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最高でした!! ありがとうございます🙇♀️
⚠️捏造多いです!(人名など)
直接的な表現はありませんが、一部🔞を連想させる箇所があります。
なんでも許せる方のみお進みください。
『』叶
「」葛葉
葛葉side
事務所に向かう途中、街を彩る電飾飾りや所々に置かれたクリスマスツリーが目に入る。
・・もうすぐクリスマス、か、、
クリスマスというものは魔界出身の俺にはよくわからなかったが、とりあえずチキンとケーキを食う日だと思っていた。
-事務所にて-
『クリスマスって本来は家族で過ごす日なんだって。』
?「え、そーなん?」
『だから海外だと恋人を実家に連れて行って一緒に過ごしたりするんだって』
?「へー!」
事務所の廊下を通った時にふと耳に入ってきた会話。部屋の中で叶と誰かが話しているようだった。
先に収録の終わった俺は事務所を出て帰り道を歩く。
『クリスマスって本来は家族で過ごす日なんだって。』
先ほどの叶の言葉を思い出す。
・・そーなのか、家族と過ごす日、、
俺は1人で歩きながら考え込む。
・・叶も家族と過ごしてーのかな、でも叶には、、
記憶喪失の叶は自分の家族がいない、というよりわからない。だから俺に魔族の家族がいるのを、少し羨ましいと眉を下げて笑いながら言うこともあった。
『だから海外だと恋人を実家に連れて行って一緒に過ごしたりするんだって』
続く叶の言葉を思い出す。
実家、、恋人、、一緒に過ごす、、、
ラグーザ家の家族と叶の顔が交互に浮かび上がる。
・・でもなぁ、、
そもそも魔界にはクリスマスなんてものはねぇし、また俺が叶を連れていくなんつったら堅苦しいパーティーを開かれてゆっくりもクソもねぇことになるだろう。
・・どーすっかなぁ、、うーん、、去年と一緒で普通に家で過ごすでいいか?
他の奴を何人か呼んでわいわい過ごすのも考えたが、みんな予定があるかもしれねぇし、、
いっこうに結論の出ない押し問答を頭の中で繰り広げながら、自宅のドアを開けて中に入る。
・・あーーーわかんねぇ、、、いっそのこと叶に聞いてみるか、、
(数時間後)
『ただいまー』
玄関から叶の声がして俺はリビングから立ち上がり玄関に行く。
「おかえりぃ」
『うわっびっくりした、配信してるかと思った』
「いや、なんかのんびりしてた」
『いいね、あ、ケーキ貰ったけど食べない?』
「え!食う!」
俺は叶から小さな箱の入った袋を受け取りキッチンに向かう。
皿にケーキを乗せ、フォークを持ってテーブルに向かう。その間に叶はお湯を沸かしている。
『葛葉なにがいい?』
「ん?コーヒーミルク」
『・・カフェオレね』
叶はそう言いつつも、牛乳たっぷりの俺好みで作ってくれた。
「お前どっちがいい?」
『ん?葛葉が選んでいいよ』
「や、お前が選べって」
『えーじゃあこっち』
「あい」
こういう時にいつも遠慮する叶に先にケーキを選ばせ、俺は満足してケーキにフォークを突き刺す。
ケーキと温かい飲み物を口にしながら俺は先ほど考えていたことを口にする。
「・・今年のクリスマスどーする?」
『ん、どうしたの?急に』
「あ、いや、なんかするかなって」
『僕は葛葉と一緒に居れればなんでもいいよ?』
こいつはほんとに平気な顔でこーゆー事を言う。今だってケーキを頬張りながらにこにこしてしれっと言いやがる。
「・・・」
『葛葉どこか行きたいとこあるの?』
「・・・」
『葛葉?』
何も言わない俺を不思議に思い、首を傾げる叶。
そりゃそーだろう、自分から聞いといてなんも言わねぇんだから。
「いや、あの、、、」
『ん?』
「その、家族と過ごす日、なんだろ?クリスマスって」
『・・!』
「あ、いや、たまたま、その、聞こえちゃって、、」
『・・ふふ、葛葉は優しいね』
「・・・」
『でも、僕は葛葉と一緒に過ごせたらいいって本気で思ってるよ』
「・・・呼ぶか、」
『え?』
「いや、魔界にまた連れてくのも考えたけど、あっちの食い物お前は食えねぇし、またこないだみたいな堅苦しいパーティー開かれそうだし、、」
『よ、呼ぶって誰を、、?』
「うーん、呼ぶなら兄さんかなー」
『お兄さん?』
「ん、こないだ人間界に久しぶりに行きてぇっつってたし」
『そ、そうなの?』
「うん」
『え、でも、ごはんとか、どうしよう?』
「あ、俺と一緒でなんでも食えるからへーき」
『・・葛葉はピーマン食べられないじゃん』
「・・今言うことじゃねぇだろ」
項垂れる俺を笑いながら、叶は『それならチキンと、ローストビーフも作って、あとケーキは、、』とか言ってにこにこしている。
そんな叶を見て、我ながらいいアイディアだと思った。
(クリスマスイブ)
叶side
「叶〜これどこに付けんの?」
『どれー?あ、これはここっぽい』
そんな会話をしながら2人でクリスマスツリーを飾る。これまで家でクリスマスツリーを飾ったことなんて無かったので、僕も葛葉もウンウン唸りながらなんとか飾りつける。
『よし、だいぶいいんじゃない?』
「うーわ、でけぇ!」
『電気消してみようか』
パチッ
「めっちゃきれーじゃん!!」
『きれい!!』
飾り付けは大変だったが完成したツリーを見て満足する葛葉と僕。電飾がピカピカと光り、僕たちを優しい光で照らす。
「叶」
急に名前を呼ばれくるっと振り返ると、暗闇で葛葉にぎゅっと抱きしめられる。
「叶、嫌じゃなかった?なんか無理矢理な感じにしたかなって、」
『・・ほんとに優しいねくーちゃんは、、嫌なわけないじゃん、僕すごい楽しみだよ明日』
「・・ほんとに?」
『ほんと!ちょっと緊張するけど』
「・・あいつまたよけーなこと言いそうだからなぁ」
『葛葉の昔の話とか聞いちゃお』
「やめろって!」
そう言い葛葉とじゃれていると偶然葛葉を床に押し倒してしまった。
「や、やめろよ、叶」
葛葉は顔を赤くしながらそう言う。
『ふふ、しないよ、だって明日お兄さん来るのに痕がついてたらまずいもんね』
僕がニヤニヤしながら耳元で囁くとさらに顔が赤くなる葛葉。
『・・明日、ね、?今日はこれで我慢して、ね?』
そう言いちゅっと葛葉にキスを落とすと立ち上がり電気をつける。
「買い物行くぞ!買い物!!」
葛葉は照れを隠すようにドタドタと立ち上がり歩き出す。僕は笑いながら葛葉を追いかけた。
(クリスマス当日)
葛葉side
『葛葉ーお皿出しといてー』
「ほい、ケーキ取り行ってくるわ」
『ありがと!気をつけてね!』
「あーい」
ガチャン
ドアを開けて外に出る。
「さむっ」
芯が冷えそうな寒さに首元に巻いたマフラーを押さえながら歩く。
予約していたケーキ屋に行く前にデパートに向かう。1階の宝飾店に足を運び、これまた受け取り予約をしていた小さな箱を受け取り、コートのポッケに入れ、ケーキ屋に向かった。
ケーキを受け取り、叶の待つ家に戻る。きっと叶は今頃ローストビーフだかなんだかを作っているのだろう。
はやく食いたいな、、腹減ってきた、、
その後、家に戻りなんやかんや準備をして時刻は18時頃になる。
叶side
「よし、じゃあちょっくら迎えに行ってくるわ」
『うん、気をつけて』
そう言うと葛葉は魔界から持ってきた血液パックを口にし、窓から外に飛び上がる。
空中で僕に手を振りながら綺麗な所作で鳥のように羽ばたいてだんだん遠くなり見えなくなる葛葉。
残された僕は1人、家でソファに座っていたが、なんだか落ち着かずにすぐ立ち上がり部屋をうろうろと歩いてしまう。
・・・
トントン
ふと窓を叩く軽い音が聞こえ、僕は慌ててカーテンを開ける。ベランダに葛葉と、もう1人葛葉より少し背の高い男性が立っている。
ガラガラ
「たでぃーま!さみぃ!」
『お、おかえり』
「ほら兄さん、入って」
?「邪魔するぞー」
『あ、こ、こんにちは、』
?「おぉ叶くん!久しぶりだな」
『お、お久しぶりです』
?「めちゃくちゃ良い匂いがするな」
「兄さん!靴脱いで!」
?「あ、そうだったな」
そう言うと律儀にベランダに脱いだブーツを揃え、窓から入ってくる2人。
?「叶くん、今日はお招きありがとう」
『いや、お招きなんてそんな、、』
「兄さん、叶びびっちゃってるから」
『いやそんなこと!』
?「そうか?悪いことしたな、、あ、自己紹介がまだだったな、俺はミハイール・ラグーザ、サーシャの兄だ、改めて宜しくな」
『ミハイールさん、、こちらこそよろしくお願いします』
「ミーシャでいいぞ、叶」
『ミーシャさん、、サーシャと似てる、』
ミーシャ「あぁ、アレクサンドルはサーシャ、ミハイールはミーシャだな、俗に言う愛称だ」
『えっと、、』
目の前のミーシャさんを眺める。ミーシャさんは葛葉よりもさらに背が高く、顔立ちは葛葉とよく似ているが葛葉よりも大人っぽい感じだ。髪も葛葉と同じ白髪だが、長髪でウェーブがかかっており、ハーフアップのような髪型で黒いリボンで結ってある。耳元には葛葉と同じようなピアスが複数着いている。
その姿があまりにも綺麗でついつい見つめてしまう。
ミーシャ「どうした?叶くん、そんなにまじまじと見て、」
『あ、いやあの、、すごく綺麗ですね、、』
「叶?!」
『あ、ごめん』
ミーシャ「ははっ叶くんは俺の方が好みみたいだぞ、サーシャ」
「兄さん!」
『お、お腹すきませんか??』
僕が言い合う2人に声をかけると、2人は揃ってこちらを向き、頷く。
「兄さん着替えたら?」
ミーシャ「そうだな、ここだと俺の格好おかしいもんな」
「うん、服貸そうか?」
ミーシャ「サーシャのなんて小さくて入らないよ」
「あーもう一生貸さない」
ミーシャ「冗談だよ、サーシャ」
キッチンで料理を温めている僕の後ろでまた何やら言い合っている2人。
葛葉が2人いるようで、僕は呆れながらもにぎやかで嬉しくなる。
「てか変身すればいいじゃん」
ミーシャ「ここに来るので魔力ほぼ使ってしまった」
「血あるけど」
ミーシャ「え、もしかして、、お前、、」
「叶のじゃねーよ」
ミーシャ「あぁ良かった」
「こないだ持って帰ってきた分」
そう言うと葛葉とミーシャさんは葛葉の部屋に消えていった。
「あっははははははは!!!!!」
ミーシャ「こら!サーシャ笑うな!」
葛葉の部屋から2人の楽しそうな声が聞こえ、僕までつられて笑顔になってしまう。
しばらくして2人がリビングに戻ってくる。ミーシャさんは大きめのパーカーに細身のパンツに変わっていた。元々背が高くスタイルが良いのもあり、良く似合っていた。また可愛らしいことに髪型まで律儀に変えており、長い髪をポニーテールにしていた。
「叶聞いてよ、兄さんが変身でさぁ、」
ミーシャ「あ、こら!!」
『なになに?』
ミーシャ「叶くん、聞かなくていいんだよ」
葛葉と一緒になってミーシャさんをいじると、耳まで赤くして恥ずかしがるミーシャさん。
・・葛葉と似てるんだなぁ、、
変なところで恋人との共通点を見つけ、笑ってしまう。
テーブルに着き、チキンやローストビーフをはじめとした料理を運ぶ。
「うあああ美味そーーー!!」
ミーシャ「めちゃくちゃ美味しそうだな」
『お口に合うといいんですけど、』
ミーシャ「美味しいなこれ!」
『ほんとですか!良かったです〜』
ミーシャ「これも美味いな」
『ミーシャさんは野菜も食べてくれて嬉しいです、、サーシャと違って』
「おい」
ミーシャ「サーシャは昔から好き嫌い多いからなぁ、いっつも母上に怒られてた」
「やめろ」
『あ、そうそうサーシャの昔の話を聞きたかったんです』
ミーシャ「あぁいいよ、サーシャが小さい頃、はじめて自分の部屋を与えられてね」
「・・・」
ミーシャ「めちゃくちゃ喜んでたんだよ最初は。ベッドで飛び跳ねててね。」
「・・・」
『ふんふん』
ミーシャ「で、夜になって寝る時間になって、サーシャもはじめて1人で寝ることになってね」
「・・・」
『ふんふん』
ミーシャ「夜中に泣きながら俺の部屋に入ってきてね、怖くて寝れない〜って言って」
「おい!」
『かわいい〜!!』
ミーシャ「ミーシャ兄さん、一緒に寝ていい?って泣いてしがみついてきてね」
「やめろって!」
『あははは!!』
葛葉side
ミーシャ兄さんの謎の暴露攻撃を受けながら叶の作ってくれたローストビーフを頬張る。
ふと叶の方を見ると心底嬉しそうな顔で手を叩いて笑っており、なんなら笑いすぎて涙が出ている。
ミーシャ「で、俺が絵本を一緒に読んで、結局朝まで俺の隣で寝ててね、朝方みんなに大笑いされてたよ」
『かわいい!!!他にもありますか?』
「おいもういいって、、」
ミーシャ「あるよ、昔サーシャがすごい長く髪を伸ばしていた時期があってね、絡まらないように普通は結んだりするんだけど」
『ふんふん』
「・・・」
ミーシャ「サーシャはめんどくさがって結ばなくてね、そのまま走り回ったり床を転がったり、外に出て木に登ったり、とにかくやんちゃして」
『サーシャっぽいな』
「・・・」
ミーシャ「で、俺の部屋に入ってきた時に、ぐちゃぐちゃになった髪の毛におもちゃとか草とかが大量に絡まって、頭が鳥の巣みたいになってて」
『あっはははは!!!』
「・・・」
泣きながら大笑いしている叶。そんな幸せそうな叶を見ていたら、まぁたまにはこんなのも悪くないか、と思ってしまう。結局俺は叶には甘々だ。
叶の作ってくれたクリスマスディナーを堪能して、俺が取りに行ったケーキを冷蔵庫から出す。
ミーシャ「またこれは美味しそうだな!」
「俺が選んだからね」
『サーシャが取りに行ってくれたんですよ』
叶side
意気揚々とケーキを取り分ける葛葉をミーシャさんは優しい眼差しで見ている。
僕はお湯を沸かし、マグカップを3つ用意する。ミーシャさんも立ち上がりキッチンに来る。
ミーシャ「俺も何かするよ、叶くん」
『え!いえ、ゆっくりしててください!』
ミーシャ「うーん、でも人間界も久しぶりでワクワクするんだよ」
『そうですか、じゃあサーシャにココアを作ってあげて貰ってもいいですか?』
ミーシャ「ココア?」
『この粉をこうして入れて、後で温めた牛乳で溶かすんです』
ミーシャ「ふーん、甘そうだな」
『そうですね、サーシャ甘党じゃないですか?』
ミーシャ「あぁそうだな、寝る前までお菓子食べていっつも怒られてたな」
『今も変わらないですww』
ミーシャ「ははは!!」
「おい、なんか言ってるだろ」
『言ってないよサーシャ』
ミーシャ「言ってないぞサーシャ」
ミーシャさんとハモりながら笑って答える。
葛葉が切ってくれたケーキを食べて、その後はミーシャさんが最初から興味津々だったゲームをして3人で遊んだ。
ミーシャさんはゲーム経験があるようで、普通に上手だった。3人で時間を忘れて遊び、気づけば夜も更けていた。
ミーシャ「さぁ、そろそろおいとましようかな」
『今日はほんとにありがとうございました!とっても楽しかったです!』
ミーシャ「こちらこそだよ、叶くん」
「ミーシャ兄さん、気をつけて」
ミーシャ「サーシャ、叶くんを大事にするんだよ。叶くん、サーシャを、大切な弟をよろしくね」
「・・もちろん」
『は、はい』
また魔界の服に戻ったミーシャさん、実在しないような美しさにまた目を奪われる。
ミーシャ「また魔界で会おう、叶くん!」
そう言いバサッと翼を広げ、大きく夜空に飛び立つミーシャさん。
絵画のような美しさにミーシャさんが見えなくなるまで見入ってしまう。
『行っちゃった、、』
寂しそうに言う僕を笑いながら、葛葉は僕の手をとり部屋の中に引っ張る。
2人で片付けをして、ソファに座り、クリスマスツリーを眺めながらまったりする。
『サ、葛葉、今日はありがとね』
「ふっ、別にどっちでもいーよ」
『もう2人だから葛葉にしよ』
「ん」
『僕今日ほんとに楽しかった』
「・・良かった、叶気遣いがちだから」
『ミーシャさんとやっぱり似てるね』
「そ?」
『うん』
すると突然葛葉は黙って立ち上がり、一度自室に入りまた戻ってくる。
『・・葛葉?』
「・・・ん」
葛葉はまた僕の隣に座ると、小さな箱を渡してくる。その箱を見て僕はハッとする。
『ちょっと待って』
「・・ん?」
僕は立ち上がりキッチンの戸棚に隠した小さな箱を手に取り葛葉に差し出す。
「え」
『ふふ、葛葉も用意してくれてたんだね』
お互い用意したクリスマスプレゼントを交換して、僕らは笑いながら開ける。
「えっ?!」
『どうしたの、って、、え?!』
僕らは互いを見つめ合う。
そう、僕と葛葉は全く同じネックレスをお互いに購入していたのだ。
「・・そんなことある?」
『・・すごいね』
お互いあげた箱から同じネックレスを取り出しながら2人で笑う。
「叶、ん」
葛葉は後ろをむけと言うような仕草をする。僕が後ろを向くと、僕の手からネックレスをとり、首にまわして付けてくれる葛葉。
『ふふ、ありがと。じゃ、葛葉も』
僕がそう言うと葛葉もくるっと後ろを向く。僕は葛葉の首にネックレスをつけて、首にちゅっとキスをする。
『葛葉、好きだよ』
「・・もっと」
『え?』
「・・もっと、言って」
『え、葛葉?』
「・・・」
『どうしたの?』
「・・・ミーシャの方が、良かった?」
伏し目がちで聞いてくる葛葉が愛しすぎて僕は葛葉を抱きしめながら答える。
『そんなわけないでしょ』
「・・・」
『ごめんね、?』
「・・叶、めっちゃミーシャ見てた」
『大好きな葛葉に似てるから見入っちゃったんだよ』
「・・ミーシャ兄さんかっけーからな、、」
葛葉は下を向いて頬を膨らませている。
・・だめだ、完全にいじけモードに入ってる。
たしかにミーシャさんを綺麗だと言ったり、帰った時に寂しそうにしたり、僕も思い当たる節があった。
目の前の葛葉はと言うと、俯きながら先ほど僕が葛葉につけたネックレスをいじっている。
どうしたもんかな、と思い、僕は葛葉の頬を両手で包みこちらに向ける。
いじけた葛葉は両目に涙を溜め、口を一文字に結んで僕の目をじっと見る。
・・本気で気にしてるんだな、珍しい、、
僕はそう思いながら、葛葉の顔をこちらに向け、固く結ばれた唇に軽くキスをして、葛葉の目をまっすぐみて心のままに口に出す。
『葛葉、ごめんね不安にさせて。ミーシャさん、たしかに綺麗だなって思ったけど、僕が心から愛してるのは葛葉だよ。』
僕がそう言うと、まだ口は固く結んだままだが、だんだん顔が赤くなってくる葛葉。
僕はまた葛葉にキスをしてまた葛葉の目を見つめる。
「・・ずりーって、それは、、」
葛葉は真っ赤な顔でそう言う。
『だってほんとだもん』
「サラッと言うなよ、、」
『だって葛葉が言えって』
「そーだけど、、」
葛葉はぱっと視線を逸らす。
『ねぇ葛葉なんで僕のこと見てくれないの?』
「・・・はずい」
『いい加減慣れてよ』
「ムリ、、顔が良すぎんだよ、、」
『えっ?!』
「・・・」
『・・・』
葛葉にそんなことをはじめて言われて、嬉しいやら恥ずかしいやらで、僕の顔も熱くなってくるのがわかる。
『・・やめてよ』
「なんだよやめてよって」
『・・葛葉にそんなこと言われたら僕、、』
「・・お前が照れたら終わりだって」
そう言い笑いながらワシャワシャと僕の頭を撫でる葛葉。
葛葉side
『・・はぁやばい、どんどん好きになるわ、お前のこと』
「・・・良かったじゃん」
『もう今動悸やばいもん、ほら』
そう言い叶は俺の手をとり自分の胸に当てる。
確かに異様に速い鼓動を感じる。
「・・まじじゃん、お前死ぬんじゃない?」
『そしたら死因葛葉だわ』
「俺捕まるじゃん」
『うん』
「最悪」
そんな冗談を言いながら俺は叶の首に光るネックレスを触る。
「・・やっぱこれ、いいな」
『・・いいよね』
そう言って叶も俺の首にかかっているネックレスを触る。
『・・葛葉、』
叶は軽く俺のネックレスを引き、俺にまたキスをする。俺も掴んでいた叶のネックレスを軽く引き叶の首をさらに引き寄せる。
「叶、俺のこと好き?」
『好きだよ、ふふ今日は欲しがりさんだね』
「・・・いーだろ、クリスマスなんだから」
『もちろん、じゃあ葛葉も僕のこと好き?』
「・・・好き」
俺がそう言うと、叶は自分と俺のネックレスのチャームを俺に両手で握らせ、その上から自分の両手で俺の手ごと包み込む。
『メリークリスマス、葛葉』
「・・メリークリスマス、叶」
俺たちはキラキラ輝くクリスマスツリーの前でまたキスをした。
おしまい