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コメント
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阿部さんが菊池さんに思ってることが...爆笑しました 阿部さんいい人すぎます....!!
待って下さい、、、⛄️💚💛もめちゃくちゃ好きな絡みです🥹 しかも、喧嘩した設定がまた良いです🫶 ♥️くん視点のこの喧嘩も見てみたいなと思っちゃいました🤭 必死に💛ちゃん探す姿見たいです🫣笑
早速ふまくんの頑張りが見れた笑 ふまくんが出たときにいつか⛄️💚ちゃんも?と思ってたので嬉しいです☺️ ❤️さん、変わらず愛重で🤭受け入れられるのは💛ちゃんしかいないですね✨次回も楽しみ💕 そしてテレミセ、同じぐらい見てると思います🤣
絡ませたい人みんな絡ませたらこうなりました。
⛄️💚とふまくんの関係性がわからないので、年齢とかから想像して捏造しました。苦手な方はご注意ください。
今一番忙しいアーティストであろうMrs.の涼架くんから、ご飯に行かない? と誘われて二つ返事で承諾した今日、二人でご飯を食べるときによく使うお店で待ち合わせた。
仕事が長引いて少し遅れてお店に入ると、個室でのんびりとメニューを眺める涼架くんがいて、俺に気づいてパッと笑顔になった。ふんわりとしているけれど芯の通ったうつくしさを併せ持つ人だ。
「ごめん、お待たせ」
「全然待ってないよ、忙しいのにありがとう。お疲れ様」
やわらかく微笑む涼架くんに癒されながら、ビールで乾杯をする。乾いた喉に染み渡る感じがする。
一気に半分くらいグラスを空けた涼架くんは、ふは、と息を吐いておいしーいと笑った。おいしいね、と答えながら涼架くんの左手に光るものを見つけ、それ、と思わず呟く。ファッションリングの可能性もあるけれど、キーボードを担当する涼架くんはあまり指輪をつけない。それにファッションリングにしてはかなりシンプルだ。要するに、涼架くんのイメージになくてつい反応してしまった。
どれ? と首を傾げる涼架くんに、指輪、と伝えると、あぁ、と少し照れくさそうに笑った。
「実は、結婚しまして」
危うくグラスを落としそうになった。
「え、え? ほんとに? いつ?」
「ついこの間。今日はこの報告がしたくてお誘いしましたー。気づくの早いよぉ」
ふふ、と笑う涼架くんが冗談を言っているように見えなくて、ニュースになってないよなと考え込み、それと同時に相手になりそうな人を思い浮かべて納得する。
「……大森さん?」
名前を口にするとその人以外いないような気がするし、涼架くんの笑顔が答えだった。
「あは、すごいね亮平くん」
肯定でも否定でもない賞賛。だけどそれが全てを物語っている。しあわせそうで、こっちまで嬉しくなる。
「うわぁ、おめでとう」
「ありがと。……あんまりびっくりしないんだね?」
「じゅうぶんびっくりしてるよ? でも、納得したっていうか……大森さんしかいないよなって」
涼架くんとは仲良くさせてもらっているけれど、大森さんと個人的に話したことはない。うちの事務所の人とある程度仲がいいっていうのもあって、全く見知らぬ人という感じもしないけれど、あくまでも彼は涼架くんのバンドメンバーであり、尊敬すべきアーティストの一人だ。真摯に音楽と向き合う、ある意味では孤独な人、という印象だった。
でも、涼架くんと結婚した、と聞くと、驚きはするものの納得が先にくる。彼の孤独を癒して包み込む涼架くんと、絶対の信頼とちょっと怖いくらいの執着を見せる大森さんが並ぶ姿に、何の違和感もないからかもしれない。
以前ご飯に行ったと歌番組で話したとき、冷たいわけではないけれど鋭い視線を向けてきた彼。仲のいいメンバーが自分の知らないところで他人と仲良くしているということに衝撃を受けたというより、許さない、という怒りの感情を滲ませていた若き天才。
もちろん直接何か言ってくるようなことはなかったけれど、結婚に至るまでの関係だったと思えばあの視線の意味も多少理解はできる。恋人のことになるとなりふり構っていられないタイプなんだろう。
ところで今日のご飯は報告してくれてあるよね? あの目に二度も晒されるのは流石にきついんだけどな。
「亮平くんには、直接報告したくて」
にこにこと笑う涼架くんはとても可愛らしい。報告してくれていると信じよう。
いい人だ、とよく言われている涼架くんは本当にやさしくて、真面目で努力家で、なによりも大森さんの音楽を愛している。二人が結婚するのは、きっと必然で運命だったんだろうと思うくらいお似合いだ。
「おめでとうございます」
直接伝えてくれた彼に再び祝福を述べると、ありがとうと綺麗に笑った。
そんな極上の笑顔を向けてくれたのが、先週くらいだったように思う。
しあわせそうに笑って、一緒に住む上で料理を頑張っている話を聞いたり、これはよく分からないけど、若井さんも一緒に住む予定だったのにあんまり帰ってきてくれなくて寂しいって愚痴を聞いたり、二宮くんに婚姻届の証人になってもらって、この前は菊池くんが家に来てくれたって話をしたのは間違いなく先週の話だよな、とムスッとしている涼架くんを眺めながら思い出す。
「……帰らなくていいの?」
「いいの! 元貴なんて知らないっ」
そう言って何杯目かのお酒をあおる。大丈夫かな、これ……だいぶ出来上がっている気がするんだけど。
たまたまスタジオの廊下で会った涼架くんは珍しく不機嫌で、俺を見るなり今から空いてるかと問い、偶然仕事がなかったからそのままご飯に行く流れになった。
何か嫌なことでもあったのだろうと個室に入ると、ろくに食べもせずに、なぜ不機嫌なのかも話してくれないままにお酒をすごい勢いで飲み始めた。
お店に入った時点でだいぶ夜も深かったから、一時間が経過した今、帰らなくていいかと問うと先の拗ねたような返事。
あの目をしていた大森さんのことを思うと心配せざるを得ないから、取り付く島もない涼架くんに再び声を掛ける。
「連絡くらい入れた方がいいんじゃないの?」
「スマホ置いてきたもん」
ふんっと鼻を鳴らした涼架くんに言葉を失う。
元貴なんて知らない、という言葉から察するに、大森さんと何かあったんだろうけれど、連絡手段を強制的に断つというのはあまり、いやかなりよくないのではないだろうか。
「元貴さ、俺のスマホの顔認証登録して、GPSまでつけてたの」
「……え?」
「だからスマホ置いてきた。位置情報でわかっちゃうし」
ちょっと待って、衝撃が強すぎて言葉が返せない。
いくら結婚しているパートナーであったとしても、それはやり過ぎなのではないだろうか。
返答に困る俺を置いて、涼架くんはぷんすこという効果音が聞こえてきそうな不満顔で続ける。
「顔認証もさ、言ってくれればいいのに勝手に登録してさっ」
うわぁ……それはちょっとだいぶ嫌だな。でも、言ってくれたらいいんだ?
そんな俺の気持ちが表情に出ていたらしく、涼架くんはへにょ、と眉を下げた。
「……結婚する前、元貴をたくさん傷つけちゃって。だから心配なのは分かるんだけどさ」
詳しい事情は分からないけれど、涼架くんにとって大森さんがそれだけのことをする理由がないわけじゃないと思える何かがあったのだろう。
「だからって勝手に登録する!? 見る!?」
俺にもプライバシーはあるの! と叫び、グラスに残っていたお酒を一息に飲み干した。
そんな飲み方したら倒れるよ……、俺、大森さんの連絡先も涼架くんの家も知らないんだけど。
面白がるわけではないけれど、こんなふうに憤る涼架くんが珍しくて、ついまじまじと眺めてしまう。変な言い方をすればとても微笑ましい。内容は可愛くはないけれど仲のいい二人の、ちょっとした諍いだ。
「……ごめんね、亮平くん」
「うん?」
「こんな話聞かされても困るよね……」
困るか困らないかで言えば困るけれど、不満を吐き出す相手に選んでくれたことは嬉しい。たまたま会っただけかもしれないけれど、話してもいい相手として認識してくれていることは光栄だと思う。
気にしないでと微笑めば、ありがとぉ、と顔を歪めた。
「元貴のばか……言ってくれたら、それでいいのに」
ぺしょ、と机に顔を乗せて、ぽろぽろと泣き始めてしまった。店員さんに新しいおしぼりをもらって涼架くんに渡すと、やさしぃねぇと泣きながら受け取って顔を覆った。
だいぶ酔ってるな……これ、一人で帰すのは危険すぎる。
「ちょっとお手洗い行ってくるね。飲みすぎちゃだめだよ?」
「うん……気をつけてね……」
何に気をつけろというんだろうと苦笑し、個室を出て、さて、どうしようかと自分のスマホを見つめる。
このまま朝まで飲んでもいいけれど、流石に連絡がつかないとなると大森さんだけじゃなくみんな困るだろう。明日だって仕事があるだろうし、急なスケジュール変更があったら涼架くんにも影響がある。
涼架くんと面識があって大森さんに連絡が取れそうな人を思い浮かべ、前に飲んだときに話題に上った、俺と同じ事務所で大森さんと共演していた人物に電話をかけた。
すぐに来てくれた風磨と一緒に個室に戻ると、涼架くんは机に突っ伏して眠っていた。俺がいない間に二杯増えてる……完全な酔っ払いの寝落ちだった。
「寝ちゃってるじゃん」
「……風磨、家知ってるよね?」
「まぁ。でも、元貴くん探し回ってると思うから家に行ってもいない気がすんだよねー」
風磨は涼架くんの横に座り、藤澤さーん、と声を掛ける。んん……と呻いた涼架くんは、うっすらと目を開けて風磨を見ると、ふうまくんだぁ、と舌足らずに名前を呼んで笑った。
顔がアイドルじゃなくなってるよ風磨……おまえ……。
「この間はどうも。二人で飲んでるって聞いたから俺も来ちゃった」
「えー、うれしい。のも、びーる?」
「そうだね、藤澤さんは何飲んでるの?」
「おれはねぇ……」
デレデレしている風磨においと声を掛ける。風磨は分かってるよと言いたげに笑うと、ふにゃふにゃの涼架くんをスマホで撮影した。
まさか……。
即座に震える風磨のスマホ。
「はは、返信はやっ。もしもーし」
『どこ!?』
「マジ焦りじゃん。住所送るよ」
なんで火に油注いで爆発させるんだよ……と頭を抱えると、まぁちょっとした仕返し、と風磨は笑った。人選ミスだったかもしれない。
再び眠ってしまった涼架くんの頭を風磨が自身の膝に乗せる。だからなんでそう火に起爆剤を投げ入れるような真似をするの。
どう収集をつけようかと悩んでいると、扉の外が少しだけ騒がしくなった。あー……どうしよう、肝心の涼架くんは寝てるし……。
「涼ちゃん!」
ガラッと開けられたドアから現れたのは予想に違わず大森さんで、乱れた呼吸と汗だくな様子から、探し回っていたんだろうことは想像に難くない。
風磨の膝枕で眠る涼架くんを見て安堵したように息を吐き、ついで鋭い視線で風磨を睨みつけた。気にした様子もなく風磨は片手を上げて、
「はやかったねー」
と揶揄うように言った。
大森さんは舌を打ってから座敷に上がると、風磨にどいて、と告げる。素直に場所を譲った風磨は俺の横に移動して、大森さんは涼架くんの頭を自身の膝に乗せた。
そして俺をまっすぐに見て頭を下げた。
「阿部さん、ありがとうございました」
「いえ、連絡先を存じ上げなかったので、すみません、こんな形になってしまって……」
大森さんの連絡先を知っているだろう人物が風磨か二宮くんしか浮かばなくて、俺が連絡を取りやすい方を採択したがためにこんなことになってしまい申し訳なさでいっぱいになる。
「ねぇ俺には?」
机の上に残っていたポテトをつまみながら風磨が言う。
「風磨くんは黙ってて」
「風磨は黙ってて」
俺と大森さんの声が重なって、風磨は肩を竦めた。
「……話、聞きましたよね?」
「まぁ……」
「怒ってましたか?」
「怒る……というより、拗ねてるっていう印象ですね。勝手にっていうのが嫌だった、というか。言ってくれたら、と言っていたので」
とは言え、顔認証を登録していいか、とか、GPSつけていいか、と了解を得るのも変な感じがする。
大森さんも自分で分かっているのか、眉を寄せたまま何も言わない。風磨には事情を話していないから不思議そうに俺たちを見るけれど、流石に空気を読んで何も言わなかった。
「……ちゃんと話し合えば大丈夫ですよ」
「え?」
「涼架くん、大森さんと結婚したって教えてくれたとき、すごくしあわせそうだったので。大丈夫です」
根拠はないけれど、確信はあった。
大森さんは考え込むように黙っていたけれど、ふわりと微笑んだ。涼架くんとはちがうけれど、うつくしくてやわらかな笑顔だった。
「阿部さんが涼ちゃんのお友達でよかった」
なんとか丸く収まりそうだから、頼むから何も言うなよ風磨。
「……失礼します。あ、いた」
静かに開いた扉から若井さんが顔を出す。すごい、Mrs.が揃った。場違いな感動を覚えるが、今をときめくアーティストが揃っているのはなかなかに圧巻だ。
若井さんは涼架くんを見て大森さんと同じように安堵の表情を浮かべて肩の力を抜き、俺に頭を下げて風磨を見て溜息を吐いた。風磨、おまえなにしたの?
若井さんが座敷に上がって涼架くんの様子を窺い、大森さんが財布からお札を取り出して机に置いた。
「お会計、これで足りますか?」
「え、多すぎます!」
「もらってください。ほとんどうちの藤澤が飲んだんでしょうし、なんならこのまま風磨くんと飲んでもらっていいので」
「まじ? ゴチになります」
「風磨……」
頼むからまだ黙ってて。
若井さんが涼架くんを揺り起こし、ぽやぽやのままの涼架くんを抱えるようにして個室を出た。
再度俺に向かって頭を下げて出て行こうとする大森さんを呼び止める。
「ご結婚、おめでとうございます」
せっかく会えたのだから、祝福くらいは許されるだろう。
大森さんは何度か瞬いた後、ふわっと綺麗に笑った。あの日の涼架くんと同じように。
「ありがとうございます。今度うちに遊びに来てください」
「はい、ぜひ」
「俺も行っていい?」
「やだ」
だから風磨、お前はちょっと黙ってろ。
終。
アイドル事務所の方の関係がわからん……。
全然違ったらごめんなさい。
この後のもりょのオマケは早ければ明日。