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限界の先
「俺、もう待つの結構限界」
那月に手を掴まれたまま、奏音は固まっていた。
「……へ、限界?」
「うん」
那月の声は静かだった。
でもその目は真剣で、逃げられない。
「奏音が無防備すぎるから」
「む、無防備……?」
「他のやつに笑いかけるし、距離近いし、かわいいし」
「えぇ!?」
「俺、結構嫉妬してる」
心臓が止まりそうだった。
那月が嫉妬。
しかも相手は、太陽たち。
「でも奏音、全然気づかないし」
「だ、だって……」
「好きな人いないって言うし」
「あれは!!」
反射だった。
本当はいる。
ずっと前から。
「……那月」
「ん」
奏音は勇気を振り絞って顔を上げた。
「私、好きな人いる」
那月の指がぴくっと動く。
「……誰」
聞いてるくせに、少し怖そうな顔。
その表情を見た瞬間、奏音の胸がぎゅっとなった。
「……那月」
数秒。
時間が止まる。
「…………え?」
珍しく、那月が固まった。
「だから……那月なの!」
恥ずかしすぎて涙目になる。
「もう言ったからね!? 忘れて!!」
立ち上がって逃げようとした瞬間。
ぐいっ。
腕を引かれる。
「きゃっ」
そのまま那月の胸にぶつかった。
近い。
近すぎる。
「忘れられるわけない」
耳元で低く言われ、奏音の顔が一気に熱くなる。
那月は少し震える息を吐いた。
「……やばい、嬉しい」
「っ……」
「俺ばっか好きだと思ってた」
「そんなわけないもん……」
奏音が小さく言うと、那月は目を見開く。
そして次の瞬間、ふっと優しく笑った。
「……好き」
その破壊力がすごすぎて、奏音は完全停止した。
コメント
1件
みぅです🤍🥀 第36話、もう胸がギュッてなりました…! 那月の「俺、結構嫉妬してる」って、無防備な奏音にずっと我慢してたんだなって伝わってきて。奏音が勇気振り絞って「那月なの!」って言った瞬間、こっちまで涙出そうになった。 「俺ばっか好きだと思ってた」って那月の本音が刺さる…お互い想い合ってたのにすれ違ってた時間が報われた感じがして、すごく好きなシーンでした。 最後の「好き」の破壊力、やばいです。更新ありがとうございます🌙