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私は皆と一緒に居たかった。
皆と笑っていたかった。
皆にとっての唯一になりたかった。
_だけど
だけど。
私は皆と一緒に居れない。
皆と笑っていられない。
皆にとっての唯一になれない。ただ見ているだけの私が、
自分の意思がない私が、
与えられた選択肢さえも選べない私が、
登場人物である皆と一緒に居られるはずがなかった。
居られるはずなかったんだ。
だから仕方ない。
仕方ないんだ。
そう思うしか無かった。
私は皆と違うから。
私は皆を導く主人公になんてなれないから。
私は主人公を支えるヒロインなんてになれないから。
私は物語を盛り上げるヴィランになんてなれないから。
私は主人公にヒントを与える脇役になんてなれないから。
私は監督生になんてなれないから。
ただ見ているだけの私が、登場人物である彼らが紡ぐ物語に入れるはずがなかった。
“傍観者”の私が舞台に立てる訳が無い。
何者にもなれない私はただ彼らの物語を静かに見ているしかない。
_だから
せめて、
私は、
私はあなたになりたかった。
あなたは良く言うよね。私になりたいって。いいよ。なっていいよ。だから、
私はあなたにならせて。
私はあなたになりたかったんだから。