離れんでや」


「…!おう、もう離れない。

お前を一生、喰い尽くしてやるから」


「それでええ。それでええんや。…そしたら、俺もお前を喰ったる。噛みついて噛みついて、引きちぎってやるわ」


「…はっ、喜んで。ダーリン様?」









「ニュースです。◯◯墓地にて、一人の男性の死体が発見されました。心臓の部分にナイフが刺さっていたとして、警察は自殺未遂を目処に調査を進めています。」

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コメント

6

ユーザー

待って、なんか目から滝が、、

ユーザー

烏潔見たかったので嬉しいです!ストーリー神すぎる…

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