テラーノベル
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「はっ、っ…いきそ……」
俺の言葉だけが宙に浮いて、誰に拾い上げられることもなく散っていく。
「ちょ、止まっ…て…ッ!!」
身体の芯から沸き上がる快感に震え、耐えきれず欲を吐き出す。俺の飛沫は外に飛び散る事なく、全てが目の前の阿部ちゃんの口の中に放たれていった。
「あべちゃん…出せ」
こんなもの飲ませるわけにいかない、そう思ったのに。
小さい唇は窄んだまま俺を離さないどころか、まだ舌先を俺の先端でチロチロ動かし最後の一滴まで出し切らせようとしている。
小さいのに柔らかい唇に、決してデカくはないけどお粗末でもない…と思う俺のものを根元まで咥え込んだ阿部ちゃんはどうしようもなくエロくて、冷静な思考は浮かぶ前にどんどん消えていく。
はぁはぁと荒い呼吸を整えていると、阿部ちゃんの唇がゆっくり俺を引き抜いていく。先端を名残惜しそうに一度吸って、既に全部飲み込んで空っぽになった口を開いた。
「たくさん出た」
「そういう事言うな」
あれは、まだ俺らが怖い先輩との呼び声高かった頃。
俺と阿部ちゃんはグループで一番怖い人と一番優しい人、と言われ、クラスにいても関わり合いにならないであろう2人。こうしてグループを組んでいてもあまり積極的には近づかない存在だった。それなのに、今日はたまたま2人撮影で残ってしまい、話題もなく気まずい中必死に絞り出した会話は『阿部ちゃんてさ、エッチした事あんの』というどうしようもない下ネタだった。
阿部ちゃんは目を丸くした。当たり前の反応だ。
「や、やっぱ今のナシ。忘れて…」
「翔太はあるの?」
「え?そりゃまぁ…」
まさかの話題に乗ってきて、生々しい話をしているせいでお互いその気になってしまい、誰もいないしちょっとしてみる…?みたいな流れになった。
憧れの先輩たちの間でもそういう事があるって噂だけは聞いていた。
何となくこれで先輩に近づけるような錯覚の中、勝手に何も知らないと思っていた阿部ちゃんにがっつりキスされて俺の思考は手放されることになる。
「ん…ぅ、あ」
阿部ちゃんの唇は柔らかくて、優しく俺を包む。こんなに気持ちいいキスした事ない、と思った瞬間に一気に下半身に熱が集まる感覚がした。
そこも阿部ちゃんの細い指で撫でられて、俺が話題振ったのにやられてる、でもめちゃくちゃ気持ちいい…ともう頭の中はぐちゃぐちゃで、その手に自分のものを押し付けるように勝手に腰が動いた。
「はぁ、阿部ちゃ…っ」
「翔太苦しそう、脱がすよ?」
「あ、待っ……」
あれよあれよとギンギンになった俺のを見られ、躊躇いなく口をつけた阿部ちゃん。
そして今の状況に至る、というわけだ。
呼吸も整い、身体も冷めてやっと我に返る。
ノリでやってしまったけど、みんなに知られたら2人して何を言われるか、下手したら何をされるかわからない。
気持ちよかったくせにと自分でも思いながら『今のこと、誰にも言うなよ』と上から目線で釘を差した。
「いいよ。翔太と2人だけの秘密、できちゃったね?」
対して阿部ちゃんが放ったその一言は妙に艶めかしくて、俺は思わずそっちを見る。
首を傾げて横目で俺を見る阿部ちゃんは、俺の驚いた表情を読み取ると口角だけあげて微笑んだ。
あぁ、ここで終わりじゃなかった。俺たちの秘密の関係が、今から始まったんだ。
その微笑みに実感させられ、『またしようね?』と耳元で囁かれ、ただ頷くしかできなかった。
終
コメント
14件
なんかね、これも💚💙じゃなくて💙💚に読める。 私、どうしちゃったんだろう、スランプ?😇😇
🖤💚に戻ってほしい!と言いたいところだけどみちるさんが書くのならなんでも好きなのでもうなんでもいい😂😂 みちるさん最初💚💙無理かもみたいなこと最初言ってなかったっけ?克服しちゃってんじゃんって最近思ってるし笑 でも🖤💚も欲してるっていう笑私めんどくさいな😂