「……青い残響に…なんだか見た事のあるような無いような奴らが……
…それに、……なんだアイツ?…今回のゲストも掃除屋を全滅させる幻想体を操る謎の仮面を付けた底辺フィクサー……
……どういうこと?」
そういう召使い…ローランは頭を抱える
…その手には、黒い手袋
「…………。」
「……アンジェラ?そんな微妙な面してどうした?
…確かに色々思う所はあるだろうが……」
「………いや…そうね。
少し、見覚えのある顔が見えただけよ。」
瞬きほどの数瞬の間に、私は全く別の空間に立ち尽くしていた
暖色系の雰囲気に名前に違わない、おびただしい数の本が列べられている
「……本当に来られるんだ……」
正直殆ど信用していなかった為面食らってしまう
(ここが図書館……
アイツの話によると…『接待』に勝利することで当人の望む本を得られる……だっけ)
いわば敵陣の真ん中に居るような物である
『笑顔』を取り出し警戒する
その時
パチンと指を鳴らす音と共に、目線の先へ人物が現れる
その姿は……
「………アンジェラ……様?」
あの蒼白の長髪は短くなっており、あの青白い肌は少し赤みが掛かっている
…しかし、その雰囲気は変わらない
「…歓迎いたしますゲストの方。
私はこの図書館の司書兼館長、アンジェラと申します。」
「……………??どうしてアンジェラ様がここに……」
「それに関しては同意見よ。途中で逃げ出したあなたが何故こんな所まで来ているの?」
「……貴方に処刑弾で殺されそうになってから…目が覚めたら裏路地だった。…そこからは成り行きで。」
「処刑弾を使用したのは私では……いえ、同じような物ね。」
「…どうしてこんな所で図書館なんて…ましてや、L社を倒産させてまで……
…いや、そんなことどうでも良い。
中の職員はどうなったの?」
「…此処で本を得れば分かる事よ。
それに最後のは……いえ、言うまでも無いわね。」
「……………?どういう──…」
「どうかあなたの本が見つかりますように。」
広い空間へ出る
室内とは思えないほどのその広大な空間は、見るだけで億劫になるほどの本が本棚へびっしり埋まっている上、積み重なる本が天高く伸びていた
…が、そんなことは頭になかった
(言うまでも無い…?言う価値も無い…もしくは…)
……言わなくても分かると言うことか?
私は次に起こる事を待つ
するともう一度、指を鳴らす音…と同時、前方に5つの影が現れる
「5対1…」
(…でも、これでハンスの情報が得られるなら…)
私はより一層強く『笑顔』を握り締める
そう、全てはハンスの──
「…………………………ハンス?」
5つの人影の内、1人の姿が見えた
特徴的な濃緑色の髪、高い身長に……虚ろな目
その全ては私のよく知る彼で……
「…っハンス!!!………こんな所に居たんだね。
…すぐに見つけられなくてごめん。
……だから、また一緒に……」
「……………」
反応は無かった
「……ぇ………っぁあ!そっか、これじゃ分からないよね!
…ほら!これで……」
私は『笑顔』のE.G.O.ギフトを外し、もう一度彼に問いかける
反応は無かった
「はん……す?…………こ…これなら………」
私は『笑顔』のE.G.O.装備も外す
…と同時に、また別の影がこちらへ接近し、その剣を振るってきた
私は間一髪の所で『笑顔』を取り出し防ぐ
…そうしてその顔を見れば……
「…マルク………」
間髪入れずもう一度剣を振られそうになった為、何とか腹に蹴りを入れ、前屈みになったマルクトへ『笑顔』を振り上げる
その隙を逃さないといったようにまた別の影が私の懐に潜り込み…
「っはん──」
その手にした大鎌を振り抜いた
「………ぅ………どう…して……」
嗚咽を漏らしつつ傷口を見る
腰から左肩にかけて切り裂かれたその傷は水のように血が流れ、じわじわと体温が漏れ出て行く
そうしてその張本人の…ハンスは、変わらず虚ろな目のまま後ろへ下がっていった
私が彼へ向かって手を伸ばせば、また新たな影がこちらへ向かってくる
…その顔にも見覚えがあり……
「……コントロールチーム!!!」
向かってくる顔見知りに『笑顔』で殴打する
…そして、もう一度見合う形となる
”……………”
”……なぁ、あれってE.G.O.…だよな”
”ゲストだからって手加減はしませんよ。よろしくお願いします!”
”そう怖がらないで!どうせ相手も同じ人間でしょ。”
”緊張せずに落ち着いてやっていこう!”
”……………ハンス”
5人同時に飛び掛かってくる
1人は剣を、1人は斧を、銃を、ナタを…大鎌を
一人一人捌きつつ反撃していく
腹へ『笑顔』を、顔面に『ミミック』を、左胸を『ピンク』で打ち抜き、『失楽園』で足を串刺しにし、首を──
「…っ」
当たらないよう全力で『黄昏』を逸らす
切り裂く相手を失った『黄昏』はそのままハンスの足元の地面へ突き刺さる
その隙を縫うように振るわれる大鎌は、『ダ・カーポ』で何とか防ぐ事が出来た
「……『愛をください』」
肉薄するハンスの背後
隙を伺う4人を一撃で同時に処理する
あまりの轟音に、 肉が潰れる音に…紙が舞う音…ハンスの意識が一瞬だけ背後へ向く
「………!!!」
私はその隙を見逃さず、大鎌が握られた右手を『規制済み』で拘束し、そのままハンスを押し倒す
目と目が合う
……が、やはり目は虚ろなまま、私を写していなかった
でも
「ハンス!!!っ思い出してよ!!!
私はここに居るよ!!!……っだから!!!
目を覚ま”ぁ”っ……」
ハンスの左手が私の首に伸び、そのまま強く締め上げられる
一気に視界が霞む
首元からミシミシと音が鳴る
…『規制済み』が私の手から離れ、私はそのまま持ち上げられる
「………ぅ”……は”………ん”………」
「……………」
ハンスは右手の大鎌を私の横腹に押し当てる
…私の事を、真っ二つにする為に
そして
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キタ━(゚∀゚)━!