TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「私、お店では悠人さんとあまり話してません。悠人さんの邪魔になるようなことはしてないつもりです」



「まあそれならいいんだけど。悠人さんの紹介だからって、あんまり調子に乗らないようにね」



梨花さん、酔ってる?

なんだかすごく心が痛い。

周りはみんな楽しそうなのに、やっぱり来なければ良かったかな……



ううん、悠人に心配はかけられない。

無理にでも笑わなきゃ。

こんなことで一喜一憂してたら、成長なんてできないってわかってるけど、本当に、私ってダメだな……



仕事に関しては、悠人のおかげでやる気が出て良かったけど、恋愛と人間関係はまだまだ全然だ。

どうして、私はこんな性格なんだろ。

自分を呪いたくなる。



ようやく歓迎会が終わり、みんなそれぞれに帰っていった。



「穂乃果さん!」



「輝くん!?   どうしたの?」



お店を出て、駅に1人で向かっていたら、輝くんが追いかけてきた。



「どうしたの?   みんなとタクシーに乗ったんじゃないの?」



「乗りませんでした。穂乃果さんが心配で」



少し息が切れている。

その真剣な眼差しに思わずドキッとした。



「だ、大丈夫だよ。駅まですぐだから」



悠人は1度店に戻ると言って、さっきタクシーで向かった。

私は、何だか1人で歩きたくて……



「大丈夫じゃないですよ!   誰かに声掛けられたら危ないです!」



「大丈夫だよ。そんな心配、必要ないから。誰も私なんかに声掛ける人いないよ」



ニコニコしながら言ってみたけど、なぜか輝くんは笑わない。

ずっと黙ったまま、下を向いてる。



「と、とにかく、僕も駅まで行きます」



「……あ、う、うん」



私達は、輝くんの言うままに駅まで歩いた。

2人きりで……



いつもは元気な輝くんだけど、今はあまり話さない。心配になるけど、どう声をかけたらいいのかわからない。年上なのに、気の利いた言葉ひとつ浮かばないなんて……本当に情けない。



駅に着いてからも、改札まで一緒に来てくれた。



「ごめんね。ここまで着いてきてくれてありがとう。また明日ね」



「いえ、すみません。明日、また」



輝くんはニコっと笑って、手を振ってくれた。



良かった……

私なんかが心配しなくても大丈夫だよね、輝くんなら……

きっと周りの人達が、彼を元気にしてくれるはずだから。



私は、ホームに入ってきた電車に乗った。

明日からまた……頑張ろう。



悠人のマンションに着いた頃には、夜中を回っていた。しばらくして悠人も帰ってきた。



「悪かったな。一緒に帰れなくて」



「ううん、全然大丈夫だよ。一応、私も大人だし。悠人は仕事だったんだから、仕方ないよ」



「まあ、確かに大人だけどな。でも、俺、お前のこと……すごく心配した」

始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚