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💛side
💛「………ん…っ……ぅ、?」(起)
あれ…俺は今までなにをしていたんだろう。
学校から帰って少しした辺りからの記憶がすっぽりと無くなっている。
目を開くとそこは真っ暗でどこか分からない。
💛(……早く……逃げなきゃ……)
何故か分からないが、本能がそう言った。
重たい足を何とか動かして、この空間から逃げ出した。
逃げているうちに、おそらくここはどこかの家だということに気付いた。
部屋を出たら急いで廊下を走り、階段をゆっくり降り、玄関に辿り着いた。
あれ、自分の家でも無いのに、なんでこんなにこの家の事を知っているんだろう。
まぁいいか。今はそんな事考えてる暇はないし…
玄関の扉にはもちろん鍵がかかっていた。
💛(これも、開かないっ………)
複数回パターンを探っても、扉が開くことは無かった。
焦燥感が脳を支配し、際限なく汗が出てくる。
そして、半ば強引に扉を揺らしていた時、
💛(あ、開いたっ………)
俺は開いた扉から、直ぐに外へ出た。
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あれから必死に逃げて、5分ほど走り続けた。
確かに知っている道も、今は全て見覚えのある程度の道へと変わっていた。
💛(ぅ゙…いたぁっ…………) …チャリッ、(落)
不安になりながら走っていたら、つい転んでしまった。
まだ少し暗いからだろうか。それとも他の理由だろうか。
時間は見てないが、太陽の頭だけがこちらを覗いている。
おそらく午前4時〜5時あたりだろう。
転んだ反動で何か起こった気がしたが、今は逃げる方が優先だ。
疲れきった体を更に使って、また遠くを目指した。
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️🩵side
🩵(うーん…………)
今までずっと布団に入って、ぐっすりと寝ていた。
だが、ここ1時間はずっと寝たり起きたりを繰り返している。
外は明るくなりかけで起きるにはまだ少し早かった。
🩵(暇だし、みこちゃんの様子でも見よっかな。)
普段は中々起き上がらない体も、今日はなんだか軽い気がした。
けれど、そんな事を思っていられるのも一瞬だった。
🩵「………は、?」
さすがに目を疑った。
ベットを見ても、周りを見ても、そこにみこちゃんの姿はなかった。
部屋を見渡してみると、中途半端に開いたドアが目に入った。
🩵(もしかして、逃げた……?)
変な汗が体中を巡る。
🩵(とりあえず、探さなきゃ…!!)
一目散に部屋を出た。
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🩵「はぁッ……ここにもいないっ……」
あれから家の中の全ての部屋を確認した。
トイレも、お風呂場も、ベランダも、クローゼットやタンスの中も全て探したが、彼が姿を現すことは無かった。
🩵(てことは……外……?)
上着を羽織る余裕もなく、外へと駆け出した。
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🩵(玄関を出たはいいけど……)
外となると、探す範囲があまりにも広すぎる。
🩵(こういう時は能力使わなきゃ……)
そういえば玄関の扉の鍵がかかっていない事に気が付いた。
普段はしっかりと戸締りを徹底しているから、彼が家を出たのは確実だろう。
そんな雑念が混じりながら考えて出てきた場所は、家から1キロほど離れた道だった。
🩵「遠いけど頑張るか……」
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💛side
あれからただひたすらに歩き続けていたが、とうとう体の限界がきてしまった。
体力は尽き、何故かマイナスな思考ばかりになってしまい、恐怖と不安が積もり積もってく。
太陽はもう全ての姿を現し、世間では朝を迎えていた。
今日が平日ということもあり、だんだんと車の通りも多くなってきた。
💛(今日は学校やめよう……)
(でも学校行かなかったら何か言われるんかな…っ、)
(きっと休んでる俺をみんな冷たい目で見るんや……)
(もう何もかも信じられないっ………)
(そんなのだったら、死んだ方がマシ……かな、)
何もかもがネガティブになる一方で、少し歩いたところに公園があるのが見えた。
💛(あそこまでは……ッ……)
(あそこだったら……誰もいない、はずッ……)
無事に公園までたどり着くと、少し錆び付いたブランコに手をかけた。
そこに座って一息つくと、どっと疲れが襲いかかった。
考える間もなく、俺はそのまま瞼を閉じた。
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🩵side
しばらく走り続けて、息を切らしながら着いた場所は、さっき脳裏に映し出されたあの道だ。
だがもちろん彼の姿はなかった。
🩵「あっ……こ、れッ……」
道端に落ちていたのは、お揃いで付けていたColor。
ここで落としてからどっかに行ってしまったのだろうか。
それよりも、Colorを外したSubは精神不安定に陥ってしまう。
またも嫌な汗が流れ出す。
体も悲鳴をあげていたが、それらも無視して走り出す。
🩵(変なこと……してないよねッ……?)
確か少し進んだところには学校終わりによく小学生が溜まる公園がある。
その他にも、平日の日中にも関わらず絶えず人が出入りする、大型ショッピングモール。
本格的ではないが、それなりには楽しめる小型の遊園地など、ここの近くは住宅街から外れている分、自由に出入りできる所がたくさんある。
全て探すとさすがに日が暮れてしまう。
いくつかピックアップして探すしかない。
🩵(まずは……1番行ってそうなところ……)
(近さも踏まえたら割と広い空き地かな……)
そうと決まればすぐさま歩を進めた。
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡2000
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