コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ステージのライトが一層強く輝く中、トークパートへと進んだキラフェスの舞台。
「さっきの曲、自由めっちゃ可愛かったよな?」
宮野がマイク片手にわざとらしく言うと、客席からは「可愛いー!」の声が飛ぶ。入野自由は苦笑いしながらも、すでに限界寸前だった。宮野の手はまだ腰に添えられたまま、さりげなく動いてくる。指先が服越しに背中をなぞるたび、ビクッと小さく反応してしまう。
「ひ、マモ…もういいってば…」
「えー? 何が?」
とぼけた宮野の顔が近くにある。入野は思わず顔を背けるが、耳まで真っ赤だ。
神谷がその様子を見て、ニヤリと笑った。
「なあ、自由。お前、こういうの苦手なんだよな。ついでに——声も出ちゃうんだよな?」
「ちょっ、神谷さんまで…!」
反論しようとしたその瞬間、神谷の手がスッと背中に伸びた。見えない角度で、軽く、けれど確実にそこへ触れる。
「やっ…あっ…!」
甘い声がマイクに拾われた。瞬間、会場がどよめく。入野は慌てて口元を抑えたが、もう遅かった。
「今の! 聞いた? 聞いた!?」
宮野が大興奮で客席に向かって叫び、ファンはざわめきと笑いに包まれる。
「う、うそだろ…なんでマイク入ってんの…!」
小声で震える入野。けれど宮野と神谷は全く悪びれた様子がない。
「自由さ、可愛いからさ、ついイジりたくなっちゃうんだよな〜」
宮野が背後から抱きつくようにして、頬をすり寄せてくる。
「もうっ、やめてよっ……っん、あぁっ…!」
マイクはまだオンだった。
ファンの悲鳴のような歓声が鳴り響く。ステージの端では、中村悠一と福山潤が吹き出しているのが見えた。小野大輔は顔を両手で覆っている。
「自由…大丈夫か?」
神谷がさすがに少しだけ心配そうに声をかけると、入野はぶんぶんと首を振る。
「だ、だめ…もう限界…ほんとに…恥ずかしすぎる…!」
涙目になった入野はマイクを外し、そっとその場から一歩引いた。
けれど、宮野が追いかける。
「待って、自由ー! 反応もっと見たい! 可愛すぎてずるいってば!」
「やだぁぁぁぁぁぁっ!!!」
入野自由の絶叫が、ファンの笑いと共にライブ会場に響き渡った。