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今日は会議があったはず。
「あ、おはようございます。日本さん。」
「おはようございます、イギリスさん。」
この方が元・陸だと考えると今も違和感がすごい。
「英語は多少は上達しましたか?」
「ええっと…」
ここだけは似ているが。
「そこはきょう来る自衛隊さんの方でなんとかなるので。」
「!か、いえ自衛隊さんも来るんですか。」
そうか、あの子も来るのか。昔も通訳代わりによく一緒に行動していたな。意見はかなり対立していたが。
「それじゃあ会議始めるわよ。」
娘の言葉を皮切りにし、それぞれが思いのまま意見を出し合い始めた。
「だからここは_で_」
「はぁ!?〇〇で_に決まってるだろ!」
「いえ_で〇〇ですヨ。」
おっと、そろそろあの三人の収拾がつかなくなってきた。
「それならここは_で〇〇、こっちは_で_にすればいいんじゃないでしょうか。」
あ、海が仲裁に入った、さあどうなる?
「お、さすがSelf defence force、うまいじゃん!」
「まあこれならいいですネ。」
「…まあいいか。」
Nice!さすが私の一番弟子!
「それではこの案で皆さんよろしいでしょうか?」
「ええ/ああ/もちろん!」
「よし!会議終了ね!」
「か、自衛隊さん、お昼一緒にいかがです?」
「いいんですか?ぜひ。どこがいいですか?」
「では、この美味しそうなカレー屋で。」
「んん〜!カツカレーが美味しいです!」
「それは良かったです。イギリスさん、カツカレー好きなんですね。ちょっと意外です。」
「まあ、そうですね。最近流行っているので。」
海の前だから、できる限り思い出してほしくてという気持ちもあるけど。
「あ、僕が払います。」
「申し訳ないですよ。割り勘でいいでしょう?」
「レディに払わせるわけにはいかないので。」
「そうですか…」
ああ、だから嫌なんだ。また思い出してしまう。こういうさりげない仕草で「海」と言いかけてしまうこっちの気にもなってくれ。
いっそ私もあなたと同じように記憶を消させてくれ。そうしたら苦しまずに済むから。
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