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in空き地


🩵「みこちゃーーんっ!!!」(叫)

「みこちゃ〜んっ………」


どうやらここにはいないようだ。

空き地だから物も少なく、判断がしやすい。


🩵(次に行きそうなのは…公園……?)


今度は息を整えるようにゆっくりと歩いた。




______________________________




in公園


公園が視界全体に映った時、ふと人影が見えた。

あれは、ブランコに座ってウトウトしている金髪の男性の姿。


🩵「……みこちゃんッ!!!!!」


彼だとわかった瞬間に全力でそこへと駆け寄った。


🩵「みこちゃんっ!!大丈夫ッ?!」


寝ている彼をお構い無しに激しく揺さぶる。

振動で起きた彼は、震えた声で言った。


💛「……だ、、だれっ……」(震)

「やだっ…やめてっ…………おれっ、やめるからぁっ…」(泣)

「近ずかないでっ…………嫌いならっ、しぬ…からっ……」(泣)


訳の分からない言葉を言いながら、こさめを拒否する。


🩵「みこちゃん、!こさめだよ!!こさめ!!」

「誰もみこちゃんの事嫌ったりしてないッ!!」

「ッあ、そうだ……これっ……」


みこちゃんの腕を力強く掴んで、強制的にブレスレットを付けさせた。

するとみこちゃんの反応は次第に変わっていった。


💛「…ぇ、、ぁ………」(涙)


体の震えはやがて止まり、不気味な言葉を紡いでいた口は可愛い声を発するのみとなった。

今度は落ち着いて、ゆっくり彼に尋ねた。


🩵「みこちゃん……こさめだよ…」

「覚えてる……?」


💛「……こさめっ……ちゃっ…………?」

「……おぼえ、、て…る……っ」


🩵「っ、みこちゃぁッ!!」(泣)


💛「…ぅ、あっ……」


つい感情的になって、勢いよく彼に抱きついてしまった。

嬉し涙でぐちゃぐちゃになった顔を見られないように彼の体に顔を埋める。


💛「こ……さめっ、ちゃっ………」

「……あついっ……ぅ」


🩵「っ、ごめんっ……w」


服の袖で涙をゴシゴシと擦って、何事もなかったかのように接した。


🩵(ん……?)


なんだか、みこちゃんと話していても、目の焦点がどうしても合わない。

まるで何かに依存している時のような、ぐるぐるマークが瞳の中に映し出されていた。


🩵「みこちゃんっ!大丈夫?!」


💛「…ん、ぅ……から、だ…あつっ……ょ…」


最後の言葉を言い切った後に、彼はこさめの方に倒れ込んできた。


🩵「…みこちゃんっ!!」


彼の額に手を当てると、普段看病なんかしない人でも分かるぐらいに熱かった。

あいにく焦って家を飛び出したものだから、スマホを家に置き忘れてしまった。


🩵(こさめが運ばなきゃっ……)


どっちにしろ今頃は両親も仕事へ向かっていて、家には誰もいないはずだ。

正直、今にでも足が折れそうなぐらいだが、みこちゃんを運ぶため…と自分を奮い立たせて意地で家へと向かった。




______________________________





in帰路


🩵「はぁッ……はぁッ………」

「もぉ無理ぃっ…………」(歩)


1人嘆きつつも足は重たそうに動く。

みこちゃんは呼吸を乱しながら眠っている。

あともう少しで家に着くという所で、あることに気付いてしまった。


🩵(こさ、家の鍵持ってないや………)


小さい頃からどんなお出かけでも鍵は持っていき、鍵はかけて出かけるという習慣があった。

普段なら両親はもう既に仕事に取り掛かっている辺りだろうか。

いやでも、朝起きて自分の子供がいないなら、少しは心配するはず……


🩵(まだ足は動く…………)

(行くだけ行ってみよう……)


予想外にも足は意外と動くもので、まだ踏ん張れそうだ。

なるべく大股を意識して、あと少しの帰路を急いだ。



______________________________



みこちゃんを支えながら玄関のドアを引く。

ガチャッ………という音が鳴るだけで、扉が開くことは無かった。


🩵(うわ〜終わった………)


みこちゃんを看病できる場所なんて他には無い。

でも、あそこならわんちゃん……?

あまり寄りたくは無い場所だが仕方ない。

これからまだ歩くと考えると、拷問を受けている気分になる。

ここからはまぁまぁ遠いが、さっきの公園ほどでは無い。


🩵(頑張れ…こさめ……)

(みこちゃんを救えるのはこさめしかいないっ……)


まるで自分に暗示でもかけるかのように言い聞かせた。

果たしてこの距離をまた歩いて行けるだろうか。

かなり不安になるが、持ち前の隠れ不屈の精神で目的地に意地でも行ってやる。








______________________________





🩵「あ゙〜…やっと着いた……」


問題はまだ中に人がいるかどうかだ。


🩵(お願いっ……誰でもいいからいてっ……)


全身全霊で祈りを捧げながら、インターホンを押す。




?< はーい?


🩵「!!!!」

「……らんくんっ!!開けてっ、!!今すぐっ!」


🩷< っえ?あ、はい…





🩷「どうしたの急に…って、」


🩵「ごめんっ、失礼なのは分かってるけど…家入れてっ、?」


🩷「う、うん。全然いいよっ…?」


🩵「ありがとうっ…」

「あとちょっと後ろの子あげる……」

「こさめ死にそうっ……」


🩷「わかった…!」

「って、熱っっつ?!」

「どうしたのこの子?!」

「呼吸も乱れてるし………」


🩵「事情は後で話すからっ……」

「今はその子を助けてあげたくてっ……」


🩷「お、おけ…」

「とりあえずこの子は俺が運んでくから、こさめはゆっくりリビング来な?」

「位置わかるよね?」


🩵「うん、知ってる……」

「…ありがとうっ、」


🩷「困った時はお互い様よ!!」

「じゃあ俺先に行ってるからね!」


そう言って足早にこの場を去っていった。

2人の姿が見えなくなった時、安堵のため息が漏れた。

床に座って、少し横たう。

一刻も早く足を楽にしたかった。

横になったせいか、安心感に包まれて、つい目をつぶってしまった。

今つぶったら、絶対寝てしまうって分かっていたのに。






______________________________






🩷side


突如なんの連絡もなくやってきたこさめ。

そしてこさめに抱えられてきたこの黄色の子。

明らかに顔を赤らめて、息も整っていない。

そんな子をこさめから引き渡された。


🩷「…大丈夫っ、?」

「今寝かせてあげるからね…っ」


💛「ふぅッ……はぁッ……ん、っ……ッ」(苦)


正直、まだ状況がしっかり掴めていない。

この状況で掴めと言われる方が難しいと思うけど。

とりあえずこの子はリビングにあるソファーに寝かせよう。


______________________________


inリビング


扉を勢いよく開けて、ソファーへと歩を進める。

正直、男子高校生を抱えて運ぶのは、しっかりした成人男性でも辛かった。


💜「らん?どうしt……」

「え………誰?」


同居人でもあり、恋人でもあるいるまに声を掛けられる。


🩷「俺もわかんないけど、とりあえず緊急事態!」

「この子熱あって、助けて欲しいってこさめが……」


💜「はぁ…?意味わかんねぇ……」

「とりあえず、何すればいの。」


こんな状況でも迷わず手を差し伸べてくれるいるまに少し感心する。


🩷「えっと、じゃあ体温計持ってきてくんない?」

「あとは……冷えピタとか、氷枕とか…?」


💜「ん、わかった。」


そう言ってそそくさと取りに行った。

そして俺は預かった子に声をかけた。


🩷「大丈夫?俺の声聞こえる?」


💛「ぅ…はぁッ………ん、っ……」(頷)


小さく返事をする。


🩷「そっか、よしよし…頑張ったね…」(撫)

「あとちょっとで楽になるからね…もうちょっとだけ我慢してね……」


そっと、優しく声をかける。

でも、異変を感じる。


🩷(こさめ遅くね……?)


靴を脱いで、リビングに来るまでなら、こんなにも時間はかからないはずだ。

いるまが帰ってきたら一度様子を見に行こう。


💛「……すぅ……っ…………」(寝)


そんな事を考えてる隙に、預かった子は寝息を立てて眠っていた。

ひとまず落ち着いてくれて安心した。


💜「持ってきたぞ〜」


安心していたところに、聞き馴染みのある声が聞こえた。


🩷「ごめんいるま、一旦ここ任せていいか?」


💜「別に良いけど…」

「なんかあんのか?」


🩷「いや、ちょっと様子見に行くだけ。」


ふぅーん…とでも言いたげな顔をして看病に努めるいるま。

頼りがいがあって、かっこいいな。

なんて思っている余裕は無かった。

急いでこさめを見つけなきゃ。








🩷「こさめ〜ぇ………」

「え、こさめっ?!」


やっぱり玄関にいた…と思ったら瞳を閉じたこさめが横たわっていた。


🩷「こさめっ!!大丈夫??」


近ずいて耳を澄ますと、こちらも寝息を立てていた。


🩷(なんだ…寝てるだけか……)

(焦ったぁ……)


落ち着いて額に触れると、俺の手のひらは汗でびっしょりになってしまった。

それはもう、夏の運動部と変わらないぐらいの量だった。

よく見れば、髪も少し湿っていて、毛先からは汗が滴っていた。


🩷(今はタオルで拭いて、後で風呂に入らせよう。)


たまたま近くにあった洗濯物の中からタオルを引き出し、頭や体を軽く拭いた。

一通り拭いたタオルはもう水分を拭き取らなかった。

そのまま新しいタオルに変えて、こさめを俺の部屋まで運んでいった。





in🩷の部屋


🩷「よいしょっと……」


温度はやや高めの冷房をつけて、布団や枕にタオルをひき、その上にこさめを寝かせる。

さっきからビクともしないこさめに、どんだけ頑張ったんだろうと思う。

家同士は離れているから、最近はずっと関わっていなかった。

とりあえず起きるまでは、向こうの黄色い子を見てようかな。






🩷「いるま〜、ありがと〜」


💜「ん、おかえり」

「とりあえず一通りはやっといた。」


🩷「まじ〜?ありがたすぎる…」(抱)


しごできすぎる彼に何度惚れ直したことか。


💜「あんまくっつくな」


🩷「このツンデレめ…」


💜「ツンデレじゃねぇし」

「とりあえず、こいつ誰なん」


🩷「あー、この黄色い子は俺も知らない。」


💜「え、他に誰かおんの?」


🩷「おるよー?」

「まぁ今は俺のベットで寝かせてるけど」

「いつも話してるあの子だよあの子」


💜「あ〜、こさめ…?ってやつか。」


🩷「そうそう、なかなか来ないから、玄関に様子見に行ったら倒れてたんだもん。」

「さすがにビックリしたよね…w」


💜「そいつは大丈夫なのか?」


🩷「うん。普通に寝てただけだった」


💜「そうか…」

「急にドタバタなるからビビったわ。」


🩷「ごめんね…俺が勝手にあげたから…🥺」


💜「まぁ急にあんなんで来られたら誰でも助けるだろ。」

「今回はしゃーない。」


🩷「いるま、せっかくの休日だったのに大丈夫、?」

「俺といちゃいちゃ足りてる?」((((


💜「あぁ十分だよ。」


🩷「えぇー冷たい〜…」


💜「お前はまだ仕事残ってんだろ、さっさと終わらしちゃえよ。」

「そしたら構ってやる」


🩷「ほんとだな?!言質取ったぞ?!」


💜「よーい…」


🩷「あまって!早い早い!!!」


💜「嘘だわw」

「ゆっくりでいいから、しっかりやれよ。」


🩷「…はーい。」





______________________________




𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝  2000♡


















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