テラーノベル
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俺は都内で働いている。
毎日満員電車で出勤し、毎日満員電車で帰ってくる。
そんな何も変わらないルーティン。
俺は何のために生きているんだろうか、そう思ったりする。
もちろんまだ死にたくは無い。
しかしこれと言って生きがいはない。
何か日常に驚きが欲しい。
そんなもの探しても無さそうだが。
「はよー。」
こいつは同僚の元貴。
部署は違うが一緒に入社した。
会社のエレベーターで偶然会い、
俺もおはよと返事をする。
「なんかさ、駅前に新しく店出来てた。見た?可愛い店だった。スイーツかな。まだ朝だしオープンしてなかったから分からんけど。」
元貴は眠そうにそう言った。
全然見てなかった。
「そうなの?人多すぎて見てねぇや……。」
俺もちょっと気になる。
「後で行ってみよーかな。気になるし。」
元貴がそう返した。
目的の階数につき、じゃあなと元貴と別れる。
さ、今日も一日、変わらず仕事をしますか。
今日も忙しかった。
最近あまり定時で帰れていない。
ため息と共に外へ出る。
駅に着き、改札を入ろうとした。
その時に思い出す。
そういえばお店、まだやってるか。
そう思って俺は来た道を戻っていく。
幸いにもお店はまだ明かりがついている。
OPENとなっていた扉を開けて中へ入った。
「いらっしゃいませ。」
と女の店員さんが出迎えた。
そこにはショーケースにケーキが並んでいた。
もう既に数は少ない。
美味しそう、そう思いながら残り少ないケーキから何にしようか悩んでいた。
ふとショーケースではない棚を見てみると可愛くラッピングされたチョコチップクッキーが置いてあった。
何故だか分からないけど俺はクッキーを選んでいた。
「お願いします。」とレジへ持っていく。
「ありがとうございます。」と店員さんがレジを打った。
お会計を済ませて出ようと扉を開ける。
すると同じく向かい側に人がいた。
「あっ、ごめんなさいっ!」
俺と身長が同じくらいの少しふわっとした印象の人だった。
服もコスチュームだったので店員さんかと
思い、いえ、こちらこそ。と俺は返す。
「あ!ありがとうございます。そちら俺のおすすめです。」
そうクッキーを見てにっこり笑って言った。
その瞬間俺の中に何かが芽生えた気がした。
「あ、そ、そうなんですね。楽しみにしてます。」
俺はそう返して彼が扉を抑えててくれるのでそのまま外へ出た。
「またぜひいらしてくださいね。今日も一日お疲れ様でした。」
彼は礼儀正しくお辞儀をする。
ありがとうございます、と返事をして俺は改札へと向かった。
電車の中でもあの人の顔が頭から離れない。
名前もまだ知らない。
俺は初めて一目惚れというのを経験したのだった。
コメント
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好きです✨️