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僕は彼女よりも早くバスからおりる。
いつも、またねの後に彼女が窓越しに手を振ってくれる。
それが好きだ。
だけど今日はきっと見れない。
11月で外は大雨、中は温かいとなると、当然窓は曇って真っ白だ。
僕は彼女にまたねと言い、バスをおりた。
きっと見えない。
そう思いながらもふと彼女の席の方を見る。
僕の、傘をさす手が止まった。
白い息が漏れた。
彼女は僕に手を振ってくれていた。
窓にハートを描いて、ハートの窓の中から。
たまには雨もいい。
心の底から嬉しくなった。