じゅうはちver
「ただいま〜」
「おかえり!見て見て!案の定じゅうはちが当たったww」
「このチョコめっちゃお酒の匂いするんだけど〜」
りぃちょの方向通りじゅうはちの方を見ればまだ意識はしっかりしているが先ほどより少し頬が明らんでいる。
こんなに短時間で少し回るなんてどれだけアルコール度数強いんだよ。
「マジで!?これは私が送っていくしかないなぁ…悪いな、男ども」
「は!?渡すかよ!」
「せ、拙者も渡す気はないでござる!」
「キャメさんの拙者呼びキモすぎやろ」
「俺も!俺もいる!!」
「仕方ないなぁ。これはじゅうはちに決めてもらうか。じゅうはち〜誰に送ってほしい?」
座っているじゅうはちに合わせて軽く屈むと大きな目を少し潤ませた彼女と目があった。
「ん〜、まちこぉ!!」
そう言ってえへ、と笑う彼女がとてつもないほど可愛い。
軽く後ろを見ればみんな選ばれなかったことにショックは受けつつもその可愛さで身悶えている。
「了解!任せなさい!」
「じゅうはち〜?今からでも俺を選べるよー?」
「俺もいつでもフリーだよー?」
「はいはい、お時間ですよー。じゃあ…じゅうはち帰ろっか!」
もう送る人は決まったと言うのにそれでもなお諦めない男どもを牽制して解散する。
あの後流石にお酒は飲ませなかったがそれでも抜けなかったらしい。
「まちこ〜ありがとうね〜」
「うん!こちらこそありがとう」
「ん〜?なんで〜?」
「私のこと選んでくれたでしょ?」
「いつでもまちこのこと選ぶよ!!」
お酒入りのチョコを選んでくれて、とも思ったのは心のうちに隠しておく。
「この時間にまちこが帰るのあぶなくない?」
「うん?大丈夫だよ!結構近いし」
「え、でも、…やっぱりしんぱい…」
ん〜と可愛く唸るほど心配してくれるのはうれしいが、そんなことを言っても今からこのじゅうはちを見捨てて帰るなんて私の選択肢にはない。
「わたし…まちこともっといたいなぁ」
うん?
いや可愛い。とてつもなく可愛い。
ここにいるのが男どもじゃなくてよかった。
でもこの言葉の意味がわからない。
「私ももっとじゅうはちと一緒にいたいよー?」
「うん、だからね、…」
うぅ…と少し口籠った後にまた小さい口を開いた。
「まちこに今日わたしの家にとまってほしいってこと!!」
ピシャアアァァン
雷に打たれた。
と言うのは比喩だが、本当に打たれたような衝撃が体に走る。
なにこの可愛い生物
「いいの?私じゅうはちとお泊まりしたら襲っちゃうかもよ?」
そういえば彼女は蠱惑的に首を傾げた。
「そんなのわかんないでしょ?わたしがまちこのこと先に食べちゃうかも♡」
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